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特別企画インタビュー
日本で活躍する中国語圏の方のインタビューをお送りする「Chinese People」、2回目は、中国留学を中心にビジネスを展開する、株式会社 日中文化交流センターの李社長さんのお話を伺った。
李さんは、上智大学の在学中に友人と始めた「中国留学生会」の活動の一環として日本人学友の中国ガイドを勤めたのがきっかけで、日本人向けの中国留学サービスを行う日中文化交流センターを起業された。現在は、中日の人的交流の総合的サービス提供に向けて業容を拡大中である。“人” が架け橋となり異国同士が深く結びつく。民間でこそ成せる国際貢献ではないだろうか?
李欣立 さん プロファイル
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李欣立 プロファイル
株式会社日中文化交流センター 代表取締役。中国・上海に生まれ、1998年に来日。日本語学校を経て2000年−2004年 上智大学法学部、同学部卒業。2003年に日中文化交流センターを立ち上げる。2004年−2006年 早稲田大学 大学院 公共経営研究科、同科卒業。大学在学中の2003年に日中文化交流センターを立ち上げ、中国留学サービス・ビジネスを展開中。「中国留学フェア」、ビジネスパーソンが対象の「キャリアアップ留学」、中国各大学からの日本教育機関への「来日留学」など、サービスの開発に余念がない。
● 人にも運にも助けられて、”とんとん拍子” に起業。「会社を興すぞ!」という気概はなかった。
—ダイジョブ「最近は、中国留学の人気が上昇中と聞きます。李さんのビジネスも勢いがありますね。李さんの起業から現在までの歩みを教えていただけますか?」
1998年に来日してから横浜の語学学校で日本語を学び、2000年に上智大学の法学部に入学しました。2年生の時に、友人と「中国留学生会」を立ち上げ、学生交流の場を設けました。その内、日本人学生の1週間から数週間の短期留学の案内ガイドをするようになり、後の起業につながります。

中国大使館がまとめている「中国学友会」の全国組織の事務局長も務めていたものですから、中国大使館教育処と日本外務省の「日中会」実行委員会事務局を後援として、2001年に、「日中文化交流センター」を設立しました。
—ダイジョブ「法人化したのですか?」
いいえ、その時はまだ会社法人ではありませんでした。2002年には、中国短期語学研修プログラム「翔飛中国」を実施し、復旦大学、北京大学、北京外国語大学と語学研修協定を結ぶなど事業自体は進んでいきました。また、2003年には、中国留学の斡旋事業に対して中国政府の認定を受けるなど、ビジネスとして成立する下地が整ってきていました。
—ダイジョブ「法人登記したのはいつですか?」
2004年、大学4年生の時です。登記した時は「株式会社 翔飛」という会社名でした。昨年4月に社名を「株式会社 日中文化交流センター」に変更しました。
—ダイジョブ「当時、株式会社設立には資本金が最低でも1,000万円必要でしたよね。資金調達は大変でしたか?」
実は、そうでもないのです。日本人の出資者がいまして、資金援助をしてくれました。また、中国大使館の協力も得られました。
—ダイジョブ「その方が経営陣にも入らず、ポンと、融資してくれたのですか? 太っ腹というか......」
運がよかったと、自分でも思います。
—ダイジョブ「李さんの会社、日中文化交流センターは、大使館の支援や中国の大学との連携など、民間でありながら、公的機関とのつながりが強いですね。」
ええ。駐日中国大使館教育処の支援を受けたり、中国教育部(編集部注:日本の文部科学省に相当する機関)が開催する「中国留学フェア」の実施をさせていただいたり、上海の名門大学・復旦大学と「キャリアアップ留学」プログラムを共同開発しています。また、中国政府より、日本国内における留学生募集の正規窓口として認定をいただいています。
—ダイジョブ「なるほど。李さんは、公的な機関と連携して事業を発展させていらっしゃるのですね。どうして、普通では難しい公のネットワーク内に入れたのか興味が沸きます。何か、人脈を作る特別な方法でもあるのでしょうか?」
いえいえ、これも、運です。大学時代に「中国学友会」の事務局長などをして、積極的にお手伝いしていたところ、「李なら、できるだろう」と、色々な方に声をかけていただけるようになり、それが自然にビジネスに繋がっていった、という感じです。運が良いとしか言いようがない。事業に必要な“カネ”と“ヒト”、“情報”には恵まれました。
● 日本でいやな思いをして帰国すると、日本を嫌いになってしまう。
——ダイジョブ「サーチナの端木社長に『必ず聞かれる』と言われた質問なのですが、やはりお聞きしたい。来日のきっかけを教えていただけますか?」
本当はアメリカが第一希望でしたが、帰化した親戚が日本に居たので、「近いし、日本でも良いかな?」と軽い気持ちで来日しました。
——ダイジョブ「読者が一番知りたいのは、経験者のリアルな体験談だと思うのですが、来日して、何か苦労はありましたか?」
語学学校に通いながらアルバイトをしていたのですが、言葉が分からず周囲とコミュニケーションが取れなくて精神的な苦労をしました。来日して孤立する辛さが分かっているので、大学でも「中国留学生会」を作り、人との交流の機会を設けたりしたのでしょうね。
—ダイジョブ「中国からの留学生はどんな悩みがあるのでしょうか? 経験者として教えていただけませんか?」
まず、アルバイトの問題があります。日本は生活費が高いので、留学生は皆アルバイトをすることになります。 [生活費が必要]→[アルバイトをする]→[勉強できない]→[成績が思うように上がらない]→[良い就職ができない] という悪循環に陥りやすいですね。

