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鈴木美加子のグローバル人材塾

企業・候補者、お互いを知るための「カジュアル面談」2023.06.01

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデュサーの鈴木美加子です。今回のテーマは、最近増えているカジュアル面談です。

 

事前にミスマッチを防ぐ「カジュアル面談」

 

正式な面接プロセスをスタートさせる前に、カジュアル面談を実施する企業が増えています。企業にとってカジュアル面談は、ミスマッチを事前に防ぐ良い機会です。ミスマッチとは、履歴書の上ではスキル・経験値を兼ね備えていると思える候補者が、コミュニケーション能力などが原因で面接に落ちてしまうケースを指します。候補者の人柄・常識を見極める役割を担うので人事の社員が行うことが多いですが、小規模の会社では必ずしもこの限りではありません。

候補者にとってのカジュアル面談のメリットは、会社の概要が事前にわかること、面接では聞きにくいこと話しにくいことを、質問しやすいことです。正式な面接ではスキル・経験値についての会話が多く、企業文化のすり合わせをじっくりする時間が無いことも多いので、企業風土と自分が合うかどうかをよく吟味できるのは大きなメリットです。

正式な転職活動では無いので、例えば今すぐ転職する意志が無い場合も、自分の市場価値・どのようなオープンポジションが存在するのか、自分が漠然と考えているような企業文化なのかどうかを、気軽に確認できるチャンスと捉え挑戦してみるのが良いです。

 

「カジュアル」でも選考の一部

 

「カジュアル」という単語からもわかるように、本格的な面接プロセスを始める前のすり合わせ的なミーティングがカジュアル面談です。

所要時間: 30分くらいのことが多いです。
時間帯:平日の日中以外もランチタイムや、19:30スタートなど、候補者の希望に合わせて柔軟に行ってもらえます。
媒体:ほぼ100%オンラインです。
ドレスコード : スーツである必要はありません。ジャケットや襟付きのシャツなどで十分です。

カジュアル面談の流れは、最初の5分が会社とポジションについての概要の説明です。その後、候補者のバックグラウンドについてのヒヤリングになります。これまでの経歴は、ポジションとそもそもマッチするかの最も重要な要素ですので、履歴書に書いたことは何を聞かれても即答できるようにしておきたいです。面接で必ず聞かれる志望動機については、カジュアル面談では聞かれないことが多いです。カジュアル面談で、会社とポジションが求めているスキル・経験値・語学力・コミュニケーション力を上手に聞きだして、本番の面接で話す志望動機をよく考える材料にしたいです。

「カジュアル」とは言いながらも企業採用担当と1対1で話すので、選考の一部である事は理解しておきましょう。就活生にとってのOB訪問と似ていて、本選考に進めないという判断の可能性は十分あります。まずは自分の経歴をきちんと説明できること、あまり興味が無い業界・ポジションだったとしてもHPくらいは読んで、気が利いた質問ができるように準備して臨むことが重要です。選考を先に進めたい場合、カジュアル面談を行った企業サイドの社員が行うフィードバックが、ポジティブな方が有利です。

企業サイドは候補者の本音を知りたいので、気さくで話しやすい雰囲気を作り出すことに注力します。候補者は全てをさらけ出す必要はありませんが、例えば結婚を機に関西から東京に戻りたいなどの希望がある場合は、先に伝えておいた方が賢明です。先に聞いておけば「実は東京にはポジションが無い」など、後でわかっても仕方ない情報を得ることができます。また、「東京オフィスだったら、このポジションでは無理ですが、同じ部署で◯◯のポジションが空くことが決まっているので、最初からそちらに応募してはいかがですか?」と、社外にはまだ公にしていない求人情報を直接聞くこともできます。

 

心構えや準備は必要

 

「カジュアル」とは言え、企業側の選考プロセスの一部なので、失礼な態度にならないよう、ビジネス・パーソンとしての最低限の敬語やマナーには気をつけてください。メラビアンの法則でも、人間は情報の55%を視覚から受け取るとされているように、候補者に対する「人」としての第一印象が、くつがえるのは現実的には難しいです。

カジュアル面談はオンラインのことが多いので、アイコンタクトも要注意です。英語に慣れている人は日本人同士でもアイコンタクトを欠かしませんので、横や上の方ばかりを見ている候補者は「英語環境に慣れているか」「アサーティブか」に疑問符がつきます。PCのカメラの方を見ながら、カジュアル面談を乗り切ってください。

カジュアル面接に呼ばれたら、すぐ転職するつもりはなくても行ってみる価値が十分あります。情報収集をして、将来の転職に備えることができるからです。経歴について棚卸しをし、企業への質問をしっかり準備して、マナーに気をつけつつ臨んでください。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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