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タカシの外資系物語

E メールの氾濫2000.10.06

最近は、日系企業においても、イントラネットによる社内 E メールが活用されています。確かに E メールがないころの連絡手段といえば、実際に出向いて話をするか、直接電話をするしかなかったでしょう。限られた業務時間の中で、実際に目的相手と話をするには、やはり限界が出てきます。時間や場所を問わずに確実に伝達できる、また多数の人に対して同じメッセージを伝えることができるという意味では、E メールに勝るツールはないように思われます。


ただし、E メールも使い方に気をつけないと、本来の利便性を享受できない可能性があります。その 1 つが、「不必要な情報発信」です。いわゆる、メールの送り過ぎというやつです。


電話や面談の場合には、本人と直接話すだけですから、その本人と関係のある話だけをすることが可能です。しかし、メールの場合は、送付先のアドレスを入れておけば、簡単に送信されてしまうために、本来送る必要のない人にまで送ってしまいがちです。


私の会社でも、ある部長がカゼで 2 日寝こんでいる間に、300 通以上のメールが彼宛てに送信されたという話もあります。送った側からすれば、「あの部長の耳にも入れておこう」ということなのでしょうが、受ける側にしてみれば、本当に必要なこととそうでもないこととのプライオリティをつけるだけでも骨の折れる作業となってしまします。私レベルでも、出社してから夜の間に届いたメールの整理をするだけでも、1 時間以上かかってしまうことがあります。


私の上司の場合は、私が送ったメールのうち、自分にとって必要でないものが含まれていると、「no need!(needless!)」とだけ書いて、送り返してきます。イライラしているときなどは、「Tell me only the point! ( 要点だけ伝えろ ! )」といってきたりもします。しかし、私にしてみれば、伝えなかったばかりに、あとになって「どうしていわなかったんだ ! 」といわれることを恐れて、ついつい過剰気味に送付してしまうのです。


一般的に外資系企業の場合は、仕事がうまくいかなかった場合、「報告しなかった責任」を強く問われます。よく日本人が失敗するのが、「それぐらいのこと、信用して任せてくれていると思っていた」というものなのですが、任せてくれることと報告しないことは異なります。外資系企業に勤める以上、日本人の印象からはやや過剰に思えるぐらい、頻繁にかつ詳細に報告をするに越したことはないと思います。


ということで、私のボスのメールボックスには、今夜も着実にメールがたまっていくことになるわけです。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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