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特別企画インタビュー
Daijob中国では、日本で活躍する中国語圏の方たちの成功や葛藤などの体験談を通じて、外国人が日本社会でチャンスを得るきっかけやヒントを掴んでいただければ、と考えている。 記念すべき第一回目には、中国出身で日本で起業した方を、と思い、中国情報配信で有名な株式会社サーチナを起こした端木さんを取材させていただいた。端木さんは福建省の出身、日本-中国の架け橋になることを願い、20代で自ら事業を起こした方である。サーチナの成功は、中国出身という強みをうまく活かした事によるところが大きい。しかし同時に、端木さんが真っ直ぐな姿勢を持って、日本という異文化に溶け込んだことも重要なポイントであると感じた。
端木正和 さん プロファイル
● 来日の動機は大雑把。初めての就職は、小さなチャンスに飛び込んで掴んだ感じでした。
—ダイジョブ「まず、来日のきっかけを教えていただけますか? 何故、日本を選んだのでしょうか?」
必ず聞かれる質問ですね(笑)。父親が法律関係の仕事をしていまして、日本の法典が自宅にあったのですが、開いてみると漢字が多い。「これ(日本語)なら簡単に理解できる」と思い、日本に興味を持ちました。来日して日本語学校に2年間通い、亜細亜大学の法学部に入りました。
—ダイジョブ「初めて来られた頃の日本の印象はいかがでしたか?」
先進国のイメージでしたね。また、日本の人は、全般的に教育水準が高いと思いました。私の場合、子供の頃、親のしつけが厳しくてあまり遊べなかったものですから、日本に来て開放され、遊びました。
—ダイジョブ「大学卒業後、日本企業に就職されたのですよね。どのようにして就職先を探しましたか?」
はい、美術商に勤務しました。中国と取引があり、国内の展覧会のために北京の紫禁城などの貯蔵美術品を借り出して展示するような業務でした。

どのようにして見つけたか、ですか? 新聞の求人欄でした。とても小さい求人枠に「中国」という文字があったので、直ぐに電話して応募しました。10数名の応募者があったらしいですが、その日の内に面接に赴き、即日採用していただきました。今でもその求人広告の切抜きを持っています。

営業経験は全くなかったので、たくさん失敗もしました。営業Faxで「貴様」と書いて送ったりもしました。当時は、丁寧な言葉だと思い込んでいたものですから。今、考えるとヒヤヒヤものですね(笑)。
● 日本は礼儀作法の国。協調性が求められる点が大きな違いです。
—ダイジョブ「日本と中国の2つの文化を比較されて、その大きな違いは何だと思いますか?」
中国は、他人より優れていることや、「No.1」であることを主張する文化ですが、日本では、「協調性」を大事にし、日本的な礼儀が重要である事が一番違う点です。私は、これは教育環境の違いによるものと考えています。中国は人口の多い国ですから、主張しないと隠れてしまう(笑)。
—ダイジョブ「中国人留学生など来日して日が浅い方から、日本社会に馴染めない、という不満もよく聞きます。」
留学生の場合、接触する日本人の範囲が限られていますので、認識が狭くなることも原因でしょうね。私自身、学生時代は学校とアルバイト先の世界しか知りませんでしたが、今、こうして事業を続けてきて、認識の幅が広がったと感じます。現在は、多面的な見方ができるようになりましたので、日本社会の様々な面を中国の人に紹介できます。多くの環境に接していくうちに、色々な観点でものを見られるようになりますよ。
—ダイジョブ「Daijob中国は、端木さんのように、日本に留学して就業したい方を応援したいのですが、端木さんのご体験から、日本社会で成功するためのアドバイスをいただけますか?」
やはり、マナーの習得が日本人と心を通じ合わせる基本だと思います。その基本無しにコミュニケートするのは難しい。日本には日本の礼儀作法がありますので、その習得を心がけるべきだと思います。前向きな気持ちで、時に視線や素振りなども使って“溶け込む”姿勢を示してください。特に日本社会の場合、「感謝」と「礼儀」を重視する社会ですから、それらを忘れなければ、他の人がチャンスを運んでくれます。就職に関して言えば、採用面接では短時間で“人となり”を判断されてしまうので、外国の人の場合、努力して学んでいることを伝えるのは大事です。

また、アイデアとは、それを生み出すにはある種の「センス」が必要ですから、アイデアのありそうな人と接触して、常に自分のアンテナを鍛えることも大事です。
● 起業のいきさつは、生活の必要と“力試し”でした。
—ダイジョブ「起業についてお伺いします。会社設立にいたる経緯を教えていただけますか? 端木さんは、学習院大学の社会人大学院時代に会社を起こされたのですよね。」
ホームページ制作に興味があったので、勉強の傍ら98年の6月に個人でホームページを立ち上げました。今の「中国情報局」サイトの原型です。でも当時は中国関連のリンク集だけで、個人の趣味のようなものでした。1999年当時はITの黎明期、電子マネーの勉強をしたかったので、社会人大学に入りました。

会社自体は、別の事業を元に起こしました。健康食品「アガリクス」の代行販売業務です。

この頃の話は少し複雑になるのですが、1998年5月に勤めていた会社を辞めました。その時にはもう結婚していましたし、妻と自分の生活の不安はあったのですが、何か自分の力を試したいという気持ちがあったのでしょうね。妻に3ヶ月の猶予をもらい、その間に何とか生活の目処をつけなければなりませんでした。26歳で、資金も人脈もない。販売代行業をしようと、色々な会社を訪ね歩きました。「私に売らせてください」というわけです。70種類位の商品を扱いました。

