Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日のテーマは、英文履歴書を作成する時にこれだけは外したくないポイント5つです。
英文履歴書の作成については、1回のコラムで全てを網羅する事は難しいので、本日は大事なことにフォーカスしてお伝えします。英文履歴書は候補者が自分をアピールするツールです。読みやすくわかりやすいことをモットーに用意したいものです。
求人サイトや転職エージェント経由で仕事を見つけた時、よく内容を読むだろう応募先ポジションの職務記述書。実際に履歴書を作成して提出する際、読み返している候補者は少ない印象です。
必須項目が6つ記載されていたら、4項目は履歴書でカバーしたいです。「必須」なのですから。提出前、意識して確認して欲しいことの筆頭は、どのくらい必須項目を履歴書に載せているか、です。
サマリーは冒頭部分にあり、候補者のレベルを判断することに使われます。端的に言うと、短くわかりやすく5行位にまとめられているかどうかです。
どの業界に何年、職種、強みは何か、がわかるのが理想です。非常に多いケースは、内容が職歴に書かれていることと被っていて、10行など長文になるケースです。履歴書の他の項目に書いてあることと内容が被るのは、スペースがもったいないですし、「簡潔」にまとめる力がないように映るので要注意です。
履歴書を書き慣れていない場合は、まず職歴など他の項目を完成させ、その上で「改めて自分のキャリアをまとめるとどうなるだろう」という視点で、サマリーをまとめるとコンパクトに仕上げることができます。最初にサマリーを書くと、どうしてもあれもこれも書きたくなって長くなりがちです。
すべての職種が数値化できるわけではありませんが、営業の売り上げ、マーケティングのイベント集客数、プロジェクト・マネージャーの予算・納期管理など数値化できる仕事は、積極的に業績を数字で示してください。例えば、Many projects annuallyと言われてもどのくらいのスケールなのかわかりませんが、17 projects in one year と言われば明確です。
数値化するのが難しい職種、例えば経理については、部署をまたがってERPを導入したプロジェクトの話や、海外の同僚と一緒に仕事をした経験などを載せると評価が上がります。該当するものが見つからない場合は、「締め切りを常に100%守り、上司に褒められていた」など、定性的な内容でも十分アピールできます。
新卒で入社した企業に知名度があると、20年前でも詳しく書きたいのが人間の心理です。ただ、採用する企業側は、直近10年にしかあまり興味がありません。今これから貢献してもらうためには、現在の器を知ることが重要だからです。つまり、新卒の頃については軽く触れれば良いことになります。
大事なのは現職です。もし、入社して間もないけれど、事情で転職したい場合、現職で書けることは少ないはずです。その時は前職について応募ポジションの職務記述書と照らし合わせて、厚めに書くようにしましょう。
1回の場合は、理由が何であれ大丈夫です。ブランクの期間が長い・2回以上転職先を決めないで辞めたことがある場合は少し工夫が必要です。ジョブホッパーの印象を持たれる場合もあり、面接でも必ず聞かれるでしょう。
親の介護・子育て・自身の病気(含むメンタルヘルス)・M&Aで失職など、様々な理由が考えられます。次を決めないで離職したことが複数回ある時は、その理由は採用する企業から見て妥当かどうかをよく考えて、Reason for leaving; と1行短く添えると履歴書のスクリーニングで不合格になることを避けられます。
英文履歴書が通らないことには、面接に進めないので、自分のキャリアを棚卸ししてアピールできるところを積極的に文章に落としましょう。
Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。