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前回に続き、今回もコロナウイルスに関連する英語表現を紹介します。
日本では、コロナウイルスの検査は「PCR検査」と呼ばれていますが* 、英語では単に”test”(検査)が使われます。検査結果の「陽性」はpositive, 「陰性」はnegative、「偽陰性・陽性」は”false negative/positive”です。
In Korea, some recovered patients are testing positive again.
(韓国では、回復した患者が、また検査で陽性になる例が出てきている。)Patients are discharged after testing negative twice.
(検査結果が二回陰性であれば、患者は退院となる。)From a public health perspective, false-negative results are even more problematic than false-positives.
(公衆衛生の観点から見ると、偽陰性は、偽陽性より、さらに問題だ。)
妊娠検査やHIV検査など他の検査でも、同様の表現が使われます。
It’s possible to have a false-positive pregnancy test.
(妊娠検査で、偽陽性の反応が出ることがあり得る。)
「検査キット」は”test kit”です。
The CDC was severely criticized for distributing faulty test kits.
(CDCは、欠陥のある検査キットを配布して、激しく批判された。)
なお、CDCはCenters for Disease Control and Prevention(疾病予防管理センター) の略です。
「抗体」は”antibody”、「免疫」は”immunity”、「抗体検査」は”antibody test”です。
Germany plans to overcome the outbreak through random antibody testing.
(ドイツは、無作為な抗体検査で、感染を乗り越えようとしている。)WHO warned that coronavirus antibodies doesn’t guarantee long-term immunity.
(WHOは、コロナウイルスの抗体があっても、長期の免疫を保証するものではない と警告した。)More than 90 percent of Italy’s population is not immune to the virus yet.
(イタリアの人口の90%以上が、まだウイルスに対する免疫がない。)Exercise boosts/improves your immune system.
(運動は、免疫力を高める。)Lack of sleep reduces/lowers your immunity.
(睡眠不足は、免疫力を低下させる。)
“Cluster”は、元々「似たものの群れ・集団」という意味で、日本でも「クラスター」は”computer cluster”を意味する「クラスターシステム」という意味で使われていました。ソーシャルメディアが登場してからは、「同じような嗜好や行動パターンなどの属性を共有するSNS上のグループ」という意味でも使われています。
オンライン、オフラインにかかわらず、「クラスター分析」といえば、データを類似度ごとにグループ分けする方法のことです。医療でも、感染病かどうかにかかわらず、「クラスター分析」が行われます。
今回のような感染病においては、「感染者集団(patient cluster)」という意味で使われています。
Dozens of clusters have been identified in nursing homes.
(いくつものクラスター感染が、老人ホームで見つかった。)The hospital cluster has grown to 100 cases.
(その院内感染クラスターは、100人に増えた。)How did migrant worker dormitories become Singapore’s biggest coronavirus cluster?
(移民労働者の寮が、いかにシンガポール最大のコロナウイルスのクラスターとなったのか?)
* PCR は”Polymerase Chain Reaction(ポリメラーゼ連鎖反応)”の略。英語圏では”PCR”という表現が使われるのは、医療・科学の分野だが、”RT-PCR”という形で使われることが多い。一般人に”PCR test”と言っても通じないが、犯罪捜査でも使われるので、犯罪・捜査モノが好きな人はDNA鑑定の方法として知っている。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。