様々な商品を売りましたが、その中の一つ、きのこの「アガリクス」がヒットしました。健康食品の利幅は高いので、その利益で4ヵ月後の1998年9月に事務所を借りました。その時はまだ個人事業でした。
—ダイジョブ「実は私は2002年頃に、当時のお話を端木さんから聞いたことがあります。学習院大学の教授が講師をされていた『起業セミナー』で、「実際に起業した優秀な教え子の話を聞かせたい」と、端木さんを講師に呼んでくださいました。その時、アガリクスを収益源にしながら、今の事業の核となる「中国情報局」サイトを作っていた事などを伺いました。昼はアガリクス、夜はサイト構築と、休みなく働かれたとおっしゃってましたよね。」
端木氏写真 そうですね。アガリクスの販売もホームページを活用していたので、夜は見積もりや決済機能のシステムを組んだり、「中国情報局」のメンテナンスをしたり、また当時としては早かったのですが、検索エンジン対策、いわゆるSEO対策も行いアクセス数が飛躍的に上がりました。その時の手法は「中国情報局」サイトでも活用しています。当時は、仕事に没頭していて寝る暇もありませんでした。質素に暮らしていましたね。たまに大衆居酒屋に行くと、「こんなにご馳走!」とぜいたく感を味わえるほどでした。今もあまり変わりませんが。

そのお陰で資金もたまり、会社を大きくするために決意し、1999年9月に株式会社の設立にこぎつけました。その頃は友人やアルバイトで回すなど、組織とも呼べなかったので、会社を組織化する必要を感じていたのです。当初から、将来は中国と日本の架け橋となる仕事をしたいと思っていましたので、会社名は「サーチナ(探求中国)」としました。

サーチナのネーミングの良さと「中国人留学生」が立ち上げた、という話題性もあり、2000年にNHKのテレビ番組の取材を受けました。それがきっかけとなり、知名度も上がりましたね。
—ダイジョブ「私が「中国情報局」のお話を聞いたのが2002年。それから、中国のニュースをYahooなどのポータルに配信したり、中国関連の白書を刊行したり、証券会社に中国株関連情報のASP配信サービスを始めたり、と、あれよあれよという間に事業を広げられて…。日本に来られた時から、会社を起こす、という硬い決意があったのでしょうか?」
いや、そんな大それた事ではないのです。先ほども言いましたが、生活基盤確保と力試しが動機ですから。ただ、「日中の文化を超えたより深い相互理解」を目指す文化的事業を起こしたい、というビジョンはずっとありました。

2000年頃中国株ブームが起き、中国株の市況情報と中国企業情報の配信事業で会社が成長したのは事実ですが、そのブームのお陰で、中国に対する興味や理解が広まり、弊社の市場も拡大しました。2004年に、弊社が刊行した「中国企業情報」がアマゾンで1位になるなど、「運」が良い上、うちのスタッフが良く頑張ったと思っています。
—ダイジョブ「単なる運では無いと思いますが。やはり、タイミングの良さというか、時代を先読む感覚が運を引き寄せるのではないでしょうか?」
● 今後は、中国情報を核としたグローバル展開を目指します。
—ダイジョブ「サーチナは、どんな企業文化の会社なのですか? これは、社員の方に伺ってみましょう。」
(ポータル事業部 長谷川さん)「まず、やってみろ」の文化ですね。考えるのは後から、と、行動力を大切にしてくれます。組織階層はあるのですが、意思疎通は速いので、スピーディに仕事が進められます。
—ダイジョブ「風通しの良い組織なのですね。端木さんにお伺いしますが、その「やってみろ」精神で、今後はどんな展開を考えていらっしゃいます?」
サーチナは、三段階の進化の途上にあると考えています。

まず、過去は「中国情報を体系化」がテーマでした。中国→日本の方向へ情報を伝える事業がメインでした。そこで扱う情報も一般を対象としたものでした。

現在は第二段階目で、「中国情報の細分化」がテーマです。新秦商務咨詢(上海)有限公司(上海サーチナ)を拠点として、中国市場のリサーチや日本企業の中国市場におけるPR活動のコンサルティングなど、個別化された情報サービスを行なうシンクタンク事業を強化しています。

今後は、第三段階目として日本企業の情報を中国に持ってゆく。日本→中国の情報の流れを作り、「情報の双方向化」の核を担える企業になりたいです。
—ダイジョブ「具体的なビジョンはありますか?」
端木氏写真 二つ考えています。一つはアメリカへの進出です。これは今準備中で、中国の情報を英語でアメリカに配信する、ワンソース・マルチユースの事業展開を考えています。勿論、中国へ進出するアメリカ企業を対象としたリサーチやコンサルティング・サービスも行ないます。

二つ目は、本社の移転です。上海に移したいと考えています。理由ですか? やはり中国市場を扱うのであれば、現地にいた方が便利ですし、開放感を味わいたい、という事もあります。東京はやはりストレスの多い都市で、緊張から開放されません。上海でしたら国際都市ですし、住環境や労働環境も開放感があります。東京のサーチナの従業員は、中国留学や中国駐在の経験者や中国人なので、皆、中国を恋しがっています。移転すれば彼等から感謝されます(笑)。それらも含め、上場を視野に入れています。
—ダイジョブ「どうもありがとうございました。」
BACK NUMBERS
■ 「観察力に優れた人なればこそ、日本企業の特徴が見えている」 大手印刷会社勤務 蘇 朔望氏 new
■ 「思い立ったらすぐ動く。“即決・行動”の経営。」 JWord株式会社 代表取締役 沈海寅氏
■ 「日中の架け橋を目指して」 株式会社日中文化交流センター 代表取締役 李欣立氏
■ 「日本で開いたビジネスの花」 サーチナ代表 端木正和氏

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