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有元美津世のGet Global!

ワンチームの南アフリカ2019.11.12

 

  前回、「ワンチーム」について書きましたが、ラグビーW杯で「ワンチーム」を称えたのは日本だけではありません。

 優勝した南アフリカは、人種差別や貧困、高い失業率(30%近く)など多くの社会問題を抱えており、同国にとって、この勝利はラグビー以上の意味がありました。アパルトヘイト撤廃後にW杯参加を許され、1995年に”One Team, One Country”の下、自国で初優勝した時と同じくらいに。

 当時は黒人選手が一人だけで、2007年、二度目の優勝時は二人。そして、初めて黒人選手が主将となった今回、三度目の優勝を飾りました。そのコリシ(Kolisi)主将が、試合直後に応じたインタビューは、”Incredible” ”Inspirational” と英語圏のメディアで絶賛されました。

 インタビューで、同主将は、人種の壁などを乗り越えて代表チームが結束したこと、国がひとつとなってチームを応援したことを、下記のように、one teamを使わずに表現しています。

We have so many problems in our country but (we’re grateful) to have a team like this… We come from different backgrounds, different races and we came together with one goal and we wanted to achieve it.  I really hope we have done that for South Africa to show that we can pull together if we want to achieve something.
<中略>
Now, with all the challenges we’re having… the coach just came and told us the last game, ‘we’re not playing for ourselves anymore, we’re playing for our people back home.
<中略>
We love you South Africa and we can achieve anything if we work together as one
(訳:我が国は非常に多くの問題を抱えていますが、このようなチームを作れたことに感謝します。我々は、異なる背景、異なる人種から成りますが、一つの目標に向かって一つになりました。そして、それを成し遂げたかったんです。何かを成し遂げたいと思えば、力を合わせることができるということを南アフリカに見せられたと思います。
<中略>
コーチが来て言いました、「最後の試合は、もう自分たちのためにだけ戦うんじゃない。国にいる皆のために戦うんだ」と。
<中略>
We love you, サウスアフリカ。我々は一丸となれば、何でも達成することができるんです。)

  コリシ主将は、インタビューの最後に日本にも感謝し、「アリガトウゴザイマス」と日本語で終えました。

  なお、同主将は、子供の頃に「W杯での優勝を夢見たことがあるか」と聞かれた際、「(極貧状態で育ったため)次の食事をどうやって手に入れるか、しか考えていなかった」と答えました。また、2007年のW杯は、自宅にテレビがなかったため、パブで観戦したとも。

 ちなみに、南アフリカは治安が悪いことで知られており、私も、世界一治安が悪いといわれるヨハネスブルクでは「バッグを盗むのに、バッグをかけている肩ごと切り取られる」と聞いたことがあります。

 南ア代表チームのコーチは、決勝前に「(選手らと)プレッシャーについて話した。南アフリカでは、プレッシャーといえば、失業することではない。プレッシャーとは、身内が殺されること。ラグビーでプレッシャーを感じるべきではない。ラグビーは希望をもたらすのだ」と。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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