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鈴木美加子のグローバル人材塾

【日本文化を説明する力】2023.01.17

 

元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。インバウンドが増加し、外国人に日本文化を英語で説明する機会が増えていきます。例えば、茶道。飲む時にお茶碗を回しているように見えますが、なぜだか説明できますか?

32歳くらいの時、本社のエグゼクティブが来日し週末の観光にアテンドすることになりました。やりたいことリストがある方で、非常に楽なはずだったのですが想定外が起こりました。訪れた会場の別のところで、野点(のだて、屋外でのお茶事)をやっていて参加したいになったのです。深く考えずに「参加しましょう」とお連れして、座った途端、実は自分が飲み方も知らないことに気がついたのです。

仕方がないので適当にやることにしたのですが、彼からの質問が多い。日本人の私、そんなこと考えたことありませんの連続で困り果てました。何聞いても答えられない私に彼は呆れたでしょうが、私は私で「自分の国の文化なのに、こんなに知らなくて良いのだろうか」で頭が一杯でした。

この一件がきっかけとなり、茶道を2年間習いました。日本の「道」がつく習い事は10年はやらないと一人前にはなれないので、本当に少しだけ経験したことになります。

当時の出張者に答えられなかった質問は、


1. 飲む時に、お茶碗を回すのはなぜか?
主催者が自分の前に置いてくださったお茶碗の、自分に面している部分が一番美しいそのお茶碗の「顔」です。シミを残さないように避けるため、時計回りに45度の2回でトータル90度回して飲みます。飲み終えたら、口をつけたところを右手で軽くぬぐい、反対側に2回まわして戻します。主催者が整えてくださった元の位置に戻すのです。


2. お辞儀をたくさんするのはなぜか?
茶道では謙虚さがとても重要です。お茶室の入り口は60cm x 60cm しかなく、どれほど身分が高くても頭を下げないと中に入ることができません。身分に関係なく、この4畳半においては皆平等。そして、感謝の念を持つことも大事です。茶葉を育ててくれた農家、畳職人、焼き物職人、掛け軸の作家など、全ての人に感謝する。そのために、お辞儀をする場面が多いですし、隣同士「お先にいただきます」「お代わりいかがですか」など、丁寧に挨拶するのが決まりです。

昨日は、オンラインサロン「グローバル人材塾」のイベントでメンバーを、浅草にある外国人向け茶道体験に連れていきました。石臼で茶葉を挽いてお抹茶を作り、お茶室の中に入ってお点前をいただく。最後に自分達もお茶碗にお抹茶とお湯を注いで、茶筅(ちゃせん)でシャカシャカお茶を点ててみます。

お抹茶の分量、お湯の分量、茶筅の使い方で、十人十色のお茶ができました。日本人がやっても単純に楽しかったです。外国人ゲストが文化に興味あるタイプだったら、浅草観光の一環として喜んでもらえそうです。銀座店にも伺ったことがあり、お勧めなので情報を記しておきます。


茶禅
https://www.chazen-co.jp/
浅草店:雷門より徒歩3分、大人数に対応可能。
銀座店:歌舞伎座の隣、2~3名向き
いづれも日中英語で対応可能。


これから自分が海外出張に行く、もしくは海外から出張者が増えると予想できる方は、「英語で日本文化を説明する」で検索するとお薦めの本のリストが出てきます。そんなに安くはなく好みもあるので、購入するまでに洋書をたくさん扱っている書店で現物を見てから購入うることをお勧めします。

外国人とリアルにコミュニケーションが取れる一年となりますように。それぞれに、少しづつ備えましょう。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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