Global Career Guide
元・外資人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、英語でプレゼンを効果的に作成し行うコツの後編をお伝えします。プレゼンだけでなく日常の英語でのコミュニケーションにも通じます。
聴衆の前に立った時の”Presence”は大切です。自信なさげでおどおどしていると「大丈夫だろうか?」とすぐさま判断されてしまうのが、英語でのプレゼンです。はったりでも構わないので、適度に自信がある様子を見せましょう。
英語でアイコンタクトは重要です。緊張して目を合わせることが難しかったら、聴衆の頭の高さと同じくらいの壁を見回しても聴衆からはアイコンタクトが取れているように見えます。慣れてきたらボディランゲージも使いたいです。両手を大きく開く、親指を立てる、日本とは違う数字の数え方など、少しづつ取り入れていけたら洗練された英語プレゼンになるでしょう。
一方的に話していると聴衆が飽きる可能性があるので、質問を投げかけて脳を動かしてもらったり、近くにいる2名ないしは3名で短くディスカッションしてもらうなど、聴衆を積極的に巻き込みましょう。
ビデオやオーディオクリップなどのマルチメディア要素を組み込むのも一案です。使うと決めたら、当日の会場で必ず再生できるかどうかの最終確認をお勧めします。これだけネットが発達した時代でも、たまに再生できないこともあるからです。
私たちは英語ネイティブではないので、事前に何度も練習した方がいいです。私は日本語の時はリハーサルしませんが、英語の時は5分のプレゼンでもリハーサルをします。母国語ではないので、途中で英単語がパッと出て来なくて冷や汗ものだったことがあるからです。あとは時間感覚を身につけるためにも、英語の場合はリハーサルが大切です。指定の時間内に収まるように調整しておきます。
全ての機器(PC、プロジェクター、マイク)が正常に動作することを、担当者の方と確認しておきましょう。プレゼンテーションのバックアップを別のデバイス(USB)やクラウドに保存しておいた方が安全です。
質問者の声が聞き取りにくい時は、全体にもう一度言い直してあげたほうが親切です。専門家としてプレゼンを頼まれているはずで、質問には答えられる可能性が高いですが、答えがわからない場合は正直にそう伝え、後で個別に答えを送ると提案して必ずフォローしましょう。
何を着たら良いかは、聴衆の属性、プレゼンの目的で変わります。私は先方が外資の場合ははっきりした色のジャケットを着用しますが、日系企業の場合は地味めの色を選びます。その他、スーツ・ビジネスカジュアル・カジュアルのどれにするかは、ひとえに聴衆の属性によります。いづれにしても、ほどよく自信がある態度を保つことが重要です。
本日は、英語で効果的なプレゼンテーションを作成し、発表するためのコツをお伝えしました。最初から全ての項目をクリアできなくても、取り入れられそうなところから試してみてください。英語でのプレゼン力向上の鍵は、「慣れ」と「恥ずかしいと思わないこと」です。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。