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有元美津世のGet Global!

モルディブ(2)--リゾートで就職2022.08.02


 前回、リゾート島と地元民が住むローカル島(local/inhabited island)との違いについて書きましたが、大半の観光客はリゾート島に行きます。(ローカル島に滞在できることを知らない人も多い。)

 各リゾートで働く従業員の大半は外国人です(マネージャー職の半数はモルディブ人でなければならないという法律はあるものの。)リゾートでは、よく求人をしていて、「中国語話者」「ロシア語話者」などと並び、少ないですが「日本語話者(Japanese speaking)」という求人広告もあります。

職種


 日本語能力が必要という職は、主に(日本人客に対応する)ゲストリレーションや各部屋担当のバトラー(butler)などです。それ以外に、フロントデスクや予約業務、ハウスキーパーやコック、ウエイター、バーテンダー、飲料担当マネジャーなどのホスピタリティ職、船員、電気工(electrician)やエアコン修理工などのブルーカラー職もあります。オフィス職であれば、人事や経理、広報など一般企業と同じような職種があります。

 もちろん、ホスピタリティ業での実務経験は有利になりますが、「実務経験一年未満」というのもありますし、たまにインターンも募集しています。

 クルーズ船と同様、概して、ブルーカラー系の仕事は新興国の人たち、マネジャー職は欧米の人たちが担っています。

 求人広告は、”Maldives Resort Jobs”で検索しても出てきますし、好みのリゾートがあれば、そのリゾートのサイトにも求人情報が出ています。毎年のように、新たなリゾートがオープンしており、新規リゾートでは大量のスタッフを募集しています。なお、就労ビザ取得は、雇用主がサポートしてくれます。

 給料の目安は、ウエイターやコックが月450~600ドル、フロントデスクや予約業務が月600~1000ドルで、マネジャー職になると月3000ドル以上も可能です。

就労環境


 「モルディブで働けるなんて、ダイビングやシュノーケリング三昧できてサイコー!」と思うかもしれませんが、結構、制約もあります。

 リゾートで働いた場合の住居ですが、リゾート内の従業員用施設で暮らすことになります。やはりクルーズ船と同様、他の従業員と相部屋になるようです。

 また、仕事がオフの日に宿泊客と接するのは禁止されており、従業員エリアから出られないリゾートもあります。オフだからと言って、簡単に他の島に遊びに行くこともできません。私有地である他のリゾート島には勝手に入れませんし、ローカル島へ行くにしても、スピードボート(speedboat)は高いです。ローカル島間を行き来する公共のフェリーは安いですが、とにかく一旦、ローカル島まで行かないといけませんし、島によって一日に1~2便なので使い勝手は悪いです。

 限られた空間の中で多国籍の人たちと働くというのは、クルーズ船と似ていますが、クルーズ船のように、毎日のように違う国や都市に寄港することはないので、ずっと同じ島にいることになります。

 こうした制約の多い環境で働けるかどうか、興味がある人は、一度、モルディブに遊びにって確認した方がいいでしょう。

 なお、前回、話したように、モルディブでは英語が広く通じ、多国籍の人たちが働くリゾートでの公用語は英語です。日常会話程度の英語力は最低でも必要ですが、従業員は英語を母国語としない人たちが大半なので、英語圏で働くほどの英語力は必要ないようです。(ちなみに、モルディブ人よりインドから出稼ぎに来ている人たちの方が英語が通じた。)

ローカル島での就職


 ローカル島でも就職口はあります。私がウクルハス(Ukulhas)島で滞在したゲストハウスのマネジャーは、ドイツ人で、以前はリゾートで働いていたそうです。近くのホテルでも、ノルウェー人のマネジャーなどが働いていました。管理職は、ヨーロッパの人が多いですが、ゲストハウスやレストランなどの従業員は、インド人 、スリランカ人、バングラデッシュ人、ネパール人、インドネシア人、フィリピン人などです。(こういう職では、モルディブ人は見かけなかった。)

 ゲストハウスのマネジャーは、ゲストハウスに住んでいましたが、バングラデッシュ人やネパール人の従業員は別のところに住んでいました。

 リゾートのように生活の制限はありませんが、どこの島も歩いて回れるくらい小さく、行けるところは限られます。レストランは数えるくらいで(ただし、ウクルハス島にはイタリア人経営のイタリアンレストランがありますし、おいしいモルディブ料理やインド料理が食べられる店も)、個人経営の小さな店しかないので、手に入る物は限られます。

 また、前回、書いたように、ローカル島では飲酒はできません。

 ちなみに、南アジアの日差しは、(私が慣れている)東南アジアとは強さが違います。私はスリランカとモルディブに1ヵ月ずつ、計2ヵ月いて、人生で一番、日焼けしました。スリランカも、モルディブと同じくらい暑いのですが、スリランカでは、涼しい高原や山に行くことができます。モルディブは、どこに行っても暑く(温度的には、そんなに上がらないが日差しが強い)、海からの潮風があっても蒸し暑いです。



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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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