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外資系との面接で人事採用担当はどこを見ている?

元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。今回のテーマは、外資系の人事採用担当と「英語での面接」をする時に気をつけたいことです。

みなさんが履歴書を提出された際、最初に目を通すのは人事部の採用担当であることが多いです。GAFAを初めIT企業やベンチャーは、最初から部署主導の採用プロセスであるようですが、かなり多くの企業の一次面接官は人事です。彼らが面接で、候補者の何を確認しようとしているのかを理解すると、合格しやすくなります。

人事の採用担当は面接で何を見ようとしているか? つまるところは4点かと思います。

1. 現在の実力(スキルと専門知識レベル)
2. 人格 (チームプレーヤーであるか、コミュニケーション力はあるかなど)
3. ポテンシャル(特にジュニアなポジションで、候補者自身もお若い場合)
4. 英語力

どれも一朝一夕で何とかなるものではありませんが、ご自分をどうプレゼンするかによって印象を変えることは可能です。どのような包装紙とリボンをかけるかによって、見栄えは変わります。中身が大事と言いながら、メラビアンの法則でもわかるように、人は55%の情報を「視覚」から受け取るので、見栄えを整えることは非常に大事です。

具体的にどうしたら良いかを挙げてみます。

PR力=ハッタリ力

最近、模擬面接をさせていただいた日本企業から外資系企業に転職されようとしている方々は、この点がかなり足りませんでした。日本では「能ある鷹は爪を隠す」と言いますが、英語圏では「鷹に爪があるなら、ちゃんとあるかどうか見せてみろ」の文化で、謙虚の美徳が残念ながら通用しません。嘘を言うことはよくありませんし、いづれわかるのでお勧めしませんが、ご自分の実力を控えめに言うのは、実力がないと誤解される結果になりがちです。

今までの功績で上司に褒められたこと、同僚に感心されていたこと、表彰を受けたことなどを思い出し、これこそ自分の強みですとPRできるかどうかは大切な力なので、出来ているかどうか見直してみてください。

聞かれたことに対して、短く的確に答える

質問に対して的確に答えられるかどうかは、その方の地頭が良いかどうかに直結します。何を聞かれたのかをきちんと把握して、そこから逸れないようにしましょう。長くダラダラ話したり、話がぐるぐる回るのも、注意したいお勧めできない面接でのコミュニケーションです。面接の時間は限られているので、面接官が聞きたいことを全部カバーできるよう、候補者も言いたいことを答えられるよう配慮が必要です。

志望動機が明確である

候補者にとって、すべての面接が第一希望の企業とかというとNOなのが現実です。転職エージェントから紹介されたので、どんな会社なのか聞くだけ聞いてみようというケースもあるでしょう。とりあえず面接に通りたいのであれば、最低限HPをよく読んで、なぜ志望しているのかをポジティブに答えられるようにしておきましょう。志望動機について質問した時のお返事で、企業のことをよく勉強していないことが露呈したり、入社したい気持ちに情熱を感じられなくて第一志望でないことが明らかな例はあります。特に管理部門で他業界でも潰しが聞く場合、この傾向が強いので気をつけてください。

アイコンタクト

現役の人事時代、面接がスタートして5分くらいして違和感を感じたら、かなりの確率でアイコンタクトが欠けているのが原因でした。手元でわからないように履歴書をよく読み直すと、初めて日本企業から外資系企業に移ろうとしている方だったり、外資系にお勤めの方でもPCに向かっている職種の方が多かったです。いづれにしても、英語慣れしていない人だという印象を与えてしまいます。もちろん外資でも四六時中、外国人と英語で仕事をしているわけではありませんが、英語でのコミュニケーションに慣れると日本語を話している時も、相手の目を見る癖が出るので、アイコンタクトがあるかどうかは採用担当からすると非常にわかりやすい指標なのです。


今回は、外資系企業の採用担当がどんなことを面接の時に見ようとしているか、そのためにご自分をPRするにはどうしたらよいかについてお伝えしました。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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