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中国のビジネス関連法規

対中国貿易の拡大や中国への企業進出に伴い、中国のビジネス関連の法律知識が大変重要になってきました。このコーナーでは、昨年のアンケートでも要望のあった中国のビジネス関連の法律・法規について、近年改正されたものを中心とした「豆知識」を数回のショート連載でお届けします。

中国は2001年12月にWTOに加盟しましたが、現在、市場経済に対応するため急ピッチで法整備を行っており、法改正も頻繁に行われています。ビジネスで中国と関連する業務をされる方は、常日頃から法改正について頻繁なチェックを心がけてください。(本連載は、2005年4月時点での法律に基づいています。)動向ウォッチングに役立つサイトの情報もお届けする予定です。


第3回 知的財産関連の法規
今回は、模倣品やコピーから知的財産権を保護する法律について。
せっかく資金・設備や人を投入して開発した技術や製品があっという間にコピーされて市場に出回ったら、開発した企業はたまったものではありません。革新的な技術やアイデアは保護される権利がある、というのが自由主義市場の考え方です。でなければ、誰も苦労して開発しようは思わなくなってしまいます。
残念ながら中国は、これら知的財産権を保護する法律の整備を欠いていましたが、WTO加盟を契機に徐々に整備されつつあり、基本的には日本とほぼ変わらない内容になっています。問題は運用と取締り規制ですね。
知的財産権

現在中国では、知的財産権に関する法律としては「専利法(特許、実用新案、意匠)」「商標法」「著作権法」などが整備されています。
具体的な保護策としては条例などが公布され、適用されています。2002年8月に制定された「著作権法実施条例」、2002年9月制定の「商標評議審査規則」(2005年11月更新)により、模倣品の製造に伴う商標、著作権などの侵害に対する罰則が強化されました。また、2004年3月には「知的財産権税関保護条例」で知的財産権侵害に関わる輸出入貨物の取扱いについて規定されています。
個別に見ていきましょう。

<特許権>
中国の特許法では、「発明創造」の特許権を保護しています。「発明創造」とは、発明、実用新案、意匠を指します。日本の場合は、特許法、実用新案法、意匠法とそれぞれ別の法律で定められています。日本で特許庁に出願するのと同じように、中国でも「国務院特許行政部門」に特許出願し、審理を経て特許権が付与されます。

ただし、出願する発明創造が「国の安全又は重大な利益に関係し、秘密保持の必要がある場合は、国の関係規定に基づき処理する。」と記載されていますので、この点は注意を要します。
また、「中国に恒常の居所又は営業所を持たない外国人、外国企業などが中国で特許を申請する場合には、その所属国と中国の間で締結した協議又は共に加盟している国際条約に基づき処理する。」とありますので、日本・中国間の協定をチェックする必要があります。

<著作権>
日本同様、著作権は著作物の創作が行われた時点で発生します。公表したか否かには関係ありません。
違いは、中国では著作者の氏名表示権、改変権、及び同一性保持権(日本で言う「「著作者人格権」但し日本の場合は、「公表権」「氏名表示権」「同一性保持権」)の保護期間の制限が無いのに対して、日本では、著作者の死後50年までと定められている点です。
著作物を財産的に利用する「著作権」に関しては、両国とも著作者の死後50年までで同様です。(中国の場合は、著作者の死亡の日から数えて50年を経過した年の12月31日まで)
要注意点は、外国人の著作物が中国国外で最初に出版された後、30日以内に中国国内で出版された場合には、その著作物は同時に中国国内で出版されたものと見なされる点です。

ところで、中国とははずれますが、著作権に関する国際条約には「ベルヌ条約」と「万国著作権条約」があり、「万国著作権条約」では、©マーク((c)でもよい)の表示により著作権が生じますが、「ベルヌ条約」は、著作をした時点で自動的に著作権が生じると定めています。日本は両方の条約に加盟していますので、著作権を主張するのに©マークは必要がない、という事をご存知でしたか?

<商標権>
商標局の審査を経て登録された商標を「登録商標」といい、「商品商標」「役務商標」「団体商標」及び「証明商標」からなっています。商標登録権者は商標専用権を有し、保護を受けます。「証明商標」とは、商品又は役務に対して使用するもので、原産地、原材料、製造方法、品質又はその他の特別な品質を証明するために用いる標章のことです。

外国人又は外国企業が商標審判の手続きを行う場合は以下のようになります。
中国に恒常の住居又は営業所を持つ場合は、国家が認可した商標代理資格を有する代理組織に委任するか、または直接手続きを行うこともできます。中国に恒常の住居又は営業所を持たない場合は、国家が認可した商標代理資格を有する代理機構に委任しなければなりません。



豆リンク!参考になるサイト
Jetro北京センター知的財産権部
http://www.jetro-pkip.org/falv.htm


技術ライセンス

WTO加盟を機に、2001年1月より「技術輸出入管理条例」が施行され、原則として技術の輸出入が自由となりました。それまでは、ライセンス契約の期間設定について最長10年とされ、「10年を超える場合は特別許可が必要」とされていた制約が撤廃され、当事者同士で自由に決められるようになりました。

また、技術ライセンスのライセンサー(ライセンス提供者)の権利も大幅に改善されました。旧法下では、契約期間終了後にライセンシー(ライセンス使用者)が、ライセンス契約に含まれている技術やノウハウなどを引続き使用することを禁止する事ができませんでした。ライセンシーは、11年以降は、無償で提供された技術を使用できた訳です。そのため、進出した外資企業にとっては、自社のコア技術などの流出に打つ手がなく、大きなリスクを背負っての中国進出となっていました。

新条例では、契約期間終了後の技術の「継続使用」に関して、双方で協議する事が可能となりました。協議が不調に終わった場合には、ライセンシーは継続使用できなくなると定められ、外国のライセンス保有企業にとっては、今後は自社ライセンスの保護が図れ、大変大きな進歩と言えます。きちんと取り締ってもらえるか、違反を見つけて提訴して勝てるか、などの運用面は、また別の話しにはなりますが。


豆リンク!参考になるサイト
中国の技術輸入規制とライセンス契約の詳細については
  http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0111&f=column_0111_001.shtml
輸入手続や技術使用料に対する課税については
  http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0125&f=column_0125_001.shtml
(サーチナ・中国情報局 http://searchina.ne.jp/ 内コラム)


今回の豆知識はいかがでしたか?次回は、中国の会社組織についての豆知識です。
※本稿は、2005年4月時点での法律によるものです。本稿で解説した内容も、その後改正の可能性もあることをご了承ください。

参考サイト一覧
JETRO(日本貿易振興機構) 「中国」ビジネス情報ページ
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/
JETRO(日本貿易振興機構)税制
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/invest_04/
JETRO(日本貿易振興機構)外資に関する規制
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/invest_02/
JETRO(日本貿易振興機構)外国人就業規制・在留許可、現地人の雇用
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/cn/invest_05/
中国の法規に関する資料リスト (環日本海経済交流センター サイト内)
http://www.near21.jp/center/book/china/law.htm
中国新法令ニュース (弁護士法人キャスト糸賀 サイト内)
http://www.cast-itoga.com/chinalaw/index.html

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