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自分の意見を言う習慣をつける

元外資系人事部長、元グローバル人材育成かの鈴木Mikakoです。本日のテーマは、 外資系で仕事をするときに必須となる「自分の意見を言う」習慣をつけるです。


日本人は教育の過程で、自分の意見を人前で言うように育っていません。外資で仕事を始めると、これでは不利になります。


例えば英語での会議では、誰かがまだ話しているのに他の人が割り込む事は、当たり前のように発生します。会議で意見を述べず、質問もしない人は参加していないとみなされて、2〜3回そういう状態が続くと、会議そのものに呼ばれなくなります。素晴らしい意見でなくても良いので、自分がどう思うかを発言できる事は重要なのです。


ロンドンで10年仕事をされていたデザイナーの方が、経験談をClubhouse朝活でシェアしてくださいました。大学院で学んでいた時、スーパーでアルバイトをしていました。同じくアルバイトの人たちが経営陣に対して、待遇改善の意見をしていることに驚いたそうです。彼女たちの立ち位置は、「ただ雇われているわけではなく、私たちがいるからお店の経営が成り立っているのだから対等」だそうです。 日本の場合は、「雇ってもらっている」という立ち位置になりがちなので、考え方の違いは目から鱗だったそうです。


大学院を卒業して、彼女はデザイン・スタジオに就職しました。英語ネイティブの人に囲まれて唯一の日本人だった彼女は、なかなか自分の意見を英語で言う勇気が出なかったそうです。ある時、デザイン会議の途中でふとアイディアを思いついたので、ノートの切れ端にデッサンをしていました。隣に座っていて覗き込んだ人に、「いいアイディアだね。なんで言わないの?」と声をかけられたそうです。


彼女的には 意見を聞かれなかったので自分からは言わなかっただけです。 それではダメだと気がつき、少しずつ自分の意見を伝えるようになったそうです。彼女はデザインの分野にいるので、どうしても英語で伝えられないときには、ホワイトボードに「書く」ことで何とかしていたそうです。


昇進していくには、反対意見を述べるスキルも必要です。日本では「反対意見」イコール「相手を批判している」と、人間重視 > 結果重視の考え方になりがちです。英語圏は、結果重視 > 人間重視の価値観なので、より良い成果を求めて議論をすることは良いことで、相手を個人的に痛烈に批判するようなことをしなければ、相手もフィードバックとして受け止め、反論するなり同意するなりしてくれて、全く問題ありません。人間関係と仕事が紐づかないのです。


さて、私はと言えば初めての職場時代 GE Japanで、 上司に恵まれたラッキーな人です。彼女は、何の経験もない私に折を見て、「美加子さんはどう思うの?」 と聞き続けてくださいました。日本育ちの私は、入社して目の前の仕事を覚えることで精一杯、ほとんどのことに自分の意見はなかったです。それでも直属の上司に何回も問い続けられるうちに、「意見がないとダメなんだ」と理解し、何とか自分の拙い意見を持とうとしました。人間は習慣の生き物なので、だんだん努力しなくても自分の意見が言えるようになりました。


当時私は人事部のアシスタントで、 とても優秀だった上司の業績評価を見られる立場にいました。アメリカ人社長の彼女の評価には「She is candid but fair」(率直にモノが言えてフェアである) との表記がありました。自分の意見がある事は良いこと、言い方には気をつける必要があるけれど、言うべきことを言えることを外資は評価する表れです。


最初から素晴らしい意見を言う必要はないのです。正確には、経験値・スキルが伴わないジュニアな時代から、凄い意見を言うのは無理かもしれません。それでも、上司や周りの人が、どのように英語で討論しているのかを学び、試してみる勇気を持つことはできます。外資にいるのに、「自分の意見を言うこと」に控えめと思う人は、ぜひ今日からチャレンジしてください。


外資系では、「自分の意見・主張」を言えることが大切です。発言しない人は、仕事ができない・頭が良くないなどの誤解につながりかねません。完璧主義の傾向にあり、人前で発言することに抵抗を持ちがちですが、外資を目指すなら、また外資で昇進したいなら、この壁を乗り越えて行きましょう。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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