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英語脳を鍛えるために、英語でメモを取りませんか?

元・外資系人事部長、現在グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

「英語脳を発達させるために、何かできることはないでしょうか?」

最近、あるセミナーのQ&Aセッションで、受講者の方に尋ねられました。

ニュースを英語で聞くとか、英語に接する時間を増やすことは大事ですが、職場で簡単にできる方法があるので、シェアさせて頂きます。

それは、「英語でメモを取る習慣をつける」です。

私の最初の職場は、日本GEの人事部でした。

上司はアメリカで先駆的にMBAを取得された方で、二人の間のライティングのやり取りはメモも含めて英語でした。

英語で書くからには、メモですらロジカルである必要があり、最初はちょっと苦痛でしたが、慣れると自分の語学脳の切り替えが早くなっていくのを、実感できるようになりました。

次の転職先は米系証券会社で、上司はNY本社から派遣されていたアメリカ人、トムでした。

当然、彼とのやり取りは、メモも含め全て英語でした。

さらに英語力に磨きをかけられると、わくわくしていたのですが、落とし穴が!

ある時、電話で日本人と話していて、当然のように日本語でメモを取り、電話を切りました。

ふと振り返ると、トムが後ろに立っていて、突然「何の電話だったの?」と聞いたのです。

彼は私を困らせようと思ったわけではなく、ただ単純に、どんな電話だったのか聞きたかっただけだと思います。

ところが私は、日本語のメモを見ながら英語でうまく話すことが出来ませんでした。語学脳が切り替わらず「あーうー」になってしまい、大ショック!

自分の英語力がまだ足りないだけでなく、いかに、英語と日本語の文章の構造が違うかを思い知りました。とっさに、主語と述語をひっくり返す事が出来なかったのです。

トムも驚いたと思います。普段、それなりに英語が話せている人が、いきなり「あーうー」になってしまったのですから。

それからというもの、私は、電話だけでなく会議でのメモも、英語で取るようにしました。

なかなか良い頭の体操です。とっさに違う語学に換えて、メモ書きにすることなんて出来るの?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、慣れで必ず出来るようになります。

そして、これに慣れていると、日本語脳から英語脳への、スイッチ切り替えが少しづつ早くなります。

単語の置き換えだけでなく、一番大事な、主語・述語の置き換え、そして、英語の文章の冒頭に、Actually, Honestly, Unfortunately, To be honest など、枕詞を置きがちな方は、これが出なくなります。

最初、ちょっと難しいのは、電話での会話を英語でメモにするですが、これも慣れですし、できるようになれば、英語脳回路がかなり優秀になってきた証です。

日々の小さな積み重ねが、英語脳を鍛える訓練になりますので、ぜひお試しください。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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