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日本の労働時間(働く時間)について


得られる情報/日本の法律で決められている働く時間や休みをとるときのルールについて

がんばって働くだけでなく、しっかり休んだり、自分の好きなことに時間を使ったりすることも、生活する上で大切ですね。また、働いた分の給料をもらうことも当たり前に大切です。

長く日本で働けば、いろいろなことがあります。奥さんや旦那さんができるかもしれません。また、子どもが産まれるかもしれません。自分の家族を大切にしながら、働くことができれば良いですね。

ここでは働く時間のルールについて知っていきましょう。

給与支払いの基本的なルール

 

法律で決まっている労働時間

日本の法律で決められている労働時間は、1週40時間以内、そして1日8時間までです。

 

・在留資格「留学」や「家族滞在」の方は、1週28時間以内という働く時間を守ろう

在留資格「留学」や「家族滞在」の方がアルバイトをするために、入管(出入国管理庁)からもらう仕事の許可を「資格外活動許可」といいます。「資格外活動許可」では普通、1週28時間と決められています。1週28時間以内は1つの会社で働ける時間ではありません。許可を得た外国人の方がすべての仕事の時間をあわせて1週28時間以内まで働けます、という意味です。1週28時間を超えて働いているかどうかは入管が調べています。もしもルール違反がわかったばあい、在留資格の更新や変更が認められないこともありますので、ルールはしっかりと守りましょう。

しかし、在留資格「留学」の場合、学校が夏休みなど長い休みに入っている間は、1週40時間まで特別に働くことができます。


しかし、在留資格「留学」の方が「資格外活動許可」で働けるのは学校にいる間だけです。学校をやめたり、卒業したりしたあとは「資格外活動許可」がなくなり、働けなくなってしまうのが法律のルールです。(ただし、新型コロナウイルスが流行っている間、特別に学校をやめたり、卒業したりした後でもアルバイトを続けることができるようになっています)

 

◆残業(ざんぎょう)

1週間に40時間を超えて働く、また1日8時間を超えて働いたり、休みの日に働いたりした場合、そのオーバーした部分を残業(また、時間外労働ともいいます)といいます。会社はこの時間を超えて労働者に働かせてはいけません。


しかし、残業が行われています。どうしてでしょうか? それは、会社が労働者の人たちと約束をして、その約束の内容を役所に出して認められれば、労働者に残業をしてもらうことができます。この約束のことを「三六協定(さぶろくきょうてい)」といいます。会社にその書類はありますので、会社に言えば約束で作った残業のルールを見せてもらうことができます。

 

・残業のルール

残業にも時間の決まりがあります。残業は1カ月45時間まで、そして1年間では360時間までにおさめることが基本ですが、約束によっては休みの日に働く時間も含めて残業を月99時間まで(ただし、99時間の残業を毎月続けてはいけません。また、1年の半分は残業を月44時間までとしなければいけません。)、そして1年の残業は720時間まで決めることができます。

 

・給料のアップ

働いたらその分お給料がもらえます。残業は働く人がとても疲れてしまいます。だから、残業した部分の給料は25%以上アップ(休みの日に働く場合は35%以上アップ)します。残業した時間が夜10時をすぎている部分はさらに25%以上アップします。

 

・仕事専用の服に着がえる時間や、着がえた場所から仕事の場所までの移動時間は労働時間に含まれる?

仕事専用の服に着がえないと働けない仕事の場合は、仕事の服に着がえる時間も、労働時間と考えるのが普通です。また、着がえた場所から仕事の場所に移動する時間も、労働時間と考えるのが普通です。しかし、労働者がタバコをすったり、遊びの話をして着がえるのに時間がかかったりすると、会社はそのような時間に給料を払いたくありません。このような時に、会社と労働者の間でトラブルになることが多いですね。


休憩の時間はリラックスしても大丈夫ですが、着がえる時間も仕事の時間に含まれています。悪ふざけせずに着がえて、仕事の準備をしないといけません。

 

◆違うルールがある場合

労働者の働く場所となる会社が守らなければいけない法律は、会社側で勝手に変えることができないものが多いです。なぜなら、この法律は働く人、労働者を守るための法律だからです。

しかし、世の中にはいろいろな仕事があります。農業や漁業という1つの季節にいそがしくなる仕事もあります。その他にも仕事の結果を時間ではかるよりも、他の方法ではかった方がよい仕事もあります。コンサルタントやマネージャーもそうでしょう。しかし、すべて法律の通りにしなければいけない、となれば会社も労働者も困ることがあります。そこで、ある状況や条件では、違うルールを決めることもできます。

