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管理職一年生 – デリゲーションしているのに忙しい (2)

管理職一年生のMさんは部下に仕事を頼むものの、なかなか忙しさから抜け出せない毎日。最近さらに忙しさが増して残業をしても仕事が回らなくなっている。そんな彼を助けてあげたくて、事情を聞いてみました(その様子は前回をご覧ください)。そんな会話の中で浮かび上がってきた、デリゲーションをしているのに忙しさが増す原因とは・・・・

Mさんにデリゲーションをする際に、どんな頼み方をしているのかを聞いてみました。すると、どうも「何々をいつまでにどうやって行ってください。」と指示を出していることがわかりました。これだけを聞くと彼はちゃんと指示を出しているように聞こえますよね。きっと多くの管理職の方がこのような指示の出し方をしていると思います。

では、何が間違っているのでしょう?間違っているというよりは、この場合は何が足らなかったのでしょう?という方が正しいでしょうか。Mさんは、仕事を頼むときに、ゴールや背景などを伝えることをしていなかったのです。頼む仕事の目的や、背景をすっ飛ばして、いつまでに何をして欲しい、のみを伝えていたのです。だから彼の部下のXさんやYさんは自分では判断がつけられず質問ばかりしてしまい、結果Mさんは忙しいまま、仕事が進まず、チームとしての貢献度ガタ落ちという結果になってしまっていたようです。

ん?ちょっとわかりにくかったですか?では、ある出来事を例に説明してみますね。

Mさんの指示:

大至急Pプロジェクトに関しての既存の説明文をもっとわかりやすくして出してください。出来たらWさんに提出してください。

この指示をもらったYさんは説明文を書き始めたものの、いくつか疑問が出てきたので、Mさんに質問をしました。

● どの辺りが分かり難いのでしょうか?

● 概要を説明するだけでいいですか?

● 今わかっている問題点など書いたほうがいいですか?

● システムの説明など加えたほうがいいですか?

などなど、Yさんは質問でいっぱい!

質問攻めを受けるMさんにしてみれば、大変!です。なんでこんなに質問されるんだ?仕事を任せたんだから、後は自分で考えてやってくれればいいのに・・・なぜ自分で判断してやってくれない?これなら自分でやったほうが早かったじゃん!

とYさんに対して不満を感じ始めるMさん・・・

いや待てよ、やっぱり自分はマネージャーなんだから、自分の指示の仕方がいけなかったのではないか?もっと丁寧に教えてあげなきゃいけなかったのではないか?

と、自問自答と続けるMさん・・・・

いろいろと考えた結果、Mさんは、急いで欲しいとWさんに言われていたので、Yさんの質問に答えて、Yさんに直接Wさんに出すように指示しました。

結果どうだったかというと、的外れの返事がWさんにもどり、Wさんカンカン!Mさんの評価ガタ落ち・・・・

どうですか?心当たりありませんか?では、Mさんは何をすればよかったのでしょう?次週に続く・・・・「部下に仕事を頼んでいるのに、なぜか自分は忙しいまま」の悪循環にハマってしまっているアナタは必読です。

横浜リサ

某米国リベラルアーツ大学卒業後、某外資系金融にて、業務畑で20年以上勤める。入社4年目にして管理職に抜擢されてからは、管理職道まっしぐら、日本・NY・アジアでのビジネス経験を持つ。「脱サラして、起業!」という思いをひっそり暖めており、リーマンショック時を機に、香港で自身の会社経営を実現。4年間の起業人生活の後、「50代の金融復帰・転職なんてまず無理でしょう!」と言われているこのご時世に、畑を飛び越えて(業務畑からコンプライアンス畑に)めでたく転職を成功させた珍しい人種でもある。中学3年で親の仕事の関係上、初めて海外デビューをした頃まったく話せなかった英語が今では日本語よりも得意になるほど。休日は山歩きを楽しむどこにでもいる山おばさん(山ガールと言いたとこだが。。。)。七転び八起きをモットーに、2児のシングルマザーとして家庭と管理職の両立をしながら、女性が女性らしく働けるようリアルな現場を暴露、管理職道ノウハウを発信中。

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