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INTERVIEW 2

自分の思いを信じ、スリランカでの起業を決断

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プロフィール
高野 友理
アイ・シー・ネット株式会社 コンサルティング事業部

大学卒業後、青年海外協力隊としてスリランカへ。日本へ帰国後は日本企業のベトナム拠点の立ち上げに従事。アイ・シー・ネット株式会社ではコンサルティング事業部に所属し、企業の海外支援を担当。アイ・シー・ネット株式会社のサポートを受け、次のキャリアとしてスリランカでの起業を準備中。
Will:「やりたい!」という思いを原動力に


―途上国にかかわるようになったきっかけは? 大学を卒業後、青年海外協力隊としてスリランカへ派遣されました。現地では「村落開発普及員」として、低所得者地域に住む人々の生活を改善するプロジェクトを担当していました。これは住民組織を作りながら日本の資金で排水溝を作るというプロジェクトで、工事に必要な人手は住民組織から、資材などは日本が資金を出すというものです。そのほか、ちょっとした現金収入を得るための支援プロジェクトや、婦人会や子ども会のお手伝いなどをしていました。

―アイ・シー・ネット株式会社へ入社された経緯を教えてください。 はっきりと目に見える形でのリターンや成果が求められないボランティアのような協力のあり方に疑問を持ち、まわりの方々からも「国際協力の世界は特殊なので、一度でいいから一般企業で働いてみるといいよ」と言われたこともあり、日本へ帰国した後は廃棄物処理とリサイクル事業を展開する民間企業に入社しました。その会社が海外展開することになったため、5年ほどベトナムにて出張ベースで仕事をしたのち3年間駐在し、ベトナム拠点を立ち上げました。その後も会社としてはベトナムに力を入れていくという方針だったのと、私自身は「ベトナム以外の国にもたずさわりたい」という思いが強かったため、アイ・シー・ネットへ転職しました。

Chance:好機をのがさず道を開く


―スリランカでの起業を決断したきっかけは? 青年海外協力隊の任務から戻ってからもずっと、「スリランカで何かやりたい」「現地に貢献したい」という思いが私の中にありました。社内ではスリランカ拠点を作りたいという話があり、加えて当時、海外進出支援をしていた企業がスリランカでも事業展開することになり、「私もスリランカで起業してみたいな」と思いました。自分自身のバックグラウンドと、そのときの状況がうまくマッチしたかたちですね。

―スリランカで起業しようと決めてからどのような準備をしましたか? 実は、会社を作るより難しいのが仕事です。仕事がないと始まりませんから、まずは現地で商社を営む方々と情報交換しながら、どのような仕事があるかを案件ベースで調べていきました。このネットワークは主にアイ・シー・ネットでの仕事から広がった感じです。

―いま具体的に動かそうと考えている案件はありますか? まずは企業の海外展開支援です。アイ・シー・ネットの株主企業と現地パートナー企業との間のやりとりを担当しています。また、日本のものをスリランカに持っていく、スリランカのものを日本へ持ってくるといった商社的な案件や、学研事業などもあります。学研事業はすでにラオスで進めているため、同じようにスリランカでもできないか考えています。 現在、新型コロナウイルス感染症の影響で渡航ができませんが、現地パートナーとともに進めていけるものを動かしています。

Possibility:可能性を見つけてそこをめざす


―スリランカにおけるニーズはなんでしょうか? 企業や投資の誘致など、現地でお金を生み出すものが必要とされています。私も、日本企業をスリランカで展開してほしいとか、観光立国なのでリゾートへ投資してほしいといった声をよく聞きます。
また、内戦が終結したので、国としては農業や物流事業に力を入れていきたいと考えています。現在建設中の大きな港は、スリランカを隣国インドの物流拠点としてアジアのハブであるシンガポールのように発展させていこうという考えからです。たとえば、日本企業が自動車部品をスリランカで加工しインドに輸出するといった進出方法も実現可能性が高いといえます。

―スリランカ拠点における高野さんの目標を教えてください。 もともと、将来的には現地に貢献したいという思いが私の起業のきっかけなので、事業を軌道にのせる、つまり雇用を増やすことと利益を上げて現地に還元することが目標です。

―スリランカ進出に対する日本企業の見方は? スリランカへの進出を考える日本企業が目に見えて増加しているという状況ではありませんが、興味をもってくださる企業は確実に増えています。長い内戦時代があったため、途上国や危険な地域というイメージがまだあることは事実ですが、実際は経済発展が著しい、ビジネスがさかんになりつつある国です。そのため、最近はタイやベトナムの次に来る進出先候補として、インド、バングラデシュ、そしてスリランカの名があがるようになりました。

Flexiblity:簡単に動じない柔軟性を大切に


―ご自身の性格について教えてください。 楽天的で、好奇心が強いほうだと思います。転職したのも、いろいろな国にたずさわって仕事をしたいと思ったことがきっかけでした。自分が楽しいと思える仕事をするにはどうしたらいいか?をいつも軸にして考えています。

―グローバルに働くとき大切にしていることはありますか? 違いを体験して簡単に動じないこと、そして柔軟であることを大切にしています。日本では当然のように電車は時間通りに来るし買い物もスムーズにできますが、現地ではタクシーでまったく別の場所に連れていかれたり、釣銭をもらえなかったりということが日常茶飯事です。日本の考え方が通用しないことも多いので、現地の目線で動くようにしています。

―現地の目線で動くとはどのようなことでしょう? ベトナムにいたころもそうでしたが、現地では素早い決断が求められることが多いです。日本なら社内承認を待つようなことも、現地では遅すぎると判断されることがあります。金額などはあとで承認を取ることに決めたりするなど、自分ができる範囲では現地のスピードに合わせるようにしています。

―海外で起業してみたいと思っている方へのアドバイスをお願いします。 私の場合、最初から自分で起業しようと考えていたわけではなく、たまたまアイ・シー・ネットから声をかけられてスリランカでの起業が実現する運びとなりました。
これから起業したいと思っている方は、ひとりでやるのでなくサポーターを得るところから始めるといいかもしれません。その過程で、自分の中でも起業についての思いを固めていくことができると思います。
アイ・シー・ネット株式会社は、自分がうまく起業するために使う会社です。私自身も面接時に「この会社を利用するくらいの感覚でやってほしい」と言われました。私も「将来は自分で事業をしたい」と話したことからアイ・シー・ネットに加わったので、まずは「こういうのをやりたい」というのをだれかに言ってみるのがいいと思います。

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