基本的なルールと違うルールを決めた場合、会社は特別なルールを労働者がいつでも見ることができるようにしなければなりません。また、そのようなルールは会社と労働者が意見をあわせて決めています。

 

・三六協定(さぶろくきょうてい)・就業規則(しゅうぎょうきそく)

→多くの会社で雇用契約書とは別に、働くためのルールを就業規則で決めています。残業に関するルールがここに書いてあることもあります。必ず会社に見せてもらい、わからないところは、説明を受けるようにしましょう。


 その他にも…

・労使協定(ろうしきょうてい)や労働協約(ろうどうきょうやく)など、会社と労働者との約束が決められていることもあります。疑問に思うことがあれば、会社に聞いてみましょう。

休み時間・休憩(きゅうけい)

 

働く時間が6時間を超える場合は45分以上、働く時間が8時間を超える場合は1時間以上の休み時間をもらうことができます。また、休み時間は仕事の途中でもらうルールになっています。また、休み時間は基本的に労働者が自由に過ごすことができます。スマートフォンを見てもいいですし、友達に電話をしても大丈夫です。しかし、自由といってもその仕事の環境や常識(じょうしき)は大切にしなければいけません。

休みの日・休日

 

法律で労働者は、1週間に1日または4週間のうち4日は必ず休みがもらえることになっています。もちろん会社と1週間の休みを2日で約束した場合、2日休むことができます。なお、1週間の休みを2日で約束した場合でも、休みの日に仕事をして35%以上の給料がアップするのは、そのうちの1日だけです。もう1日の休みの日の仕事では25%以上の給料がアップします。

年次有給休暇(ねんじゆうきゅうきゅうか)

 

働き始めてから6カ月以上、あまり休まないで働いた場合(労働日の80%以上)、「給料をもらいながら休むことができる権利=年次有給休暇(有休)」が10日間もらえます。同じ会社で働く期間が長いほど、もらえる日数が増えます。最大20日間です。有休は労働者が休みたいとき、好きなときに休めます。会社が「休むな!」と言うことはできません。しかし、とても忙しいときは、会社が「休みの日を少しずらしてね」と言うことはできます。

有休は、与えられてから2年が過ぎると、使わなかった場合も休む権利は消えていきます。有休を「たくさんためて、たくさん休むぞ!」ということはできませんので、疲れたとき、休みたいときは有休をとって、計画的に使ってください。

 

◆子どもを産む。子どもの世話をしたい。育児休業・介護休業

子どもを産んだり、子どもの世話をしたりすることは、大人としてとても大切なことです。仕事も大切ですが、家族も同じくらい大切にしたいですね。そのようなとき、会社に言えば休むことができます。会社はそのことで労働者をやめさせることはできません。


もちろん、休んでいるときは働いていないので会社から給料をもらえないのが基本です。しかし、保険料を払っている健康保険や雇用保険から休業中の手当として給料の50%から70%のお金をもらうことができます。

 

◆技能実習生や特定技能1号で働く外国人に子どもが生まれたら

技能実習生や特定技能1号で働く外国人は奥さんや旦那さん、子どもを自分の国から呼ぶことができません。だから、もしも子どもができてしまったとき、心配してしまうと思います。「子どもと離れなきゃいけない」「自分の国に帰らなければいけない」「もう日本にいられない」心配になりますね。


技能実習生や特定技能1号の外国人に子どもが生まれた場合、子どもは「特定活動」という在留資格をもらうことができます。子どもは不法滞在になることはありません。お母さんと一緒に日本にいることができます。

また、妊娠したり子どもが生まれたりしたら、そのお母さんの在留資格がなくなってしまうルールもありません。本当であれば、育児休暇を取得したり、安心して日本で生活したりすることができるはずです。そのための保険料・税金も支払っているはずです。

また、現在の日本には母子家庭も多くあります。このことは技能実習生や特定技能1号の外国人だけの問題ではありません。もしも、技能実習生や特定技能1号の外国人に子どもができたとき、働いている会社はから、「おめでとう!」と言ってもらえたり、支えてもらえたりするような環境であってほしいと思います。そうできるのが人間社会のありがたみです。

※一部の内容は、「日本で働く外国人の給料について」でも紹介しています。

 

(Text/行政書士明るい総合法務事務所 代表 特定行政書士 長岡由剛)


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