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ITスキル

外資系転職に役立つコラム ITスキル標準とヒューマンスキルどっちが大事 コラム一覧

第三回 今求められる人材とは


● IT スキル標準の Ver 1.1 の概要(改訂版)公開

さて、この8月15日に IPA 内の IT スキル標準センターから IT スキル標準のVer 1.1 の概要(改訂版)が公開されました。
http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/news/itss/newOutline_v1_1.html
ここでは、前版の説明不足の改善と活用の際の分かりやすさの改善がなされています。
また、 2006 年3月に以下の内容を改善した Ver 2.0 を公表する予定が明示されました。
1. 職種と専門分野
・専門分野を見直し統廃合する
・職種の説明を充実する
2. 達成度指標
・構成と内容を見直す
・評価基準を明確にする
・「タスク特性」の名称を変更する
3. スキル熟達度
・構成と内容を見直す
・スキル項目の名称を見直す
4. 分かりやすさ
・できるかぎり平易な表現にする
これによって、今後の方向性、発展性などが見えてきました。


● ITSS がいよいよ調達からブレイクの兆し

最近、筆者の周辺では、この IT スキル標準が調達(人材採用と業者の選定)用途に使われ始めていることをよく耳にするようになりました。大手 IT ベンダーはほぼ揃って、パートナー企業、業務委託先企業に向けて ITSS レベルの申告を求める動きがあり、主にレベル3以上のスキル取得を推奨している様です。その結果、業務委託先企業や人材派遣業で呼応する動きが見られるようになりました。
また、金融庁が情報システムの調達基準として、 IT スキル標準に沿ったスキル・レベルを IT ベンダーに申告させることを決めたとの記事が出ていました。 IT ベンダーの技術者の経験やスキルを数値化して把握することで、料金や品質の適正化を図るのが目的で、他の中央省庁にも波及する可能性が示唆されています( IT プロフェッショナル誌)。
いよいよブレイクする兆しが見えて来ており、読者の皆さんもこの変化に対応してスキル強化、キャリアアップの先取りを意識されてはいかがでしょうか。


● IT エンジニアの実態調査と効果的なキャリアアップ目標

では、キャリアアップをどのように考えていけばよいのでしょうか。少し前になりますが、IT エンジニアの職種別の過不足状況を示す経済産業省の調査があります。

図1. IT エンジニアの割合調査(出典:経済産業庁)
図を拡大する

図2. IT エンジニアの職種別過不足感(出典:経済産業庁)
図を拡大する
図3.キャリアパスの例 (出典:経済産業庁)
図を拡大する
上記の図1と2から、高度 IT 人材が不足していることが見えます。特に、IT コンサルタント、プロジェクトマネージャ、IT スペシャリストの高度・中堅レベルが大幅に不足しています。
これら職種を目指すためのキャリアパスは右の図3が参考になります。IT スペシャリストでハイレベルを目指すもよし、管理スキル、ヒューマンスキルを磨けば、IT コンサルタントやプロジェクトマネージャの道が開けて来ます。
また、先程の職種別過不足感の図からは、プロダクト開発、保守運用の人材はほぼ足りていることが分かります。


● IT セールスは穴場職種 ?

ここで、注目すべきは、IT セールスでしょう。 50% の企業が人材の不足感をもっている職種です。また、年収の実態比較でも、 2003 年度経済産業省の委託事業報告の調査の数字によりますと、IT セールスは、コンサルタント(ハイレベル:602.5 ? 1302.0万)、プロジェクトマネージャ(ハイレベル:571.0 ? 1283.3 万)、IT スペシャリスト(ハイレベル:548.6 ? 1244.9 万)の分布に比べても、602.8 ? 1314.8 万と比較的高い水準を示しています。IT エンジニアの方々にとって、IT セールスの職種は、これまでの技術スキルの上にヒューマンスキルや営業センスをプラス出来る方であれば訪問型コンサルティングセールスでレベル7迄いける職種でもあり、職種のバリエーションも広く、また低いレベルからも移れ、意外とキャリアアップの穴場かも知れません。ちなみにセールスからさらに経営寄りを目指す方には、最上流のマーケティングがあり、年収も774.5?1434.0 万と群を抜いています。
これらの営業系職種は企業の経営戦略を具体化する上で、上流工程となり、人材戦略上も必要度が高いポジションであることを裏付けてる格好となっています。

● プロジェクトマネジメントは ITSS 必須スキル

さて、IT スキル標準でどの職種にも必須となっているのが、プロジェクトマネージメントのスキルです。ITSS のプロジェクトマネージメントは、PMBOK (Project Management Body of Knowledge)を基準としていますす。
PMBOK はアメリカの非営利団体 PMI が策定した、世界標準と言ってもよいプロジェクトマネジメントの知識体系です。もともと米国防総省が大規模プロジェクトを管理するためのマネジメント手法を体系化したのが始まりとされ、従来の品質、コスト、納期の3つに着目した「 QCD 」マネジメント手法を拡張し、 PMBOK では、プロジェクトを遂行する際に、統合管理、スコープ、タイム、コスト、品質、人的資源、コミュニケーション、リスク、調達の9つの知識エリアでマネジメントを行なう必要があるとしています。また PMBOK に準拠した国際的な認定資格である「PMP」が日本でも人気となっています。これは、まずは基本知識が理解でき、トライする価値のある資格といえます。
しかし、プロジェクトマネジメントの実践では、人間を相手にする訳で、決して PMBOK の知識体系を習得すればできる訳ではありません。例えばリスクマネジメントだけ完璧に進めようとするあまり、失敗する要因ばかりをあげて、後ろ向きな自分本位な交渉やマネジメントを行うことを目標とする人がいます。そうしていれば目先の損はしないでしょうか、こうした対応ばかりしていると、いずれ人間関係を失うことになりかねません。どんな仕事にしろ、一番大事なことは人間の信頼関係だということを理解しておいてください。

● ヒューマンスキルとコンピテンシーの重要性

筆者は、プロジェクトマネジメントを実践する上で重要となる、ヒューマンスキルとコンピテンシーに注目しています。また以前から、ITSS で把握する実務能力と、人間の総合的な人格との範囲の比較を右の図 4の様に捉えて、人材育成・教育に取り組んでまいりました。

  企業と個人の視点から見たITSSの適用範囲 ITSSでの対応
企業・組織の視点 <企業理念>  
経営戦略 経営戦略
ビジネス・組織活動 ビジネス実践
人材戦略 (人材採用・投資) 人材育成・教育(研修ロードマップ)
業績 企業競争力
個人の視点 <総合的人格の分解>  
経験・実績 達成度指標
実務スキル(テクニカルスキル/ヒューマンスキル) スキル熟達度(スキル領域)
知識 知識項目
コンピテンシー(行動特性) ※ITSSでは未対応
モチベーション(動機) ※ITSSでは未対応
適性・資質 ※ITSSでは未対応
(C)2005 ネクストエデュケーションシンク作成
それでは、次回は、この図を参考に、効果的な各スキル取得について考察したいと思います。




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