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外資系転職に役立つコラム ITスキル標準とヒューマンスキルどっちが大事 コラム一覧

第六回 最終回 キャリアアップにモノを言う!実力時代のスキル標準


● さあ実力の時代がくる

これからは、日本から見て先進国アメリカが既にそうなってきたように、企業は一層グローバル指向の波が広がり、企業統合が進み、人材の活性化、流動化が加速され、企業規模の大小に関わらず、ビジネス面では、人材の実力・本質が最も重視されていく時代となってくるでしょう。その中で、自分の将来のキャリアアップ計画をしっかり立てて、自身の良い面、特長をさらにのばす勉強・実践を常に心がけておくことが、どんな時代になっても生き抜ける力を備えておくこととなり、大切なことだと思います。
IT スキル標準も、ヒューマンスキルもどっちも大事なのです。
でも環境が厳しくなる反面、学歴ではなく、実務能力や人間の総合力で正当に評価され、結果を出せるなんて、なんだか楽しいことと思いませんか。


● スキル・知識は多ければ多いほどいい

知識・スキルは、基礎から順に積み上げることが大事です。筆者は、自社で開発した客観スキル診断システムを使って、この数年間に企業の依頼を受けて、企業人材 10 万人以上を診断をしています。そこで ITSS から、ビジネススキル、業務スキルにわたって、相談を受けて統計データの分析する中でいろいろ見えてきたことがあります。

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図1出典:(C)2005 ネクストエデュケーションシンク 「スキル診断資料 診断結果 1 、診断結果 2 の 2 枚を比較」
それは、人材の実務スキル・知識を、分野ごとにレーダーチャートで量までを可視化することができるようになって、そこで見えるスキル・知識の総量は、その人材のポテンシャルを表し、まさにビジネスでの実務能力、パフォーマンスに比例するということです。ハイパフォーマーは各分野満遍なくスキル・知識の量が多く、広いのです。
スキル・知識は、たくさんあった方がよい。たくさんあればあるほど、その相互シナプスの量が増えて、それらを援用することで、多くの実務を難なくこなすことができる。(皆さんもそうした経験があると思います)。分かったことは、例えば、データベース分野の知識が高く、上級 DB 資格を保有し、そこだけに特化した人材であったとしても、それだけでは応用の仕事ができないという事実でした。ネットワークや、システム全体、 WEB などの総合的なスキル・知識の引き出しがあって始めて実践的な応用の仕事の推進ができるということです。
それはあたかも、軽自動車と、総排気量 3500 cc のスポーツカーを比べて見るようなものです。街を買い物で走っている時は、どちらも差が出ませんが、いざ高速道路で長距離を 100 キロで流れに乗って走ることになると、軽自動車ではすぐに一杯一杯で苦しくなってきます。 ( 最近の軽自動車はかなり良くなってきていますが ・・・ )。仕事でも同じことが言えるのです。ですので、20 代、30 代のうちに、基礎から、幅広く、周辺の知識・スキルまでもできるだけ積み重ねておくことをお薦めします。いずれきっと役に立ちます。


● 自分の適性・適職も知って置くと一層効果的にキャリアアップできる

図2出典: ( C ) 2005 ネクストエデュケーションシンク 「適性診断 ASK Ver 3.0 診断結果 ? バランス画面」
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また、筆者は、人材の適性の可視化も重要と考えており、数十万人を測定した実績をもつ適性診断も業務で活用しています。
人材には、それぞれ向き、不向き、適性があります。技術系に向いている人、プログラマ向きの人、人間と話すのが好きな人、マネジメントに長けている人、営業向きの人、接客向きの人、事務向きの人、経理向きの人、WEB デザイナー向きの人、経営者向きの人、派遣社員向きの人などなどです。良い面と反面の性格が同居していることも見えます。矛盾する二面性があるのも本質です。さらに、業種ごとや、企業ごとのハイパフォーマーの類型波形を見出すこともできます。グループの相性も分かります。
しかし、逆に、この適性は、実際に千人近く診断して見ると、全く隅から隅まで同じ波形の人間はいないことが分かります。類型的に近い波形になる方は、近い適性であるとしてほぼ見極めることができますが、さらに細かく一つ一つのひだを見ていくとそのj波形は微妙にどこか違い、その組み合わせがその人の個性となっていて、性格は細かく見れば千人千様であることがわかります。だから人間はおもしろいとも言えます。一人一人に合った方向性、教育、キャリアアップ計画が必要な所以です。
筆者も、この診断をこの数年間実践した結果、人間の性格や適性、モチベーションなどは、自分が数十年にわたって見たり考えていた範囲を遙かに超える拡がりがあり、皆全く違うことを思考し生きている人間なのたと再認識した次第です。おかげで視野がずいぶん広くなりました。また3年前の自分と比べたら、性格はあまり変わりがないのですが、マネジメント面だけが少し進歩していたのは少しうれしがったです。皆さんも一度自分を測って見てはいかがですか。


