元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメント・ツール「ルミナ」を使って解説します。

※この記事は本人の了承の下に書かれています。

本日の相談者は、29歳の男性で、現在オーストラリアでワーキング・ホリデーをしている宮地さん（仮名）です。大学卒業後は、日本の大手通信企業でシステム開発の上流工程に携わっていました。もうすぐ日本に帰国するので、a) これまでの仕事の延長でIT関連が良いか　b）興味があるゲーム業界でマーケティングもしくはセールスにキャリアチェンジした方が良いかというご相談です。

まずは宮地さんの4つのクオリティを見てみましょう。

結果重視の「赤」が71%、細かいことが得意な「青」が63%で、この２つが長所です。赤の適職は営業・社長業・アスリートなど。青の適職はSE、法務、経理、事務職です。大学卒業後にしていたシステム開発の仕事は、自分だけでなく関係者を率いてプロジェクトの納期にコミットできたこと、ITに携わる上で必要な細かさを発揮していたことを物語っています。宮地さんは適職に就いていたのです。業績評価について聞いてみたところ、いつも上位に評価されていたとのことです。

次にゲーム業界における営業・マーケティング職の適性を確認するために、一番詳細なデータである24のクオリティを見ます。

赤の「タフ」(メンタルにタフ)と「競争心がある」の日常の数値が下がっています。現在、海外でワーホリをしていてプレッシャーが低い環境にいるからかもしれません。質問をいくつかして、元々、そんなに競争心が強いとは思わないし、営業に強い執着があるわけでもないとわかり、営業職は候補から外すことになりました。営業はやろうと思えば出来ますが、適職ではないです。

マーケティングに向いているかどうかを測る指標は、黄色の「想像力豊か」と「革新的」です。「革新的」は「内在の自分」のスコアが高く、日常では発揮できていないとわかります。現在のワーホリの仕事では革新性を使う場面がないとのことです。必要になれば日常（職場）でも発揮できるようになるでしょう。

問題は「想像力豊か」です。「内在」「日常」「ストレス下」全ての状況でスコアがかなり低く、残念ながらクリエィティブな仕事には向きません。システム開発をしていた時も、ゼロからイチを生み出す仕事ではなく、すでにあるプロセスなどを改善するのが得意だったとのことでした。

マーケティングの道に行くと、自分の弱みで勝負することになり成功できないことが明らかです。マーケティングへの転向もここで消えました。

将来を見据えて、ずっとエンジニアを続けることは疑問とのことだったので、強みである「赤」と「青」を最大限に活かせるプロジェクト・マネジメントの仕事について聞いてみました。「出来ると思うし、これまでも一部分はプロマネ的な仕事をしていました」とのことです。いくつか確認をして、最終的にプロマネとして就職することになりました。

海外と英語でやり取りしたい気持ちが強いので、日系のゲームメーカーで海外展開をすでにしている、もしくはこれから行う予定の企業を探すことになります。宮地さんの場合は、興味がある業界でこれまでの経験を活かせる職種に就くという選択になりました。

キャリアの方向性を考えるためにどんな職種・業界・職場が自分に合っているかを知りたい方は、 こちらをご覧ください。

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