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有元美津世のGet Global!

アメリカの3年制大学--賛否両論2015.01.06

新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 

アメリカの大学の学費が恐ろしく高騰していることは、昨年、書きましたが、学生が学費を節約できるよう、アメリカでは、最近、3年で卒業できる学士課程が出てきています。とくに働きながら大学に通う学生や学資ローンを借りている学生らにとっては、1年分の学費や生活費を節約できるだけでなく、1年早く働き始められるというメリットがあります。

 

3年で卒業できる学士課程を提供する大学は、数年前からあったのですが、学生の間でなかなか人気が出ず、過去5年で3年制課程を提供する私立大学は22大学に留まっています。

ところが、昨年、(日本人ノーベル受賞者が出て日本でも一躍有名になった)有名公立大学のPurdue* が、一部の学部で3年制課程を提供し始め、話題を呼びました。

 

大学側としては、3年制課程を提供することで、より多くの学生を呼び込めることを期待しているのですが、学生には「4年間、大学生活を楽しみたい」「一年、海外に交換留学したい」といった理由で敬遠されるようです。また3年制課程を選んでも、3年で終える学生は、さらに少ないそうです。4年生課程に比べ卒業に必要な単位が減るわけではなく、各学期に科目を多く取ったり、夏休み中に授業を取ったりして、多忙な学生生活がさらに忙しくなるわけですから、3年で終了するには、かなりのモチベーションが必要でしょう。

 

留学生にもメリット

実は、私も日本での大学時代、卒業に必要な単位は3年で取得しました。卒論だけ書けばよい状態だったのですが、在学3年では卒業させてもらえないと知り、4年目は、さらにアルバイトの毎日でした。

私がそうだったように、自費で大学に通う学生には、卒業できない1年間、名ばかり学生でブラブラしているよりも、少しでも早く働いて生活費を稼ぎたいと思っている人も少なくないと思います。私は3年で卒業できれば、3年で卒業していました。

 

ビジネススクールのところで触れたように、学費のことを考え、アメリカのビジネススクールよりも1年生のヨーロッパのビジネススクールを選ぶ日本人留学生も増えています。

学部留学生にとっても、経費節約という点で3年制課程は魅力的なのではないでしょうか。

Purdue大学では、4年制課程に比べ3年制は、州内学生で9290ドル、州外学生であれば1万8000ドルの節約になると見積もっています。

太く短く苦しむか、細く長く苦しむか

私は、アメリカのビジネススクールにはパートタイムの学生として入学したのですが、通常、パートタイムの学生は3~4年で卒業するところを2年半で卒業に必要な単位をすべて取得しました。

 

パートタイムの学生(外国生まれ3人を含む全員アメリカ人)は皆、昼間、仕事をしながら通学していましたが、多くの学生が30代で小さな子供を抱える人も多く、勉強と仕事と家庭の三重苦でバーンアウトする人も少なくありませんでした。(子供と顔を会わせる時間がなく、「子供が僕のことを父親だと理解してくれてない」と嘆いているクラスメートもいました。)

4年間、ストレスの高い生活を送るか、単位を多めにとってストレスは増えても2年半で終えるかの選択肢を前に、私は苦しみが増しても短期で終える方を選びました。周りでバーンアウトするクラスメートらを見て(元々、パートタイム課程には女子は8人ほどしかいなかったのですが、そのうち3人は中退しました)、さっさと終えたのは正解だったと思います。

 

一方、同期入学のクラスメートで一番在学期間の長かった人は、なんと7年かけて卒業しました!(私は、7年も、仕事と学業の両立に苦しむのは耐えられないです。)

実は、大学の3年制課程に反対する大学関係者らには「3年どころか4年で終えられない学生が多いなか、学生が4年で卒業できるよう尽力すべきだ」という人たちがいるのです。実はアメリカでは、大半の学生が4年で卒業せず、かつ中退する学生も多いことが、最近、社会問題となっています。これについては、次回、書きたいと思います。

 

* 余談ですが、Purdue Universityは、日本語ではPurdueの発音とは異なる「パデュー」と表記されます。こうした場合、敢えて、英語表記にするようにしています。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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