● 自職業スキルの標準化動向

グローバル化を睨んだ実力の時代を象徴するように、各省庁から、各種職業スキルの標準化の動きが拡がってきています。いくつかを紹介します。
  • 経済産業省: ITスキル標準 ( ITSS )
    本稿で紹介してきた各種 IT 関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標であり、産学におけるITサービス・プロフェッショナルの教育・訓練等に有用な「ものさし」 ( 共通枠組 ) を提供しようとするもの。経験・実績=達成度指標 ( 責任性・複雑性・サイズ・タスク特性 ) スキル・知識=スキル熟達度レベルの両面を見ます。3 月には、いよいよ Ver. 2 が発表される予定です。

    独立行政法人 情報処理推進機構 ( IPA ) ウェブサイト内 「 IT スキル標準センター」
    http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/index.html

  • 経済産業省/IPA ソフトウェア・エンジニアリング・センター ( SEC ) : 組込スキル標準 ( ETSS )
    「機器に組み込まれて機能を実現しているソフトウェア」 ( 組込みソフトウェア ) の開発に必要なスキルを明確化・体系化したものです。「技術要素」、「開発技術」、「管理技術」に分類し、各々についてスキルカテゴリ、スキル粒度、スキルレベル ( レベル 1 から 4 ) に分類。皆さんにも関係すると思います。 IT スキル標準と連携しながら、これからの我が国が得意とする組込系のスキルの標準となっていく指標です。どのような枠組みか、一度目を通しておいてください。

    独立行政法人 情報処理推進機構 ( IPA ) ウェブサイト内 「組込みソフトウェア開発力強化推進委員会活動報告」
    http://sec.ipa.go.jp/download/200504eb.php

  • 中央職業能力開発協会 ( JAVADA ) :  職業能力評価基準
    厚生労働省系の団体である中央職業能力開発協会 ( JAVADA ) が策定する
    職業能力評価基準とは、企業・団体において、労働者が発揮することを期待される仕事上の成果につながる行動(職務遂行のための基準)と、そのために必要な知識や技能・技術を業種別・職務別に記述したものです。

    中央職業能力開発協会 (JAVADA) ウェブサイト内 「包括的職業能力評価制度整備事業のご案内」
    http://www.hyouka.javada.or.jp/

    事務系職種 ( 業種共通 )/電気機械器具製造業/ホテル業/印刷業/スーパーマーケット業/アパレル分野/ロジスティクス分野/市場調査業/外食産業/広告業/エンジニアリング業など 21 業種にわたる様々な業務のスキル標準が提供されている。広い面でのスキルの標準化の参考にされるとよいでしょう。

    また、中央職業能力開発協会では、その他にも、厚生労働省の委託で、「専門・技術職」「事務職」「営業・販売職」といったいわゆるホワイトカラー職種に従事する人がその職務を遂行するうえで必要とされる専門的知識を段階的、体系的に習得することを支援するため、ビジネスキャリア制度を実施しています。

    人事・労務・能力開発/経理・財務/財務管理/営業・マーケティング/マネジメント/生産管理/法務・総務などの分野の認定試験を実施しています。

    中央職業能力開発協会 (JAVADA) ウェブサイト内 「ビジネス・キャリア制度・制度の仕組み」
    http://www.bc.javada.or.jp/system/index.html

  • 経済産業省:経理・財務サービス スキルスタンダード
    『事業支援サービス』の市場構築を促すため、企業の経理・財務部門の業務プロセスと業務遂行に必要なスキルを定義。参考に。

    商務情報政策局サービスユニットウェブサイト内 「経理・財務サービス スキルスタンダード」
    http://www.meti.go.jp/policy/servicepolicy/contents/management_support/files/keiri-zaimu.html


● 便利な学習サイトの紹介

最後に、あまり知られていませんが、筆者がお薦めの技術系学習サイトをご紹介します。 IT 以外も充実しています。文部科学省系の独立行政法人科学技術振興機構の e ラーニングサイトです。ここには、技術者の継続的能力開発や再教育の支援を目的とし、科学技術振興機構が提供する、技術者向け e ラーニングサービスがあります。ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料、電気電子、機械、化学、社会基盤、安全、科学技術史、総合技術監理などに関する約 600 コンテンツにも及ぶ e ラーニング教材を無料で学習することができます。それぞれフラッシュなどの動画が動き、 15 分程度で学習ができます。簡単な確認テストもついています。 また、対象分野は学生にまで拡がりますが、文部科学省系の財団法人高度映像情報センター( AVCC ) の e ラーニング紹介サイトでも、無料で学べる e ラーニング教材が約 360 コンテンツ登録されています。重複する紹介もありますが、ご活用ください。 以上で、私のコラムは一区切りつきましたので、今回で終了させていただきます。これまで長い間、ご愛読、ご支援ありがとうございました。なお、本稿へのお問い合わせ、ご相談などがございましたら、いつでもこちらにご連絡ください。読者の皆様の、今後のお仕事のご発展、ご活躍を心からお祈りいたしております。




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