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有元美津世のGet Global!

多様な英語(1) ─ 「標準英語」とは?2016.01.12

 

Manglishの話で「標準英語」と書きましたが、標準英語とは、一体、どの国の英語のことなのか?! 

 

シンガポール政府が推進する標準英語は、元宗主国のイギリスの標準英語、かと思いきや、シンガポール教育相(現国家開発相)のいう「標準英語」とは、”English that is grammatically correct, commonly understood around the world, and intelligible to English speakers everywhere.”とのこと。 

 

平たく言えば、「文法的に正しくて相手に通じればいい」ということでしょうか。アメリカ英語とイギリス英語でも文法、用法は一部違い、ときどき誤解が生じますが、どちらかが話せれば、世界のどこでも英語話者とは意思の疎通は可能でしょう。

 

World Englishes

 

ただし、アメリカのネイティブスピーカーでも文法的に正しくない英語を話す人はいくらでもいます。でも、他のアメリカ人と意思の疎通はできています。

 

たとえば、アメリカ生まれの黒人(アフリカやカリブ生まれは、またそれぞれ特有の英語)が話す英語(方言)を「非標準」として、公立学校で標準英語(白人英語)に“矯正”することに対して賛否両論があります。小さな頃から親しんできた用法が、学校に入った途端、「君の英語は間違っている」と言われ、英語のテストで「間違い」として減点されたりするのです。(”We was”やManglishと同様、Be動詞を省いて”He all right”など。)

 

一定の民族や地域、社会経済階層の人たちが自分たちの話す言語・方言を標準とし、他の人たちが話す言語・方言を非標準として標準言語を押し付けることができるのか、ということです。

 

世界的には英語話者は英語ネイティブの5倍もおり、世界各地で話されている英語は実にさまざまです。そのため、「英語は一種類ではない」という意味で”World Englishes”という表現もあります。(”World English”と単数の場合は、lingua franca—-異なる言語の話者の間で意思疎通のために使われる言語を意味します。)英語ネイティブ国の英語だけが「正しい英語」なわけではないという発想です。

 

JapaneseS?

 

英語の話ではないのですが、私も子供のときに似たような経験をしたことがあります。私は大阪で生まれ、小一のときに名古屋に引っ越したのですが、作文で「布団をたとむ」と書いたら、先生に「布団をたたむ」に直されたのです! ショックだったので、何十年も経った今でも覚えています。

 

「教師に、関西弁の語形変化を間違いとし、共通語仕様を押し付ける権利はあるのか!私には大阪弁を話す・書く権利がある!」と思いました。(笑) 直すなら「関西ではそういう語形変化もあるかもしれないけど、共通語では、こういう語形変化になることも覚えておこうね」と一言添えてあれば、私ももう少し素直に受け入れられたと思います。(ちなみに、日本では、戦後、標準語政策は行われなくなり、日本政府は「標準語」を制定していません。)

 

余談ですが、名古屋に引っ越した当時、名古屋弁が一切わからず、転校先で登校初日にクラスの男の子に「たわけ」と言われ、意味がわからず、家に帰って母親に聞くと「アホって言われたんや!」と。中一で大阪に戻ったときには、大阪弁はすっかり忘れていて、とくに本読みのときに級友らに名古屋訛りをからかわれましたが、その後、無事、大阪弁を再習得しました。(笑)

 

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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