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有元美津世のGet Global!

転職活動が活発化2021.11.02


 昨年、コロナ発生後、下降を続けた求人倍率ですが、今年に入り横ばい状態で、9月の最新倍率は、前月(1.14倍)から微増の1.16倍でした。ただし、厚労省のデータでは、新規求人は、前年同時期を6カ月連続上回っています。

 業界別の新規求人を見ると、昨年同時期に比べ、「製造業」は32.4%増で最大の伸びを示しています。情報通信業や建設業でも増加しましたが、宿泊業・飲食サービス業は7.5%減となっています。コロナで大きな打撃を受けた業界ですが、緊急事態宣言に続き、時短営業や酒類制限要請も解除されたので、今後は上向くと思われます。
 企業からのDaijob.comへの求人相談も、夏から増加傾向にあり、海外勤務の求人案件も徐々に回復しているそうです。

転職活動も活発化


 20~50代の正社員を対象にしたアンケート調査では、2020年6月から2021年7月の間に転職活動をした人、実際に転職した人は、前年比で減少しており、コロナ下で転職活動が鈍っていることがうかがえます。

 今年5月に行われた別の調査では、昨年のコロナ発生後、8割の人が転職を考えたものの、実際に転職をしたのは1割という結果でした。転職を考えた理由は、「会社や事業の将来性に不安を感じた」が一番多く回答者の半数以上を占め、次に「働き方を変えたい」「キャリアを見つめ直した」が挙げられました。コロナで、経済活動が滞る中、不安になるのは当然ですし、対面作業での感染リスク、また自粛生活、テレワークの普及で自分の人生を見つめ直した人も少なくなかったでしょう。

 このように転職を考えているものの躊躇している人は多く、緊急事態宣言やまん延防止措置が解除され、経済活動が再開される中、今後、転職活動も活発化すると見られます。

 実際、Daijobのグローバル人材の求職(転職)動向調査を見ると、緊急事態宣言中の8月は半分の職種で鈍化傾向が見られたものの、9月はサービス/リテール系(2.5%減)以外で活発化しました。特に教育/トレーニング/語学系(44.9%増)と金融/保険/不動産系(31.8%増)は大きく増加しました。  

(hrclub.daijob.com)


 とくに、「電気・機械」は、他の職種が全年同時期と比べると減少しているにもかかわらず、前年同時期と比べても増えています。前月の(前年比37.5%増)に続いて(8.3%増)で、昨今のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が要因と考えられています。

重視するのは給料よりも

 

 Daijob.comでは、5月に同サイトの登録者(転職希望者)に「新型コロナウイルス感染症拡大以降の転職に対する意識」についても独自調査を行ったのですが、75%が「コロナを機に転職活動において意識が変化した」と答えています。

 また、転職で重視すること(入社の決め手)は、コロナ以前は「給料」が1位だったのが、コロナ発生後は「リモートワーク」になりました。さらに、コロナ以前は11位だった「働く時間の柔軟性」が3位に上昇しました。

 実は、アメリカでも同じような傾向が見られ、テレワークを経験した今、かつ自分の人生を見つめ直した結果、お金よりも柔軟な働き方の方が大事だと思う人が増えているようです。

(hrclub.daijob.com)

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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