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タカシの外資系物語

手帳 VS モバイルツール2000.10.27

みなさんが仕事をする上で、肌身はなさず持ち歩いているものは何ですか ? それは「手帳」である、という方が結構多いのではないでしょうか。私もその 1 人です。私の手帳は、某コンピュータメーカーが毎年くれるもので、何の特徴もないのですが、それがかえって使い勝手のいいものとして感じられるため、ここ 5 年ほど同じ手帳を使っています。


手帳には、スケジュールやアドレス、備忘録など、その人にとって非常に重要な情報が詰まっています。私の場合は、手帳がなくては仕事が一切できないといってもいいほど、この 1 冊に仕事をする上で必要なものが集約されています。「命の次に大事」といっても過言ではないほどです。


最近、このような私のスタイルに対して、ある侵略者が現れました。それは、「モバイルツール」です。試行的にマネージャー以上の社員に対して、使用が義務づけられました。社長いわく「“紙”に依存した手帳文化を捨て、あらゆることを電子的に処理する時代がやってきた」のだそうです。なんでも米国本社では、各自のスケジュール、アドレス管理はもちろんのこと、チーム間での相互のスケジュール把握、顧客との名刺交換まで「モバイルツール」上で、電子的に行ってしまうそうです。「名刺交換まで ……」と驚かれるかたもいるかと思いますが、要するに、自分の名刺情報を赤外線で相手の「モバイルツール」に飛ばすわけです。これじゃまるで、荒野のガンマンの決闘シーンです。


確かに Palm をはじめとする「モバイルツール」は、最近流行しています。データを PC にダウンロードすれば、煩雑な名刺管理などの作業が、PC 上で電子的に行えるわけですから、非常に便利なツールであることに間違いはないでしょう。しかし私はうまく使いこなせていません。私の仕事は「IT コンサルタント」ですから、元来機械オンチなわけでもありません。しかし手帳には手帳の良さがあるように思えてならないのです。


手帳のほうが勝っている点は、「日記」代わりとしての使用でしょう。あとから読み返してみて、「あのころは、こんなことをしていたなぁ ……」と、ノスタルジックな気分にひたるには、「モバイルツール」より手帳のほうが適しています。


しかし実際の仕事の合理性からすると、やはり「モバイルツール」に軍配が上がるかもしれません。飲み屋で見かけたかわいい女の子に、さりげなく自分の名刺を“電子的に”手渡す──。こんなことが実現できるのも、そう遠くないのかもしれませんね。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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