Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。本日は、中級以上の英語力を持つ方にお勧めの英語本をご紹介します。
それなりに英語力はあるけれど帰国子女でない多くの人にとって、難しい状況を英語で切り抜けるのは大変です。気をつけないと、なまじ英語力があって表現できるので、ストレートに言い過ぎてしまいます。
難しい状況とは、
◆ 仕事や依頼や誘いを断る
◆ よくない知らせを断る
◆ 無理な条件の提示に対応する
◆ 注意する
◆ お悔やみの言葉を述べる
◆ 感情的になっている人に対応する
などなど。
母国語でも簡単ではない状況を英語で対応するのは、骨が折れます。
例えば、「お悔やみの言葉」ですが、私はよく考えるといつもワンパターンで、
Please accept my sincere condolences. を使っています。
一度、誰かのEmailの真似をしてMy thoughts are with you and your family at this difficult time. と言おうとしました。自分の身になっていなかったせいか、最後の “at this difficult time”が出て来なくなり、そこで切れば良かったのに思い出そうとして、やり取りがギクシャクした最悪の思い出があります。お悔やみを伝えたい場で、心を込めてスムーズに言えない言葉を持ち出すものではありませんね。それ以来、辛い思いをされている方を傷つけることが怖くて、自分のワンパターンに戻りました。
本には、「こんなにたくさん言い方があるんだ」と驚くほど、たくさんのフレーズが出てきます。
短いものでは、
I’m sorry for your loss.
I’m thinking of you.
少し上級だと、
We were very sad to hear of Daniel’s passing.
She holds a special place in my heart.
など。
また非ネイティブには有難い、避けた方が良い表現も出ています。
I know how you feel.
亡くなった方との関係性は特別なもので、相手の気持ちを完全にわかることはできないので、この表現は相手の立場に立ったものではありませんと説明されています。私、この表現使ったことあります(苦)。両親を亡くしており、親を失くす心の苦しさはわかっているつもりで使ってしまいましたが、言われてみれば不適切でした。
流れてくる英語を理解し文章を読んで理解できることと、自分の口から話せること・Emailで書けることは別問題です。TOEIC700点以上の英語力はあるけれど、センシティブな状況を英語で切り抜けることが難しい方にお勧めします。私のClubhouseの朝活でもテキストとして使っていて、自信を持ってお勧めできます。
マヤ・バーダマン著
Japan Times出版
ビジネスで誰もが直面したことのあるセンシティブな場面を26シーン取り上げます。相手のことを尊重しつつ、自分の意見を相手に上手く伝えるにはどうしたらいいのか。効果的なアプローチを提案し、各アプローチにピッタリの英語表現を紹介します。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。