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過熱するエナジードリンク業界で独走する海外メーカー その強さの秘密とは!?2014.06.16

成長著しいエナジードリンク市場の“今”とこれから

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仕事や遊びを頑張りたいとき、あなたは何を飲みますか。

 

「ファイト!」と茶色い小瓶に入った栄養ドリンクをグイッとあける人もいるでしょう。しかし最近では、オシャレな缶入りのエナジードリンクを飲む人も多いのではないでしょうか。

 

現在、缶入りのエナジードリンクはコンビニやスーパーなど様々な場所で購入できます。さらに、競うように次々と画期的な新商品が登場し、その市場の規模は拡大の一途をたどっています。

 

今回はそんな成長著しいエナジードリンク市場の“今”と市場をけん引する海外ブランド「レッドブル」や「モンスター」の驚きの販売戦略、今後の市場の展望について紹介します。

「レッドブル」と「モンスター」でシェアなんと8割以上

 

現在、清涼飲料水の市場全体の売上は約5兆円。成熟市場のため、前年対比は100%を少し超える程度と言われています。一方、エナジードリンク市場の売上は前年対比で200%を超えたことも。規模はここ数年で大きく拡大し、400億円市場へと急成長を遂げています。

 

そんな中、エナジードリンクとして知名度が高い「レッドブル」や「モンスター」のシェアはどうなっているのでしょうか。

飲料総研の調査によると、2013年のエナジードリンクの出荷は約950万ケース(1ケース30本換算)。なんとそのうち、首位の「レッドブル」は550万ケース、2位の「モンスターエナジー」は240万ケース。つまり、2大ブランドで市場の80%以上を独占しているのです。

 

そしてこの2社はそれぞれオーストリア(レッドブル)、モンスターエナジー(アメリカ)を発祥とする海外ブランド、つまりは外資系企業です。昨今のエナジードリンク業界の競争激化は、この巨大な外資系ドリンクメーカーの黒船来襲によって巻き起こされたものと言えるのです。

 

もちろん、他社も指をくわえて2強を見ているだけではありません。最近ではスターバックスがコーヒー豆から抽出したカフェインに爽やか果汁をミックスした「リフレッシャーズ」を発売。味噌メーカーのマルコメは麹のほかブドウ糖や食物繊維、ビタミン類などの成分も配合した「hacco(ハッコ)」を投入するなど、新規参入組は従来のエナジードリンクとの差別化を図って勝負を挑んでいます。

 

それでも上記TOP2社には水を開けられているというしかない状況が続いています。なぜこの2強はこれほどまでに日本市場を欲しいがままにしているのか、今回はその秘密に迫りたいと思います。

「レッドブル」があえて炭酸飲料を選んだ理由

“日本”をコンセプトにしたエナジードリンクの「SAMURIDE ENERGY DRINK」が発売されていますが、これはオーストリア発の「レッドブル」、アメリカ発の「モンスターエナジー」を意識してのこと。では、先を行く欧米の2社は一体どのように日本で売り上げを伸ばしたのでしょうか。

 

「レッドブル」の場合、まず日本において「エナジードリンク」というカテゴリーを創出したところに特筆すべき点があります。日本にはもともと薬事法で守られた「栄養ドリンク」というカテゴリーが存在し、強固なブランド力を誇る商品が居並んでいました。ところが、「レッドブル」はあえて医薬部外品の許可を取得せず、炭酸飲料として商標登録されました。その結果、コンビニエンスストアでお茶やコーラなど誰もが見慣れた飲み物の隣に並ぶことになったのです。ユーザーは一目見ただけで、「新しい飲み物が出てきた」と認識します。

 

さらに、こういった販売戦略だけでなく、「レッドブル」は非常に徹底したマーケティング手法を取り入れています。ターゲットを若者に向けた上で、そのセールスポイントを“飲料”であることよりも“体験そのもの”に設定し、ブランディングを行なっているのです。そのため、その“体験そのもの”のイメージを増強・拡張させる効果が期待できるスポーツ・カルチャー・音楽など様々なイベントやフェスにおいて協賛し、“体験”を求める若者にアプローチしているのです。

 

日本市場に参入した2005年当時から、バーやクラブといった音楽やカルチャーと密接な関わりを持つスポットで販売をスタート。疲労困憊のサラリーマンが疲れを吹き飛ばすために選んでいた「栄養ドリンク」ではなく、若者が遊ぶ前に手にするスタイリッシュな「エナジードリンク」というキャラクター設定に成功したのです。

コンビニを舞台に女性にも門戸を開いた「モンスター」

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「レッドブル」に迫る勢いの「モンスター」の成功にも新しい視点があります。それは、主力の「モンスター・エナジー」だけでなく、女性を意識した「モンスター・カオス」を投入した点です。「モンスター・カオス」はオレンジ色のデザインで果汁入り。ただの果汁ドリンクだけではなく、エネルギーも欲しい女性層にぴったりのものでした。「栄養を補給したいけど、サラリーマンのイメージが強い栄養ドリンクには抵抗がある」という働く女性層にターゲットを絞り、「女性用エナジードリンク」市場を作ったと言っても過言ではありません。

 

また、これは「レッドブル」にも共通して言えることですが、販売場所としてコンビニエンスストアを重視するマーケティング戦略を打ち立てていました。パッケージデザインもコンビニで目立つものを採用。新商品としてコンビ二の店内で一番目立つところに置くよう働きかけ、より消費者に選択されやすいようボーナスポイントも付けていました。さらに、一部大手コンビ二では、一定の確率で無料商品引換券が出るよう商品を提供。消費者は当選して「ラッキー!」と思いながら商品と接点を持つため、飲む機会を与えられただけでなく、商品にいい印象を持ってもらうことにも成功したと言えます。

 

もともと「モンスターエナジー」は、2002年に北米でハンセン・ナチュラル社から発売されたのが最初。商品コンセプトや種類、サイズなど、「レッドブル」と異なる面もあるものの、マーケティング戦略としてはモータースポーツの領域で広告宣伝活動を注力しており、スポーツ×エナジードリンクというイメージづくりでは「レッドブル」に追随していると言えます。

 

また世界的にはモータースポーツを始めとした「エクストリーム系」のスポーツへのサポートが多いのですが、ここ日本ではそういった市場が大きくないことから、東京ゲームショウなどのゲーム関連のイベント、またロックイベントとのコラボレーションを行うなど、「レッドブル」に比べるとより日本にローカライズしたマーケティングを展開しているようです。

国内外を問わず様々な新商品が登場。今後の国内・外資メーカーの動きに注目

今後、エナジードリンク市場はどうなってゆくのでしょうか。先行する2強「レッドブル」と「モンスター」が市場をけん引する状況は当面の間変わらないでしょう。現在、日本国内で女性をターゲットに天然素材を使用した商品が続々と登場しています。また、日本に紹介されていないエナジードリンクも実はたくさんあります。これらが日本に進出するのも時間の問題だと考えられます。

 

今後も国内外を問わず様々な個性を持ったエナジードリンクが登場し、業界を賑わせていくことが予想されます。現時点では大きなシェアを誇っている外資系ブランドも、相次ぐ国内メーカーの参入で必ずしもそのポジションは安泰とは言えません。2014年もますますエナジードリンク市場の動向から目が離せない1年になるでしょう。

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