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外資系転職に役立つコラム ITスキル標準とヒューマンスキルどっちが大事 コラム一覧

第五回 効果的なスキルアップで、人間力のある人財に


● エントリーレベルとミドルレベルで総年収 200 万以上の差 !

さて、前回に、IT スキル標準のどの職種でもエントリーレベルとミドルレベルの方では、総年収ベースで 200 万円以上の差が開いていることを調査資料でご覧いただきました。目指すならばプロフェッショナルのレベル3?4以上です。
また、未経験レベルの方が、仕事をしながらその合間に学習して、レベル3以上の技術スキルアップを効率的に目指して行くためには、計画的な IT 資格取得が有効だとお話しました。前回使った ITSS ユーザー協会の「ITSS スキルフレームワークと IT ベンダー試験の関係(Ver.1)」のマップを参考にして、もう一度整理してみましょう。


● 未経験からスタート ! レベル 1 未満?レベル 1 の資格はこう取る

まずは IT 業界の未経験レベルとしてスタートした場合、レベル 1 未満で取れる資格として MCA やOracle Master Silver Fellow が有効です。これらはマイクロソフトと Oracle の代表的な入門資格です。そして、レベル 1 のスキルとして、どの職種でも共通の IT 基礎スキルが総合的に学習できる CompTIA+ がおすすめです。コアハードウェアでは、トラブルシューティングから、マザーボード、プロセッサ、メモリ、プリンタ、基本ネットワークまでの入門知識が実践的に学べます。同様に OS テクノロジーでは、 OS の面からそれらの知識を学習できます。
また、レベル 1 では、さらに、Linux の代表的な認定試験である LPI レベル 1 、UML の資格 UMTP L1、CompTIA Network+、Oracle Master Silver、CIW ファンデーション、最近人気の XML マスターベーシックなどの資格取得が基礎力をつけていく上で有効です。基礎力が幅広くなくては、その上に専門的なスキルは積むことができません。


● レベル2なら、「基本情報技術者試験」を目指そう

レベル2の資格としては、基本情報技術者、MCP、CCNA が有効です。特に基本情報技術者試験は、毎年 80 万人が受験する国家資格試験・情報処理技術者試験の1つであり、情報技術全般に関する基礎的な知識を活用し、情報システム開発においてプログラムの設計・開発を行うとともに、将来高度な技術者を目指す者としての知識・技能を認定する試験です。企業が取得を勧めるIT技術資格のナンバーワンでもあり、基本中の基本と言えます。どこかで必ず取得する様にしましょう。

分野としては、コンピュータ科学基礎/コンピュータシステム/アルゴリズムとシステム開発/ネットワーク技術/データベース技術/セキュリティと標準化/情報化と経営/ハードウェアに関すること/ソフトウェアに関すること/アルゴリズムに関すること/データ構造およびデータベースに関すること/通信ネットワークに関すること/プログラム設計に関すること/プログラム開発に関すること、などの知識が総合的に身に付くと同時に、就職、転職でも重視される資格です。

独立行政法人情報処理推進機構 ホームページ内 情報処理技術者試験制度
http://www.ipa.go.jp/about/jigyoshokai/jitec.html

また、マイクロソフトのMCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)は、システムエンジニア、コンサルタント、プログラマー、トレーナーなど、システム管理やシステム開発のエキスパートを対象としたマイクロソフト製品の技術知識を認定する代表的な資格です。IT ベンダーの資格の中では取得者数が一番多い人気資格です。
そして、CCNA はシスコシステムズが行なっているシスコ技術者認定の入門資格として、業界デファクトとも言える同社のルーターやスイッチを使ったメンテナンス、トラブルシューティングの知識まで幅広いネットワークの知識を体系立てて取得できるもので、ネットワークエンジニアには必須の資格です。


● エントリーレベルのうちに身に付けたいプログラムスキル

さらに付け加えれば、エントリーレベルで身に付けておきたい、基本的なプログラミング言語、マークアップランゲージとして C、C++、COBOL、Java、UML、HTML、XML などの各種言語があげられます。また市場で求められているプログラミング言語では、C、C++、Java、UML、HTML、XML のほか、VB、Linux、UNIX、ASP、CGI、Perl、PHP、などが現在市場価値が高いスキルといえます。これからは、Windows 系から、Linux などオープン系、組み込み系のスキルも求められてきます。そして、ネットワーク、データベース、セキュリティの知識、実践力を持てば、IT市場か急拡大している今、引く手企業はたくさんあります。参考にしてください。


● ミドルレベル、レベル 3 は「あの資格」が狙い目

また、レベル3では、プロジェクトマネジメント体系の世界的なデファクトでもある PMBOK の認定資格である PMP が狙い目です。これは、これからの IT エンジニアの必須資格としてぜひトライしましょう。さらに、オラクルデータベースの主要資格である Oracle Master Gold、そして、OS のデファクトでもあるマイクロソフトの製品での IT インフラの設計や実装におけるシステムエンジニアの資格であり、専門性の高い MCSE (マイクロソフト認定システム エンジニア)などをお薦めします。


