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外資系転職に役立つコラム ITスキル標準とヒューマンスキルどっちが大事 コラム一覧

「IT スキル標準」という言葉をご存じでしょうか。初めて耳にする方も多いのではないかと思います。
IT スキル標準とは、経済産業省が 2002 年 12 月に発表した「各種 IT 関連サービスの提供に必要とされる能力を明確化・体系化した指標であり、産学における IT サービス・プロフェッショナルの教育・訓練等に有用な「ものさし」(共通枠組み)」と定義されています。

参考:「IT スキル標準」(IPA ホームページ)http://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/

第一回 スキルの登山地図を片手に


● IT スキル標準発表の背景

IT はビジネスや家庭の中に浸透し、今や社会になくてはならない技術となっていますが、一方でその業界は多様化、高度化し、大きな流れとしては IBM のパソコン事業売却の選択に代表されるように、ものづくりから、サービス産業を指向する時代へと大きく変貌しつつあります。
IT 技術者に求められるスキルもますます多様化、専門化し、かつて身につけた開発手法や言語などの知識・スキルだけでは、IT ビジネスの進展スピードに追いついていけない状況となってきています。

あわせて近年、ビジネスの急速なグローバル化の進展とともに、インド、中国、ベトナムといった安価なIT技術労働力が、オフショア開発という名の下に進出し始めています。

我が国のIT産業は、早急に国際競争力をつける必要に迫られており、IT スキル標準は、そんな危機意識から国策としての背景を持って生まれてきました。

IT サービス産業での経営資源は人材が全てです。この人材のスキルをいかに高め、競争力をつけて企業を発展させていくかが、これからの経営課題となっています。


● スキルの可視化と IT サービス業界の登山地図

私は、もともと教育系の編集畑が長くかれこれ数百冊以上の書籍・コンテンツを出版してまいりました(歳がわかりますね)。 10 年程前は IT 系の出版社に在籍し、IT 資格教材の編集に携わっておりました。当時は、マイクロソフトの MCP 資格制度が世に出始めたところで、その後オラクルマスターの教材を発売し、資格ブームに乗って相当数の販売につながりました。

しかしその後、資格取得だけでなく、ビジネスでの実務スキル、実践力が問われる本質指向の時代に移り、そこで発表された IT スキル標準の考え方は、まさに時宜を得た画期的なフレームワークといえると思います。 IT サービス産業の職種を IT スペシャリスト、カスタマーサービス、セールスなどの 11 職種 38 専門分野に分けて、スキルレベルを 7 段階に設定した ITSS スキルフレームワークは、まさに、企業の経営戦略の視点から見ても、またキャリアアップを望む個人の視点から見ても、必要なスキルをマトリックスとして可視化した IT サービス業界全体の登山地図といえるものです。これで IT 技術者は迷わず目標とする山頂を仰ぎ、目指すことができることになります。

図を拡大する 出典:経済産業省HP


● ヒューマンスキルの必要性

もう一つ画期的だった点は、IT スキル標準では、IT の知識、技術スキルを問うだけではなく、ビジネスを推進する上で重要なヒューマンスキルも、全ての職種で「基本スキル」として定義したところにあります。

確かに IT 技術だけでは、ビジネス推進はできません。例えばプロジェクトマネジメントという仕事では、IT技術全般の広い知識を持っているとともに、顧客との信頼感を築く上でも、打ち合わせなどの局面においてコミュニケーションスキルの発揮が必要です。

また、会社の営業や開発部署とのネゴシエーションスキルや気配り、そして、仕事をスケジュール通り納品まで責任をもって推進していくリーダーシップも重要です。これまでの情報処理技術者試験などでは、技術知識の有無が問われるだけだったものが、実際の実務の中では IT 知識、スキルとともに、ヒューマンスキルがとても重要であるということに気づいたのです。

次回は、IT スキル標準とヒューマンスキルの関係をさらに考えて行きたいと思っています。IT スキル標準は、現在 Ver 1.1 であり、まだまだ改善課題をたくさん含んでいるものでもありますが、これをうまく利用することで、ビジネス全体の動きを俯瞰しながら、自身の最適なキャリアアップや、企業の業績貢献の両面に役立てることができる、すぐれた指標といえます。?


斉藤 実(さいとう みのる)
ITSS ユーザー協会 スキルアセッサー部会 教育・研修 WG 副主査。JPC 認定プライバシーコンサルタント。スキル診断・教育サービスコンサルタント。
哲学教育系雑誌編集長を経て、株式会社アスキー入社。パソコンマニュアル OEM 編集長、IT系教育メディア編集長、健康系編集長を経て、 1999 年にeラーニング、スキル診断専門の教育サービスベンチャーである株式会社ネクストエデュケーションシンクを立ち上げる。代表取締役社長。


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