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鈴木美加子のグローバル人材塾

グローバル人材の定義は、世界共通で普遍か?2015.05.19

 

元・外資系人事部長、現・グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

 

「グローバル人材」が、流行り言葉になって久しいですが、その定義については諸説あり、これが絶対というものは未だに無いと思います。

 

先日、日本滞在歴が長く研修畑で仕事をしているイギリス人、アメリカ人、カナダ人と、グローバル人材について語り合う機会がありました。

 

それぞれに思うところありでしたが、グローバル人材の万国・共通定義については、かなりあっさり合意しました。

 

「いつでも、どこでも、誰とでも、英語で仕事が出来る」人材が、グローバル人材だろうという意見で一致したのです。

 

まるでスーパーマンのようですが(笑)、ひとつひとつを詳しく見ていきましょう。

 

「いつでも」には、時差が含まれます。テレコンをするにしても、WEB会議をするにしても、アジア圏を出ると時差の問題が発生し、日本は不利になることが多いです。

 

本社が米国の西海岸であれば、日本のモーニング・タイムに会議が出来るので有難いのですが、中西部・東海岸になった途端、あっさり夜の10時スタートになります。

 

夜10時から外国語で行われる会議に参加し、耳を澄ませて聞いたり発言したりしているうちに、アドレナリンが出すぎてすぐは寝付けなくなった経験、お持ちではないですか?

 

その点、ヨーロッパは、日本の夕方に会議をスタート出来て楽なようです。落とし穴は、本社が朝一で、やる気に満ちていることです(笑)会議の後、フォローの必要があると、気をつけないと日本サイドがエンドレスになりがちです。

 

「どこでも」は、ホームである日本からアウェイである外国に動いても、出せる生産性が変わらないかを意味します。

 

言うのは簡単そうですが、単純な日々の生活慣習からして違うアウェイで、同じ生産性を出すのは大変です。

 

今年の初め、インフラの整わないフィリピン・セブ島に初めて出張した時の経験です。

 

タクシーの運転手さんは当たり前のように道がわからず、信号など交通規則が無いので、自分の乗っている車が逆走はするは(死ぬと思いました)、こんなところでUターンしていいのかと思うようなところでターンはするし、スリル満点! フロントの女性が歌っている声で深夜2時に起こされ、鶏が鳴き、飼い犬が遠吠えする中で目覚めました。

 

「先進国で経験するカルチャーショックは大したことが無い」と言い切れる異文化体験が続出する中、最初の3日間の低い生産性には、我ながらガックリでした。環境に慣れることにエネルギーを取られて、本当に驚きでした。

 

「誰とでも」は、文字通り、多様性を許容できるかどうかが鍵です。

 

一番わかりやすい例は、ある程度英語ができるようになると出てくる残念な日本人。「白人の前ではおどおどするのに、自分たちと同じ東南アジア人が相手になると横柄になる」人々。

 

人種によって、自分の態度を目に見えるほど変えるようでは、グローバル人材への道のり遠しです。

 

人種の他にも、性別、年齢、宗教など、多様性の対象になる要素はたくさんあります。

 

要は、それこそ「誰とでも」フェアに仕事できるかどうかが問われるのです。

 

「英語で」については、現在の世界情勢からすると、やはり共通のビジネス言語は英語ですので、ある程度は出来ないと世界相手に仕事は出来ないと思われます。

 

「いつでも、どこでも、誰とでも、英語で仕事が出来る」のが、世界共通で当てはまるグローバル人材の定義になる理由、ご納得いただけたでしょうか?

 

さて、それでは、日本人がこの基準をクリアーするにはどうしたらいいかです。

 

日本は英語圏ではなく、ローコンテクストの文化(伝える努力やスキルがなくても、お互いに相手の意図を察しあうことで、なんとなく通じてしまう文化)を持ちます。「あ・うんの呼吸」や「行間を読む」で育った日本人が、そんなに簡単に、「いつでも、どこでも、誰とでも、英語で仕事が出来る」ようになるとは思えません。

 

日本人がグローバル人材を目指すために必要な要件を書き出すと、たくさんの項目が挙がります。最初から、全てをクリアーしようと努力するのは難しそうですし、一度にそんなにたくさんの目標を追いかけられるとも思えません。

 

さらに絞って、これだけは外せないから、どうしてもクリアーしたいという要件を挙げると、「多様性を受け入れられる」「ある程度の英語力がある」「ロジカルにコミュニケーション出来る」「プレゼンテーション力がある」、そして「アサーティブである(自分の意見を主張できる)」の5つになりました。

 

それぞれの項目の詳細ですが、ブログでは書ききれないほど内容が濃いので、セミナーをご用意させて頂きました。

 

日本人に求められるグローバル人材の要件の詳細、習得の仕方をお知りになりたい方は、TOEIC600点超えした人材向け、「世人塾オープンセミナー」に、ぜひお越しください。日本で英語を勉強した人がTOEIC960点を取り、外資系人事本部長になる過程で経験した多くの実例と、エクササイズを含む実践的なセミナーになっています。

 

グローバル人材になるための必須スキルを習得「世人塾」オープンセミナー

http://atglobe.jp/lp/index.html

 

お陰様で、6/5(金)は満席御礼になりました。気になられたら、お早めに日程をチェックされることをお勧めします。

 

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この記事の筆者

鈴木美加子
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEに入社して人事のキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレーなどを経て、日本DHL人事本部長を務める。帰国子女でも海外赴任経験者でもないが、TOEIC960点をマークし外資系企業でキャリアアップした経験を元に、個人のキャリアアップを支援している。2011年から18か月、オーストラリアに居住し、海外勤務・海外からの帰国希望者のキャリア相談にも乗ることができる。
個人向けのキャリア相談の他、企業向けに、リーダーシップ研修、チームビルディング、組織分析、異文化マネジメント、グローバルコミュニケーション研修を行っている。ルミナスパーク、ルミナリーダー公認講師、ホフステード異文化モデル公認講師、STAR面接法・認定講師

株式会社AT Globe http://atglobe.jp/

強みを最大限に活かし、個の力を発揮出来る人材を一人でも増やすことで、母国を元気にすることをミッションとする。ルミナというアセスメント・ツールを使い、個人・法人向けの人材育成事業を行う。

 

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