Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、面接で成功するために、なるべく完璧主義を捨てるです。
この3連休、英語での模擬面接のリクエストが多かったのですが、1つ共通していることがありました。それは、完璧主義を英語での面接に持ち込むと、かえってうまくいかないです。
日本人に完璧主義の傾向がある事は、異文化モデルのホフステードでも明確に現れています。日本人は、物事に秀でることを良しとする指標のスコアが1~100の物差しで、95と非常に高いのです。個人差はありますが、完璧主義の人が多い国民と言えます。
完璧主義の候補者が英語での面接を控えた時に取る行動は、想定質問集を作りその答えを、英語で作って丸暗記するです。面接官が想定質問だけをしてくれると嬉しいのですが、そうとは限らないのが現実です。準備していない質問をされた時に、アドリブがきかず頭が白くなってしまい、かなりあたふたする、最悪の場合は答えられないと言うことが頻繁に起こります。
想定外の質問がされるかどうかは、されると思ったほうが良いです。面接官を長くやっていると、シナリオを全部用意して暗記している候補者はわりとすぐわかります。答え方があまりにもすらすらと流暢だからです。考えるという作業がなく、聞かれた途端にペラペラ答えられる感じと言えばわかりやすいでしょうか。
「あー、全部用意してあるんだなぁ」と思ったら、面接官としては本来の英語力を確かめる必要があるので、少しひねった変化球の質問を投げます。ここで崩れてしまう候補者も、残念ながら一定率います。
面接に向かって一生懸命な事は素晴らしいことですし、用意することは大事です。ただ、あまりに質問と答えを決めすぎて、全部を頭に叩き込んでしまうと、現場で融通が利かなくなってしまうリスクがあるので、ほどほどにしておいた方がいいです。あまりに完璧に丸暗記してあると、「こういう風に答えた方がいいですね」とアドバイスしても後から頭に入らなくなってしまい、丸暗記の怖さも感じます。
英語をスムーズに話せるかどうかよりも、実績をアピールできるかどうかの方が大事ということなです。自分のこれまでの実績をどうまとめるかなどに準備を費やし、あとはあまり丸暗記しようとしなくて大丈夫です。
英語での面接で大事な点を、ネイティブ・スピーカーの意見も取り入れてまとめると以下になります。
外国語で受ける面接なので緊張して当たり前ではありますが、あがりすぎることにメリットはないので、適度な準備をしてあとはその場でどうにかする柔軟な姿勢で臨んでください。応援しています!
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。