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日本でも、今月に入り緊急事態宣言が出され、海外でもニュースとなりました。今回は、それに関する一連の英語表現を紹介します。
まず、「緊急事態宣言」は”state of emergency declaration”です。
PM Abe declared the state of emergency for seven prefectures on April 7.
(安倍首相は、4月7日に7都道府県に対し緊急事態宣言を行った。)The mayor has extended the state of emergency declaration that was issued on March 18.
(市長は、3月18日に出された緊急事態宣言を延長した。)
現在、多くの国では「封鎖(lockdown)」が行われたり、「外出禁止令(stay-at-home/ shelter-in-place order)」が出ていますが、商業施設は強制的に営業停止であり、交通機関が停止しているところもあります。私は、マニラが封鎖される一日前に脱出しましたが、翌日からは(もちろん銃を備えた)警官や軍隊による検問所が設置され、自由にマニラへの出入りはできなくなりました。その後、セブも封鎖され、買物などの外出には一家族一人のみが許され、外出許可書の提示が求められます。
日本の場合、緊急事態宣言によって都道府県知事が店舗や施設の使用制限を要請または指示できるようになったものの、lockdownではありません。海外のメディアは、そうした日本の措置を下記のように表現しています。
・Quasi-lockdown(準封鎖)
・Lockdown-lite *
・Toothless lockdown (骨抜き封鎖)
・Request-based measures(要請ベースの措置)“Semi-lockdown”も使えます。
The country is on semi-lockdown until May 6.
(その国は5月6日まで準封鎖中だ。)Will their lockdown-lite strategy work to beat the coronavirus?
(コロナウイルスに打ち勝つのに、彼らの準封鎖戦略が功を奏すか?)
「外出自粛」を一言で表すとすれば”stay-at-home requests”が一番しっくり来るかと思いますが、「私は外出を自粛している」は、難しく考えず、下記のように簡単に表現できます。
I’m staying home (in compliance with the request).
「当店は4月いっぱい営業を自粛する」
We’re voluntarily closed until the end of April.
「自粛」は「自主的な行為」であり、下記のような表現も使えます。
These measures are voluntary.
(こうした措置は自主的なものだ。)The Japanese government is relying on voluntary compliance.
(日本政府は、自主的な遵守に期待している。)The first thing is obtaining voluntary compliance in the community.
(まずは、地域社会で自主的な遵守を得ることだ。)
「自粛要請」は、urgeやrequest、ask、encourageなどの動詞を使って、下記のように表現されます。
Stay-at-home requests are in effect until May 6.
(外出自粛要請の期限は5月6日までだ。)The governor urged residents to stay home.
(知事は住民の外出自粛を促した。)The mayor asked residents not to leave the house except for “essential activities” such as buying groceries and caring for family members.
(市長は、食料品の買い出しや家族の世話など必要な活動以外は外出しないように住民に要請した。)Bars and nightclubs were strongly requested to close.
(バーやナイトクラブは、営業自粛を強く要請された。)The government encouraged citizens to refrain from non-essential travel.
(政府は、不要不急の旅行を自粛するように市民に促した。)
上記の例でみたように、「不要不急」は”non-essential”です。 「外出禁止令」が出ている国や地域でも、スーパーなど必要な業種、”essential business”は営業を許可されています。何がessentialかは、たとえばアメリカでは州や郡・市によって違います。**
Some non-essential businesses are allowed to reopen.
(不要不急の業種には、再開が許可されたものもある。)Hair salons are considered essential business.
(美容院は必要な業種と見なされる。)I’m avoiding going out unless necessary.
(不要不急の外出は控えている。)
* クリントン夫妻やバイデン元副大統領などをはじめとするアメリカの民主党主流派(Democratic establishment)は、思想や政策が共和党寄りなので、Republican Liteと揶揄される。
** アメリカで外出禁止令を出しているのは州政府や自治体で、連邦政府ではない。外出禁止令を出していない州もある。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。