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有元美津世のGet Global!

クルーズ船でグローバル力を養う(11)—リスク 2020.02.18


 中欧シリーズは、今回、いったん中断して...
過去に、クルーズについて書きましたが(下記の過去記事参照)、今回、コロナウイルス(Coronavirus)の感染で、クルーズが話題になっているので、そのリスクについても書いておこうと思います。

 

よくあるウイルス蔓延


 横浜港に停泊中のダイヤモンド・プリンセス号でコロナウイルスが発症した件で、「前代未聞の事態」などと報道するメディアがありますが、クルーズ船での各種ウイルス蔓延は、今に始まったことではありません。クルーズ船では、ウイルス感染・蔓延は、よく起こっています。メディアの人間を含め、クルーズの旅をしたことがない人が知らないだけで….(乗客3000人以上の客船になると、乗り降りするだけで、どれだけ時間がかかるかも知らないですよね...)

 つい先週も、クルーズ船(またもプリンセス)の乗客3000人中345人と乗員26人がノロウイルスに感染し、トリニダッド・トバゴに寄港を拒否され、予定より早くフロリダに帰港しました。(プリンセスは「非常に稀な事態が起こり...」と発表--米CDCに立ち入り検査をされるほど大規模な感染、という意味では稀かもしれませんが。)  

 5年前に、私が乗った中南米クルーズでも、搭乗すぐにノロウイルスに感染した(持ち込んだ?)カナダ人夫婦が16日間のクルーズ中、客室から出るのを禁じられ、出ないように廊下で船員に見張られていました。

 その後、呼吸器系ウイルスが広まり、下船後、肺炎発症が発覚した高齢の乗客もいました。私の連れもチリのサンチャゴで下船後、気管支炎を発症して高熱が出たのですが、空港の医務室で注射された解熱剤も効かず、ドクターストップがかかり、アメリカへの帰国便に乗れなくなりました。

 船内は、サンチャゴで消毒されましたが、その後、アルゼンチンに向かった後も、感染者が続出したようです。(それでも、その船内で知り合ったアメリカ人たちは、その後、何度もクルーズ旅に出ています。)

 ダイヤモンド・プリンセス号でも、「情報が少ない」と乗客から不満が出たようですが、上記の中南米クルーズでも、感染に関する情報はクルーズ運営会社(Celebrity)からは一切提供されず(隠匿しようとする)、乗客の口コミで広がっていました。

 

通勤電車にはないリスク

 日本では、クルーズ船を通勤電車なんかと比較している人がいましたが、クルーズ船では何日も空間を共にするため、濃厚接触が起こります。とくに乗員は、狭いスペースで生活を共にし、日程を終えて乗客が下船した後も、続けて次のクルーズに乗務します。上記の中南米クルーズでも、船は消毒されたものの、感染していた乗員によって、次の行程んでもウイルスが広がった可能性があります。

 さらに、通勤電車と違うのは、クルーズ船では人気のビュッフェです(とくにノロ系の感染源)。アメリカでは以前から、ビュッフェに食べ物を取りに行く度に新しい食器を使うことは徹底されていますが、されていない国の方が多いので、世界各国の人が集まるクルーズ船では、同じ食器を何度も使う人たちは少なくないです。(昨日も、ミャンマーのホテルの朝食ブッフェで、使用済みのお皿を持って食べ物をとりに行っていたヨーロッパの女性を目撃。)

 それどころか、一旦つかんだ食べ物を戻したり、使ったコップをドリンクサーバにつけたりなんていう人も山ほどいます。

 

 こうしたリスクのあるクルーズ船ですが、だからといって、持病のある高齢者ならともかく、若い皆さんに対して「乗らない方がいい」というつもりはありません。乗客としてにしろ、乗員としてにしろ、こうしたリスクがあることを知った上で、楽しめばいいと思います。(ウイルスや細菌を怖がってたら、新興国で旅行、生活なんてできない...)

過去のクルーズ関連記事

クルーズ船でグローバル力を養う(10)—「乗客として」(続編3)
クルーズ船でグローバル力を養う (9) - 「乗務員として」(後編)
クルーズ船でグローバル力を養う (8) - 「乗務員として」(前編)
クルーズ船でグローバル力を養う (7) - 「乗客として」(続編2)
クルーズ船でグローバル力を養う (6) - 「乗客として」(続編1)
クルーズ船でグローバル力を養う (5) - 「乗客として」(番外編2)
クルーズ船でグローバル力を養う (4) - 「乗客として」(番外編1)
クルーズ船でグローバル力を養う (3) — 「乗客として」(後編)
クルーズ船でグローバル力を養う (2) — 「乗客として」(中編)
クルーズ船でグローバル力を養う (1) — 「乗客として」(前編)

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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