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鈴木美加子のグローバル人材塾

女性がより働きやすい外資系の魅力2023.03.20

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。今回のテーマは、外資系は女性が働きやすいです。

女性が働きやすい環境は男性も働きやすい職場です。ホフステードの異文化論で、「秀でることが大切で働くために生きがち」なスコアが非常に高い日本人。ともすると仕事第一になりがちで、そのため生物学的に頑張りがきかないことがあったり、時間に制約がある女性が働きにくくなる可能性は高いのが前提になります。

私は、25年間の会社員人生で「女性だと不利なのかも」と思ったことが、たった一度しかありません。自分が人事という管理部門に所属していたからだと思い込んでいましたが、そうではないようです。

友人で元IBM・マイクロソフト執行役員を経て、社長経験者の女性と話をした時のことです。「私はラッキーで、女性で不利だと思ったことがないのよ」と言われ、「私だけじゃなかったのか」と認識を新たにしました。

たった1回女性は不利なのかもしれないと感じたのは、3次面接官として会議室に入ったら、部屋で待っていた一流商社の男性候補者の顔に「女が出てきた」と浮かんだ経験です。社外要因であり属していた外資の企業文化とは関係がありませんでした。

何を持って女性が働きやすいかとするかは難しいところですが私は経験上、下記の3つを指標と捉えています。

 

1. 昇進や昇給に区別がない

外資系は成果主義で、性別・年齢・人種等で差別する事はありません。女性がキャリアに対して真剣で、実績も出しているのであれば昇進できるのが当たり前の環境です。

ここで女性がキャリアに真剣なら、と冠言葉をつけました。なぜかと言うと企業研修で女性管理職研修をしたときに、必ずしもキャリアにコミットしていないことを、公の場で口にしてしまう残念な女性を見かけてしまったからです。参加者は部署横断で選ばれた18人の女性でした。各テーブルで演習を行っていた時、進捗にばらつきが出て、早く終わったチームがなんとなくおしゃべりを始めました。内容は「自分は一家の大黒柱ではないので仕事は保険」と言うものでした。

心から驚きました。外資系に勤めている女性管理職候補で、人事が後ろで見ている研修で、このような発言をする事はありえないからです。

対等に扱ってもらえる=自分自身もきちんと会社に貢献する組織、そして自分のキャリア形成にコミットすると言う心構えが必要です。前出のエグゼ女子友も、「外資は働きやすいけど、女性が甘えられない環境であることをよく理解していないと、権利だけ主張する女性は相手にされない」と強調していました。

 

2. ジェンダーを気にしないで済む

日本企業では、男性だから・女性だからという縛りがまだまだあり、その枠の中で行動していることが多いように見受けます。例えば管理職研修に赴く前に、アセスメントツール(適性検査)の結果を見ると、女性がメンタルにタフ・競争心が強いことを職場で隠しているケースが多いです。

比較すると外資の方が、「女性らしい」とされることを求められないで仕事ができます。例えば、お客様がいらした時、コーヒーもしくは水をお出しするのは女性とは限らず、関係者の中で一番ジュニアな人の仕事です。外資では男性陣がセクハラ発言に過敏なので、不愉快な想いを公けの場ですることはまずないです。

日本企業から外資系に移る男性は、仕事にコミットしている女性を「女の子」扱いすると問題になることと、日本企業で許容された発言がセクハラに当たるかもしれないことを思い出してください。今まで私が気になった、外資で女性がいる場所で発言したらセクハラと言われてもしょうがない例を挙げておきます。

- 結婚式のスピーチと女性のスカートは短ければ短い方がいい。
- 究極の選択、例えば崖の上に立っていて妻と愛人2人がそれぞれ落ちそうになっている。どちらか1人しか助けられない。もちろん、愛人を助けようとするが、妻の腕に子供がぶら下がっているのに気がついたら、迷わず妻を助ける。

どちらも、エリートでお人柄にも優れた日系大企業の男性なので、本当に驚きました。例え話は他にもあるはずですし、グループに女性が複数いる場合に適当な内容ではありません。悪気は全くないようなのですが、外資系の女性、セクハラに厳しいのでどうかお気をつけください。

 

3. 育児休暇が取りやすい&職場に戻りやすい

今から30年前、GE Japanで私の上司は既にワーキングマザーでした。2人目のお子さんを産んでから多少休憩されたものの、会社から呼び戻された女性です。それだけ優秀でしたし、仕事へのコミットメント・レベルが高かったです。

当時と比べたら、現在は育児休暇が国の施策としても充実しており、外資系では産休後、育休を取り時短勤務をする方も多いです。ある生命保険会社では、少子高齢化による将来の労働力不足を予見して、全社をあげて Diversityに取り組んでおり、出産をした女性社員の9割が戻ってきています。また相乗効果として、介護でフルタイム勤務が無理な社員達が性別に関わらず、時短や必要に応じて休みを取得するなど、ワーク・ライフ・バランスがとれた人生を送っています。

女性が働きやすい環境は多様性に配慮する風土があるので、男性も働きやすい環境です。年齢・性別・人種などに関わらず、よりワーク・ライフ・バランスを取りながら、ライフ・イベントを乗り越えて仕事ができる環境選びを転職の時には大事にしたいです。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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