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和製英語に気をつけよう(19) ─ 学歴ロンダリング2016.07.26

 

今年前半、学歴詐称が日本を騒がしていましたが、学歴詐称はアメリカでも珍しくありません。私も、大学を出ていないのに「大卒」と履歴書に書いているアメリカ人を何人か知っています。(フェイスブックのプロフィールに掲載されている学歴に関しては、もっと詐称がはびこっています。)

 

詐称ではありませんが、日本で否定的な意味で使われる「学歴ロンダリング」。卒業した学部よりもランクの高い大学院に入学し最終学歴を“高く”する(というよりイメージをよくする?)という意味で使われていますが、これは和製英語です。

 

この「ロンダリング」の使い方は、犯罪やテロに使われる資金の出所がばれないように、さまざまな経路を通じて送金などをし公正な資金に見せるようにする「マネーロンダリング(資金洗浄)」(money laundering)に準じたもので、気の利いた造語だとは思いますが、学歴の場合、“出所”(卒業学部)はすぐにわかるので、正確にはlaunderingはされていませんね。

 

元々「洗濯する」という意味のlaunderingは、学歴には使えません。英語でlaunderingが使われるのは、ほぼ「資金洗浄」の意味のみで、たいてい”money laundering”としてセットで使われます。

 

単独でも、下記のように「資金洗浄」の意味で使われます。

This money needs laundering.  (この資金は洗浄する必要がある。)

 

また、下記のように、動詞として使われることもありますが、やはり「資金洗浄」の意味です。

They laundered $100 million.(彼らは1億ドルを資金洗浄した。)

The cartel laundered its drug money. (カーテルは麻薬資金を洗浄した。)

 

「コインランドリー」

 

実際、launder/launderingが「洗濯する」という意味で使われるのは稀で、「洗濯」という意味ではlaundryが使われます。

 

「コインランドリー」は英語coin laundryの借用語ですが、一般的にアメリカではlandromat、イギリスではlaund(e)retteが使われます。Laundromatは、元々、企業の商標だったのですが、一般(普通)名称として普及しました。

なお、アメリカで商標が一般名称として浸透したものには、他にXerox(コピーする、コピー機)、 Kleenex(ティッシュ)、Velcro(面ファスナー)などがあります。

 

学歴の場合

 

「学部よりもランクが上の大学院に行く」というのは「学歴を向上させる、よく見せる」という意味で、英語では一般的な表現でありませんが、spruce up one’s educational historyが使えます。ただし、これにはマイナスのイメージはなく、普通に努力して単位や資格をとった場合にも使えます。

 

He spruced up his educational history by entering ABC Graduate School.

(彼はABC大学院に入学して学歴を向上させた。)

She spruced up her educational history by taking an additional course.

(さらにコースを取って学歴を向上させた。)

”spruce up”とは「きれいにする、整える」という意味で、下記のような使われ方をします。

How to spruce up your house before putting it on the market

(家を売りに出す前に家をきれいにするには)

Volunteers spruced up the park. (ボランティアらが公園をきれいにした。)

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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