更にいえば、SPI適性検査などの就職試験の障壁が高く、望んだ企業に就職できない問題があります。あきらめて帰国した人は、日本に関して悪い印象を持ち続けます。

これが大変な問題だと思います。他の外国ではそういったことは無いのに、日本だけ「嫌いになって」帰国するケースが多いですね。
—ダイジョブ「他の国の場合は、そんなことは無いのですか? 他の国に関しては、希望がかなわず帰国してもその国を嫌いにならない?」
アメリカなど他の国では聞かないです。日本のケースだけ、よく聞きます。
—ダイジョブ「それは、確かに問題です。何故、日本だけそうなるのでしょうか? 日本の場合は、最初から機会を与えないということが多く、その不平等感が悪印象に繋がるのでしょうか?」
● 就職問題の解決には、中国人の考え方の変化が必要。日本企業の努力も必要。
しかし、中国人留学生も考え方を変えるべきです。
皆がみな、超一流企業ばかりに入りたがる。中堅企業やベンチャー企業で勉強するのも良い機会、と幅広い選択肢も考えるべきです。
—ダイジョブ「日本企業に就職した中国の方の悩みは、どんなものがあるのでしょうか?」
私自身就職した経験がないものですから、よく分からないのですが(笑)、
  1. 同僚・上司とのコミュニケーションがうまくとれない
  2. 自分のキャリアの将来性が分からない
  3. 専門外の仕事に従事させられ、強みを磨けない。
といったところでしょうか。
—ダイジョブ「日本企業の人事担当者からは、『中国の人はすぐに会社を辞めるのでリスクが高い』という話を聞きます。」
李氏写真 確かにその傾向はあります。

原因の一つに、日本企業独自のシステムがあります。先ほど話した「キャリアの将来性」「専門外の仕事」の問題の原因です。

日本には、短期間で様々な部署に配置転換される「ジョブ・ローテーション」のシステムがあります。長期的に育てる前提なので、若いうちに各部署の仕事を経験させて、会社全体を理解させるためなのですが、そのシステムを知らない中国人は、これが我慢できない。専門性を深め、キャリア・アップしたいのに、会社はやりたくない仕事をさせる。先のキャリアに不安が生じる、と言うわけです。

でも、短期的に転職を繰り返す、いわゆる『ジョブ・ホッパー』では、勉強になりませんよね。私は、一旦選んだら、最低でも3年間はひとつの会社に勤めるべきだと思います。
—ダイジョブ「日本企業の側に問題は?」
「日本企業<--->中国人社員」の間の相互理解を深める努力をして欲しいと思います。

例えば、先のジョブ・ローテーションについても、その目的を留学生に説明するなどの努力をしていないのではないでしょうか? 日本文化を知らない中国人にとっては、将来の目標が見えないわけですから、この会社に居ても将来性がない、と思ってしまうのです。不安を和らげるためのキャリア・パスの説明も必要です。

また、人事担当の方には、中国文化への理解も深めて欲しいです。例えば、中国人は、旧正月には帰省して家族と過ごすのが当たり前なのですが、その時期にまとまった休みが取りづらい、などで、中国人は日本企業に悪い印象を持ってしまいます。中国人にとっての重要な習慣を理解して欲しいです。

あと、人材を流出させないために、中国人向けのカウンセリングを行うなども有効ではないでしょうか?
● スピードの日本、競争の中国。文化の違いを理解して、日本を好きになろう。
—ダイジョブ「中国人留学生や日本で就職する方へのアドバイスをいただけますか?」
まず、「日本を好きになる」ことが重要です。

日本ではスピードは速いですが、中国のような熾烈な競争はありません。中国の人は、激しい競争にさらされて上昇志向が強くなる、という違いを、日本人も中国人も理解しあうと良いですね。違いを理解すれば、「嫌い」と決め付けずに、日本を好きになれるのではないでしょうか。
—ダイジョブ「せっかく、日本に来てくれたのだから、日本を好きになって欲しいですね。」
李氏写真 個人レベルだけでは難しいかもしれません。中日の相互理解のためには、民間・大学・政府など幅広いサポートが必要と感じています。就職した中国人の先輩が後輩をサポートできるような仕組みがあるとよいと思います。

相互理解には、人の交流が大事ですね。日本に来た中国人だけでなく、中国に行き中国文化を理解する日本人も増えて欲しいです。

日中文化交流センターは、2005年3月より、ビジネス中国語+企業視察などの現場実践を盛り込んだ「キャリアアップ留学」を開始し、中日間のビジネスを担うキャリア人材の育成を図っています。逆に、中国各大学から日本教育機関への「来日留学」を実施するなど、中国人の日本への短期留学サービスも開始しました。

留学の斡旋だけではなく、中日文化の架け橋になる人材を育成する総合支援サービスに発展させたいと思っています。
—ダイジョブ「どうもありがとうございました。」
BACK NUMBERS
■ 「観察力に優れた人なればこそ、日本企業の特徴が見えている」 大手印刷会社勤務 蘇 朔望氏 new
■ 「思い立ったらすぐ動く。“即決・行動”の経営。」 JWord株式会社 代表取締役 沈海寅氏
■ 「日中の架け橋を目指して」 株式会社日中文化交流センター 代表取締役 李欣立氏
■ 「日本で開いたビジネスの花」 サーチナ代表 端木正和氏

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