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強みに焦点を当て、弱みを目立たせない英文履歴書の見せ方

元・外資系人事部長、10,000人を面接した鈴木美加子です。11/9(金)のDaijob.com社のグローバル人材転職フェアが近づいてきました。本日のテーマは、履歴書の見せ方です。


転職活動において皆さんの名刺代わりとなる英文履歴書は、見せ方が大事です。嘘をついてはいけないけれど、自分の実績をMAXに見せること、都合が悪いこと、例えば転職回数が多いことなどは、そこに焦点がいかないように見せることが重要です。


先日、主催するグローバル人材塾・世人塾の卒業生から転職の相談を受けました。この記事は彼女の承諾を得て書いています。


電話でキャリア・カウンセリングをすることになっていた日の前日、現在の状況をまとめたE-mailが日英の履歴書とともに届きました。これは良いアイディアです。相手が忙しいとわかっている時に、的確なアドバイスをもらうには、状況を早く理解してもらうことが肝心だからです。


彼女は、キャリアを変えたいとなんとか希望が叶って転職したものの、面接の過程で言われたことと入社後の給与パッケージが違うという状況で、試用期間中に再度、転職をしたいけれど、書類選考に通らなくて困っているとのことでした。


書類一式を見て、「見せ方」について私がしたアドバイスを以下に挙げます。


a) 日本語の履歴書を自分から提出しない


外資に応募するのであれば、ほとんどの場合、英語の履歴書しか必要ないので、日本語の履歴書を自分から進んで送らないように伝えました。なぜなら、日本語の履歴書は、最初の職場が一番上に来るからで、彼女の場合、これでは不利なのです。彼女の最初の仕事は、企業人事から見て、大変失礼ながら格下と見える業界なので、これを最初に見せると人事によってはその時点で先を読まないかもしれないと判断しました。現在、私は起業家なので価値観は違いますが、当時、企業人事だった時のことを思えば、見せないほうが良いと思ったのです。


b) Job Hopper(仕事をよく変わる人)に見せない


英語の履歴書は逆に、現職から遡って下に書くわけなので、彼女の場合「まったく違う業界に行って、入社してまだ3か月しか経ってないのにもう辞めたいのか」と思われる可能性があります。なぜ辞めたいかの理由を書いた方がいいとアドバイスしました。さらに、今までに昔の同僚、取引先に声をかけられて転職をしていることがわかりました。知り合いに声をかけてもらえる人は、仕事ができて性格が良いに決まっているので、これを書かないのは勿体ないです。過去に転職した会社それぞれの下に、転職の経緯を書いておくことで、Job Hopper(すぐに仕事を変わる人)のレッテルを貼られることを避けることができます。


c) よく読み直す


志望動機の出だしを読んで、「これってもしかして、履歴書が前回応募した時のままになってないかな」と思い、聞いてみたらその通りでした。こういうミスは勿体ないです。真剣に転職活動に取り組んでいない印象を与えてしまいますし、細部に弱いことを最初から露呈させてもしょうがないので、履歴書は提出前に、よく読み直すことが肝心です。


過去は変えられませんが、見せ方を工夫することは可能です。英文履歴書を作成する時は、どう書いたら自分の強みにハイライトが当たり、あまり表に出したくないことに照明が当たらないかをよく考えて、工夫することが大切です。

グローバル人材転職フェア


11/9(金) Daijob.com社のグローバル人材転職フェアが開催されます。私は、18:30-19:20、「元・外資系人事部長が語る、転職を成功させるために確認しておきたい5つのポイント」と題して、登壇させていただきます。転職をお考えの方、すでにスタートしている方、どちらにも役立つ内容にさせていただきますので、ご興味がある方はどうぞご参加ください。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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