グローバル転職NAVI
元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。今回のテーマは、“外資に面接に行くときに、採用する側の視点を意識する”です。
候補者が、採用する側の気持ちを考えるのは少し難しいかもしれませんが、外資での面接を成功させるために重要なので、最近の模擬面接から感じる具体的なアドバイスを列挙します。
企業に応募するかどうか決めるときに、よく読んだはずの職務記述書(Job Description)ですが、複数社で面接を受けていると細部を忘れがちです。そして肝心の面接の前に読み直さない方が意外に多いのも事実です。企業が候補者を面接に呼ぶのは、必要なスキル・経験値があるかどうかを確認するためで、職務記述書に書かれている必須項目については具体的に聞きます。もう一度ポジションの職務記述書をよく読み直して、求められているスキルを持っていると証明できる実績を、経歴の中で確認してから面接に行きましょう。
企業が何を求めているのかが頭の中に明確にあると、それに寄せて質問に答えられるので、企業が求めているプロフィールに自分を近づけることができます。職務記述書をしっかり読むことは、しっかり出来ている方とそうでない方の差が大きく、質問をされた時の回答の質に影響することを意識してください。
a. 書かなかったことを面接で持ち出ない
模擬面接を行っている際、話を聞きながら「それってどこの会社のことかしら? どこに書いてある?」と思うことがあります。 面接する側は、候補者と初めてお目にかかるわけで頼りになるのは英文履歴書だけです。書類のどこの話をしているのかわからないと、混乱気味で話が耳に入ってこなくなりますし、確認に余計な時間をとってしまうことになり勿体ないです。
このケースで多いのは日英両方の履歴書が存在し、日本語版には書いたことが英文履歴書には書かれていないことを忘れている場合です。英語での面接に行くのであれば、英文履歴書に何を書いたのか、直前にもう一度読み直すことを強くお勧めします。
b. 書いてあることに関して即答できるようにしておく
時々、英文履歴書に書いてある事柄について質問をしているのに、答えがすぐ返って来ないことがあります。英文履歴書に書いてある事については、何を聞かれても詳しく答えられるようにしておきたいものです。だいぶ前のことでうろ覚えの内容は、そもそも英文履歴書に載せない方が無難です。深堀りの質問をされたら、答えられなくなる可能性があるからです。
これは自分が面接官になる場面を思い描くと理解が早いのですが、人間の記憶力には限りがあります。延々と話されても、最初のころ何を聞いたのか分からなくなってしまうのです。候補者にとって有利に働かないし、まとめる力がないように映るので、質問されたことに対しては短めに答えるのがコツです。
先方がもっと聞きたいと思えばさらに細部を確認する質問をしますので、それを待ってください。最初の答え1回で全てを話そうとしなくて大丈夫ですし、骨子を渡すくらいの気持ちでいてください。同じことを数回繰り返して話される方もいますが、端的に答える練習をしてから面接に臨んだ方がいいでしょう。 外資での面接では、ロジカルに短く話すことが成功のコツです。
面接中、具体的な成果のストーリーを求めることはよくあります。最近の実例を挙げられることが理想です。例えば社会人歴20年の候補者が新卒直後の話をしても、随分前になるので「現在」でも同じことができるのかどうか、判断が少し難しくなります。
自分の実績を現在から新卒時代に、時系列をたどって洗い出してみると、こういう経験について聞かれたらこれ、と引き出しからすぐ出せるようになり面接中に慌てないですみます。
今回は実際に外資に英語での面接に向かうときに、気をつけたい点をあげました。転職活動中の方、頑張ってください。応援しています!
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日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師
株式会社AT Globe http://atglobe.jp/
強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。