● IT スキル標準と資格レベルの相関の検証

さて、ここで、 NEC クライアント・サーバ販売推進本部が行った興味深い検証の結果をご紹介します。業界ナンバーワンの販売実績のExpress5800 / ftサーバの、販売店、SE、CEに向けて、技術力と顧客満足度を向上させるために独自の技術認定制度を行っており、試験合格とともに、その認定の必要条件の1つとして、 ITSS のレベル3の技術力の到達を推奨しています。
そこで、販売店の中から、MCSA、MCSE の資格を取得している方々に多数協力をいただき、ネクストエデュケーションシンクの ITSS レベルチェッカーで ITSS スキル熟達度レベルを診断した結果、図1、2の様な相関となりました。


図1出典: NEC クライアント・サーバ販売推進本部
調査資料(2005年8月)より
図を拡大する

図2 出典: NEC クライアント・サーバ販売推進本部
調査資料(2005年8月)より
図を拡大する

MCSA は ITSS レベル2相当、MCSE は ITSS レベル3相当と、 ITSS ユーザー協会発表のマップとほぼ同様の結果が検証されました。この検証からも、 IT 資格取得が、ITSS のレベル3以上の計画的な技術力アップ、キャリアアップに非常に有効な手段であることが見てとることができます。これらのお薦め資格取得は、長い目でみて読者の皆様のキャリアアップにきっとお役に立つと思います。ぜひ順にトライしてみてください。


● IT スキル標準のヒューマンスキル

IT スキル標準では、技術スキルとともに職種共通でヒューマンスキル(パーソナルスキル)も必須となっています。こちらも、計画的に学習できるように、研修コースのモデルが「研修ロードマップ」で表示されています。ヒューマンスキルでは、コミュニケーション、ネゴシエーション、リーダーシップの3つのスキルが必須となります。それでは、それぞれ具体的にはどのような知識・スキルか必要か見ていきましょう。

エントリーレベル(レベル 1?2 )のヒューマンスキルでは
●コミュニケーション( 2 Way )
・対話およびインタビューの実施
・意思疎通
・コミュニケーション手法の採用と実践
・効果的な話し方、聞き方の実践
●コミュニケーション(情報伝達)
・プレゼンテーション技術の活用と実践
・公式および非公式文書の作成
・文書表現および表現力の活用と実践
・メディア選択
・説得技法の活用と実践
●コミュニケーション(情報処理)
・状況対応能力の育成、実践
・状況理解力の活用と実践
・ミーティング運営技術の活用と実践
●ネゴシエーション
・交渉プロセスの把握と実践
・効果的な交渉技法の活用と実践
・信頼関係の確立
・目標の設定
・共通利益
・論理的思考の実践
・問題解決手法の活用と実践
●リーダーシップ
・リーダーシップの基本や原則の把握と実践
・チームワークとコミュニケーションの実践
・プロジェクト目標の設定
・プロジェクトの推進
・プロジェクトの実行
・プロジェクトマネジメント
・チームメンバの連携
・チームメンバの動機付けと達成感の提供
以上が、 ITSS がエントリーレベルで必要としているヒューマンスキルの全体像です。しかし、この中には、教室で学習するだけではなく、実践や、OJT でなければ身に付かないスキルも含まれています。


● 人財能力の氷山モデル


図3 出典: ( C ) 2005 ネクストエデュケーションシンク 「人材能力の氷山モデル」
図を拡大する
なお、これらの様々な ITSS が定義しているスキルは、個人の能力分布の中でどのような構造になって保持されているのでしょうか。人財の能力分布の全体像(図3)を見てみましょう。

図3で見られるように、ITSS が定義し扱っている部分は、個人の能力全体のうちの、見える部分である知識・スキル(スキル熟達度)、経験・業績(達成度指標)です。しかし、それらの実務能力・業績は、その下で制御している行動特性(コンピテンシー)により発揮され、毎回成功に導くことができるように訓練されます。

また、さらに潜在下、水面下には、普段は見えない部分ですが、実は仕事では、エンジニア、プロマネ、コンサル、営業などの職種の如何を問わず、最も大きな影響を及ぼす個人のモチベーション、資質、適性、価値観・性格の層などが、存在しています。企業での人財の採用や、適材適所配置、育成などでは、技術面だけではなく、この部分を可視化し見極める重要性が言われてきています。これらの能力の総体が、その人の人間力、人格などと言われるものとなるのです。つまり、いくら技術スキルが高くても、人間力、人間性が劣っていれば、仕事や人間関係での成功は難しいと言われる所以です。




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