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有元美津世のGet Global!

必要なのは「完璧な英語」ではなく「通じる英語」2015.07.28

 

アメリカで、企業のカスタマーサービスに電話をすると、英語に訛りのある係員が出てくることが実に多くなりました。多くのアメリカ企業がコールセンターを海外にアウトソースしているのも一因ですが(以前はインドが大半でしたが、今ではフィリピンの方が多いです)、米国内のコールセンターでも、英語が第一言語でない従業員が増えているのです。

 

アメリカの場合、ヒスパニック系がダントツ多いですが、それ以外にも中近東系やアジア系も増えています(近年、一番多い移民は南アジア系と東アジア系です。)つい先日も、クレジットカードを解約しようと電話すると、解約阻止スペシャリストは非常に中国語訛りの強い女性でした。昨日は別のクレジットカードのカスタマーサービスに電話しましたが、中近東出身と思われる男性でした。(いつも担当者の名前を聞きますが、その名前も実に多種多様です。)

 

日本の知人の息子さんが、1年ほど前からニューヨークで暮らしているのですが、周りがネイティブでない人ばかりで、訛りがあって聞き取れないし、英語が上達しないとぼやいているそうです。(それが嫌なら田舎に行くことです。)

未だに「アメリカ=白人の国」と思っている人が多いですが、すでに4割近くが非白人であり、外国生まれの居住者は全人口の13%、史上最高の4100万人以上に達しています。とくにニューヨークをはじめとする大都市には世界各国の人たちが集まっており、訛りのある英語が飛び交っています。

 

ちなみに、アメリカでは医者も移民が多く、インド系、中国系、ベトナム系、中近東系、アフリカ系など外国生まれの人たちが占める割合が高いです。全米では3割程度ですが、大都市では半数に達しているところもあります。医療業界だけでなく、飲食業や建設業なども移民が非常に多いです。

 

このように、英語ネイティブの国に住んでいても、接する相手は訛りのある英語、ときには文法的に間違っている英語をしゃべるケースが非常に多いのです。

 

通じる英語を目指そう

 

世界的にも、英語を母国語とする人は3億人ちょっとですが、英語を話す人口は15億人もいるのです。つまり、ほとんどの英語話者が英語を母国語としない人たちなのです。

 

ですから「ネイティブのような訛りのない英語」を目指す必要はなく(ネイティブといっても、いろいろな訛りがありますし)、それよりも「通じる英語」を目指すべきだと思います。もちろん、通じないほどの訛りは困りますが、たとえば”David”のvをbで発音しても通じます(長年、アメリカに住んでいる日本人でもbの人たちが)。

 

私は、東南アジアにもよく行きますが、ネイティブ向けの英語で話すよりも、少しブロークンの簡単な英語にした方が通じます。何度も言っているように、言語はコミュニケーションの道具で、目的は正しい英語を話すことではなく、意思の疎通なのですから、相手に通じる形で話すというのは当然でしょう。

 

「ちゃんと発音できないから」「間違っているかもしれないから」と自信なさげにボソボソと話し、”What did you say?”と聞き直されて、さらにひるんでしまって話せなくなったという人は多いのではないでしょうか。

 

そういう場合、”I’m sorry I can’t speak English very well”などと言って謝る日本人が多いのですが、謝る必要はありません。それよりも、大事なのは相手にわかってもらえるまで、この手あの手で伝えようとすることなのです。そうした経験から「こういう風に言えば通じるんだ」というのが体得できます。

 

自転車に乗っている人を見るだけで、自転車に乗れるようになった人はいませんよね?実際に自転車に乗り、練習をして何度も転んで、乗れるようになるわけですが、語学も同じです。転ばずに身につけるのは無理なのです。

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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