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有元美津世のGet Global!

資格よりも実務経験2014.11.11

先日、ウォールストーリート紙のキャリア欄で「大学は出た方がいいですか?」と質問している求職者がいました。それに対する答えは”It depends”(場合による)でしょう。質問者がどういった分野で何を目指しているのか、これまで、どういったキャリアを経てきたのか、どういう学位なのか、など個々の状況により答えは違ってきます。

 

アメリカでは、キャリアアップを図るために学位を取得するケースが多いですが、日本では学位よりもキャリアアップのために資格を取る人が多いのではないでしょうか。資格の場合も同じで、取るべきかどうかは、”It depends”です。学位と一緒で、資格を取得したからといって、就職が保証されるわけではありません。

 

以前、英文履歴書作成サービスを行っていた頃、依頼を受けた方に、6~7年、派遣社員や契約社員、アルバイトとして働いていたAさんがいました。外資系企業に正社員としての就職を希望されていたのですが、海外の政府機関に正社員として勤めていたのは10年近く前であり、当時の職種も、その際、希望されていたものとは少し違いました。

Aさんは、年齢的にもキャリア的にも、早く不安定な雇用形態から脱却し、正社員になろうとあせっていました。そこで、転職の機会を増やすために、ビジネス専門学校の6ヶ月の国際ビジネスコースで中国語や国際ビジネス業務、簿記、ビジネス英語などを学んでいらっしゃいました。

英語力はすでにお持ちで、英語を使った仕事もされていたので、そこにビジネス英語力の知識を加えることはプラスになるでしょう。しかし、学校で数ヶ月、中国語を勉強したからといって、ビジネスの現場で使えるレベルにはならないですし、国際ビジネスの知識を教室で勉強しただけでは、実務の現場では役に立たず、就職活動で有利にもならないでしょう。

 

Aさんは大卒でしたし、私は、それ以上、勉強をするよりも、派遣でもいいので、外資系での実務経験を増やすようにアドバイスしました。これまで勤務してきたのは日本企業と、10年前の外国の政府機関で、外資系民間企業での勤務経験はお持ちではなかったですし、半年、学生となれば、職歴にギャップが出るからです。すでに派遣社員やアルバイト続きで、ギャップだらけなのに、職歴のチョチョ切れ度が、さらに増すのです。それに、専門学校修了後に無職として転職活動をするよりも、雇用中に転職活動をする方が、雇用主に与える印象はいいでしょう。

 

すでに10年ほどの職歴があり、キャリアチェンジをするわけではなく、これまでと同じような仕事を探すのに、専門学校で半年を費やすのはもったいな過ぎます。

資格取得の投資対効果

もちろん、分野によっては免許や資格が必須な場合もあり、すべての資格を否定しているわけではありません。

しかし、たとえば、簿記2級を持っていて、実際に仕事で経理をしたことのない人と、簿記の資格を持っていなくても、経理の実務経験がある人であれば、雇用主は皆、後者を採用するでしょう。とくに中途採用の場合は、即戦力になる人がほしいのですから。

 

大学ビジネススクールの話をした際に、投資対効果の話をしましたが、資格も同じです。その資格を取ることで、どれだけ転職の機会が増え、キャリアアップにつながるのか、そしてどれだけの費用がかかり、どれだけの時間を失うのか、取得する前に投資対効果を考える必要があるでしょう。

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この記事の筆者

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など多数。

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