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前回、layoffやfurloughについて説明しましたが、「辞めさせられた」という意味のカジュアルな表現に”let go”があります。これは、”laid off”と”fired”の両方に使えますので、どのように辞めさせられたのかを明確にしたくないときに便利です。
なお、”let”の過去形、過去分詞は”let”ですので、お間違いなく。
Meta is letting thousands more employees go this week.
(メタは、今週、さらに何千人もの社員を解雇する。)
I was let go last year.
(昨年、クビを切られた。)
“Let go”は、選手や監督などがチームに解任された場合にも使われます。”Fire”も使えますが、それよりソフトな表現です。
The player was let go by/from the team.
(その選手は、チームから放出された。)
The club let the head coach go.= The club fired the head coach.
(そのクラブは監督を解任した。)
”Let (人) go”は、「解放する」「自由にする」という意味でも使われます。
Let me go.
(放して。)
The kidnapper let the hostage go.
(誘拐犯は、人質を解放した。)
The suspect was let go by the police.
(容疑者は、[警察に]釈放された。)
ちなみに、下記は、立ち話や電話をしていて、「そろそろ行かないと」「そろそろ切らないと」という時に、非常によく使われる表現です。直訳すれば「私はあなたを解放する」という意味で、「引き止めない」ということです。
I’d better let you go.
I should let you go.
I’ll let you go. I’m gonna let you go. * gonna = going to
そもそも“let go”というのは、「つかんでいる物などを離す」「手放す」という意味です。トルコの大地震では、がれきの下敷きになって亡くなった娘の手を離そうとしない父親の姿が世界に流れ、涙を誘いました。
The father wouldn’t let go of his deceased daughter’s hand.
(父親は、亡くなった娘の手を放そうとしなかった。)
Don’t let go of the rope.
(ロープを放さないように。)
「手放す」のは、モノに限らず、人や権力など抽象的なものにも使えます。
I won’t let you go.
(あなたを失いたくない。)
He’s a great catch. Don’t let him go.
(いい人見つけたね。逃しちゃだめだよ。)
You need to let go of the resentment.
(恨みは手放した方がいい。もう恨むのはやめた方がいい。)
I find it hard to let go of the control.
(コントロールを手放すのはむずかしい。)
You should never let go of hope.
(絶対に希望を捨ててはダメ。)
このように、”let go”というのは、さまざまな場面で使えますので、ぜひ使いこなせるようにしてください。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。