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またコロナの感染が広がりつつあるヨーロッパですが、渡航前のPCR・抗原検査も不要にする国が増えています。アジアでは、モルディブが、今月に入り、ワクチン接種の有無にかかわらず、渡航前の検査は不要となりました。カンボジアも、今週、東南アジアでは初めて、ワクチン接種完了者は、渡航前のPCR検査も到着後の抗原検査も不要となりました。
タイも、4月の旧正月の水かけ祭り(Songkran)での観光需要を前に、4月1日からワクチン接種完了者に対し、渡航前の陰性証明を不要にするようです。タイでは、まだ一日のコロナ感染者数が最高記録を更新しているのですが、5月までには到着後のPCR検査も撤廃したいようです。(観光客の呼び戻しのネックになっているのは、渡航前より到着後のPCR検査で、今も到着後の検査で陽性になって、病院やhospitelに隔離され、「来るんじゃなかった!」と悔やんでいる人も… どうせ陽性となるなら、到着後より渡航前の方が助かる。)
まだ日本を含め一部の国で必要とされている渡航前のコロナ感染陰性証明ですが、英語では“(proof of) a negative Covid-19 test result”が一般的です。日本政府や日本の航空会社は「証明」を直訳して”certificate of a negative test result”ということが多いですが、”certificate”を見て、「特別な証明書が必要なの?」と騒いでいる外国人もいます。タイやスリランカを含め多くの国では病院などが出す”lab report”が「陰性証明」となります。(日本の場合、指定のフォームがあるが、 ”certificate”というほどのものではない。)
Where can I get tested? Where can I get a PCR test?
(どこで検査が受けられますか? どこでPCR検査が受けられますか?)You will be denied boarding at check-in without a negative test result.
(陰性証明がなければ、チェックインの際に搭乗を拒否される。)Japan requires a negative PCR test within 72 hours before departure.
(日本入国には、出発前72時間以内のPCR陰性証明を必要だ。)The CDC requires air passengers to have a paper or electronic copy of their test result for review by the airline. *アメリカ入国時には陰性証明のチェックも回収もない。
(CDCでは、乗客が検査結果の紙または電子コピーを航空会社に提示することを義務付けている。)If your flight is delayed before departure and your test falls outside the 1-day pre-departure requirement, you will need to get retested. *アメリカ入国には出発一日前の抗原検査要。
(出発前に搭乗便が遅れ、検査が出発前1日を超えた場合、再度、検査が必要となる。)Any air passenger entering the US, even just for transit, will require testing before departure.
(米国に飛行機で入国する乗客は、乗り継ぎだけでも、出発前の検査が必要である。)
スリランカは、私が入国する1週間前に渡航前の検査がPCRから抗原検査に変わり、2月末には抗原検査も不要になりました。アメリカ入国に必要な渡航前検査は、昨年12月からPCRから抗原検査に変わっています。
抗原検査は、英語で”antigen test”で、ART(antigen rapid test)と略されることもあります。抗原検査には、医療従事者が(または医師の監督の下で)行なうものと、自宅で自分でやるものがありますが、多くの国では前者の”professionally-administered/supervised test”を要しています。自分でやる検査は”self-administered/unsupervised test”と呼ばれ、日本でもドラッグストアなどで買える抗原検査キットは、”ATK(antigen test kit)と呼ばれます。
なお、イギリスでは、抗原検査は”lateral flow test”とも呼ばれます。
The supervised antigen test must be taken no more than one day before departure.
(医師の監督の下での抗原検査は、出発前1日以内に受検されなければならない。)Effective March 15, vaccinated travelers from VTL and low-risk countries only need an unsupervised ART within 24 hours after their arrival in Singapore.
(3月15日より、VTLまたは低リスク国からのワクチン接種完了者が必要なのは、シンガポール到着後24時間以内の自己採取の抗原検査のみである。)
掲示板などでよくある質問に、「3ヵ月前にコロナに感染して回復済みだが、今でもPCR検査で陽性になる。入国時に陽性だったらどうしよう」というのがあります。
タイも日本と同様に、PCRのサイクル(CT値)が高いと言われており、渡航前のPCR検査では陰性だったのに、到着後の検査で陽性になったという人も少なくないのです。
そこで、感染したことがある人は、医者から「回復(治癒)証明」をもらっておいた方が安心です。これは、英語では”proof/certificate of recovery”と言いますが、「証明書(certificate)」というような仰々しいものでなく、診断書のようなもので事足ります。(ただ、これで万事OKというわけではなく、タイでは、血液検査などで抗体があることを証明する必要がある場合も。)
なお、回復証明が必要なのはタイに限りません。渡航前の検査を必要としている国に渡航する場合は、検査で陽性になったときのために、取得しておいた方がいいでしょう。
If you recently recovered from Covid-19 (within 60 days of departure) and tested positive before travel, you need to present a certificate of recovery to enter the country.
(出発前60日以内にコロナ感染から回復し、渡航前の検査で陽性となった場合、入国するには回復証明の提示が必要である。)Proof of recent recovery from Covid-19 within the last 90 days is required to enter the country.
(入国には、直近90日以内にコロナ感染から回復した証明が必要である。)How can I get a certificate of recovery?
(回復証明は、どうすれば入手できるのか?)
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。