Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。最近、日本語での模擬面接サービスをお受けいただくケースが多いのですが、気がついた点を本日のテーマとします。
みなさんが履歴書を提出された際、最初に目を通すのは人事部の採用担当であることが98%で、一次面接もこの方かその上司であると思ってください。
もちろん、企業規模が小さい場合、人事がいなくて部署の方が採用業務を兼任していることはあります。
人事の採用担当は面接で何を見ようとしているか? つまるところは4点かと思います。
1.現在の実力(スキルと専門知識レベル)
2.人格 (チームプレーヤーであるか、コミュニケーション力はあるかなど)
3.ポテンシャル(特にジュニアなポジションで、候補者もお若い場合)
4.英語力
どれも一朝一夕で何とかなるものではありませんが、ご自分をどうプレゼンするかによって印象を変えることは可能です。ご自分のパッケージング方法を変えるわけです。
具体的にどうしたら良いかを挙げてみます。
a.PR力=ハッタリ力
最近、模擬面接をさせていただいた方々は、現職が日本企業で外資系企業に転職されようとしていたのですが、この点が著しく足りなかったです。日本では「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、英語圏では「鷹に爪があるなら、ちゃんとあるかどうか見せてみろ」の文化で、謙虚の美徳は通用しません。嘘を言うことはよくありませんしいづれわかるのでお勧めしませんが、ご自分の実力を控えめに言ったり、よく相手に伝えなかったりしたのでは、その実力はないと等しいことになってしまいます。
今までの功績で上司に褒められたこと、同僚に感心されていたこと、表彰を受けたことなどを思い出し、これこそ自分の強みですとPRできるかどうかは大切な力なので、ご自分はできているかどうか見直してください。
b.聞かれたことに対して、短く的確に答える
簡単なようでこれも結構お出来にならない方が多いのです。質問に対して的確に答えられるかどうかは、その方の地頭が良いかどうかに直結します。何を聞かれたのかをきちんと把握して、そこから逸れないようにしましょう。長くダラダラ話したり、話がぐるぐる回るのも、地頭が良い方の行動ではないので注意してください。面接の時間は限られているので、面接官が聞きたいことを全部カバーできるよう、候補者も言いたいことを答えられるよう配慮が必要と思います。
c.志望動機が明確である
候補者にとって、すべての面接が第一希望の企業とかというとNOなのが現実です。ヘッドハンターから紹介されたので、どんな会社なのか聞くだけ聞いてみようの場合もあるでしょうし、面接慣れしてないと自覚のある方がとりあえずご縁があった企業には全部足を運ぶ場合など、人それぞれの事情が考えられます。ここで大事なのは、最後に行くかどうかは置いておいて、面接に通りたいのであれば最低限HPをよく読んで、なぜ志望しているのかをポジティブに答えられるようにしておくこと必須です。模擬面接をさせていただいても、ここはすぐわかります。志望動機について質問した時のお返事で、そもそも企業のことを勉強していないことが露呈したり、入社したい気持ちに情熱を感じられなくて第一志望でないことが明らかだったりする例は結構あります。特に管理部門で、他業界でも潰しが聞く場合、この傾向が強いので気をつけましょう。
d.アイコンタクト
現役の人事時代、面接がスタートして5分くらいして違和感を感じるようだと、まず間違いなくアイコンタクトが欠けていました。手元でわからないように履歴書をよく見直すと、初めて日本企業から外資系企業に移ろうとしている方だったり、外資系にお勤めの方でもPCに向かっている職種の方が多かったです。いづれにしても、英語慣れしていない人だという印象を与えてしまいます。もちろん外資でも四六時中、外国人と英語で仕事をしているわけではありませんが、英語でのコミュニケーションに慣れると日本語を話している時も、相手の目を見る癖が出るので、アイコンタクトがあるかどうかは採用担当からすると非常にわかりやすい指標なのです。
本日は、外資系企業の採用担当がどんなことを面接の時に見ようとしているか、そのためにご自分をPRするにはどうしたらよいかについてお話ししました。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。