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有元美津世のGet Global!

テレワーク(6)海外移住も?2021.01.05


 新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 コロナに振り回された2020年は、テレワークが普及したことから、日本でも地方移住への関心が高まっています。コロナ禍以前から3割以上の人が地方移住に関心を持っていたという東京では、昨年後半5ヵ月連続で転出超過が起きているくらいです。

生活費の安い地域へ

 
 アメリカでも、同様の動きがあります。昨春、ホワイトカラー3000人近くが回答したアンケート調査では、66%が北カリフォルニアのBay Area(サンフランシスコ~シリコンバレー)やニューヨーク、シアトルから「他の地域に移住してもよい」と答えました。とくにニューヨークでは75%が「移住したい」と答えたのですが、実際に、春のコロナ感染爆発以降、住民の脱出が続いています。

 また、別のアンケート調査でも、すでに5人に1人が「転居した」ということで、「フルリモート、またはそれに近い形でテレワークができるなら、転居したい」という人は半数に達していました(ただし、3割は「同じ地域の郊外に転居希望」)。さらに、44%は「給料が下がっても、転居したい」と答えています。

 この3割以上が「大都市圏とその郊外から移転したい」という人たちで、一番の動機として住宅価格が挙げられました。53%が「現在の自宅より住宅が安価な地域への移住」を希望しているのです。また、55%が「現在の自宅よりも(車で)2時間以上離れたところ」、41%が「4時間以上離れたところ」に移住を希望しており、移住先が通勤圏ではないことがうかがわれます。

 日本では、東京一極集中ですが、アメリカの場合、過去20年ほどで、良質な就労機会が一部の大都市圏に集中してしまい、とくに東西両海岸では住宅価格が高騰しています。Bay Areaでは、住宅価格の中央値は1億円を超えており、(小さな)家を購入する(住宅ローンを借りる)には2000万円近くの年収が必要なのです。中央値の住宅を購入できるのは住民の18%のみで、IT就労者の7割が「ベイエリアでは家を購入できない」と答えています。家賃も1DKで3000ドル以上するため、一般庶民が住めなくなっており、社会問題にもなっています。

 パンデミックで一挙にテレワークが普及し、仕事をあきらめずに、生活費の安い地域に移住することができる時代が到来したのです。

給料が下がっても


 昨春、フェイスブックが「Bay Areaから移住した場合、移住先の生活費に合わせて給料を削減する」と発表した後、「給料が減っても移住を考える」という人は32%で、フェイスブックの社員の間では38%にのぼっていました。

 その後、シリコンバレーの他社も次々「地域外への移住者は給料を削減する」と発表しましたが、48%が「同じ仕事をしているのなら、給料は下がるべきではない」と答えたものの、「ワークライフバランスが向上し、全体の生活費が下がるのなら、給料が下がっても移住する」という人も42%いました。6割以上が「移住する」と答えた企業も何社かありました。

海外移住も


 7月に、米中小企業のIT部門で働く700人以上を対象に行われたアンケート調査では、スタートアップ企業勤務者の7割以上もが「テレワークが可能であれば、他国に移住する」と答えています。移住先は、北米の他の国(カナダかメキシコ)が14%、次に北ヨーロッパが13%で、12%は米国内の他州を選ぶと回答しました。(残りの6割は、どこなのか...)

 イギリスでも、従業員250人以下の中小のIT企業で働く700人以上に同じ質問をしたところ、8割近くが「同じ職で同じ給料で、テレワークができるなら、移住する」と回答しています。71%が他国に、8%が国内の別の地域に移住すると答えています。移住先として、16%が北米、14%が南ヨーロッパを挙げており、やはり、半数以上が、どこの国を希望しているのか知りたいところです。

 また、11%が、実際に勤務先に「海外に移住したい」と申し出たそうです。(税制や労働法上、勤務先に無断で移住するのは、トラブルの元。)

 実際のところ、テレワークが普及といっても、週・月に何日かは出勤も必要なハイブリッド型が多く、フルリモートの人は少数派なので、海外移住は、なかなか難しいですが、世界では、テレワーカーの誘致合戦がすでに始まっているのです... 次回は、その話。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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