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キャリアの方向性をルミナで考える(実例48)

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。本日は、キャリアの方向性を考えている方のご相談について、アセスメントツール「ルミナ」を使って解説します。

*この記事は本人の了承の下に書かれています。

今回の相談者・橘さんは41歳の女性です。日系企業で事務の仕事をした後、イギリスに留学して現地で子供たちに日本語を教える仕事をしていました。帰国して、日本でも子供たちに英語を教える仕事をしましたが、授業の進め方について方針が合わず、スタートアップの米系通販企業に転職しました。購買職についていますが、このまま購買の仕事を続けることになんとなく違和感があり、改めて適職を知りたいというご相談内容です。

まず橘さんの4つのカラーを見ます。

人間重視の緑と細かいことが得意な青のスコアが高いです。子供たちに英語を教える仕事では緑を活かし、事務や購買の仕事では細かいことが得意な青を活かしていたと推測できます。

突出してスコアが高い緑と青に比べると、結果重視の赤とビジョン重視の黄色のスコアは低めなので、職業を選択する時に赤と黄色が必要な領域に近寄らない事が成功の鍵です。つまり、この時点で営業、マーケティング、事業企画等は選択肢から外れます。

次にマンダラを見ると、橘さんの結果はなかなかにユニークです。大きな特徴が2つあります。

a) 人間重視と細かいことが得意な方は、内向性が高いケースが多いのですが、橘さんは外向性の方が高い

子供に英語を教える日本語を教えるとは、大勢の前での発言を意味しますし、初めてのお子さんや親御さん達と交流することにもなるので、この外向性にだいぶ助けられてきたと推測できます。

b) 直感重視と規律重視のスコアが高いレベルで拮抗している。

ルミナの特徴の一つは、人間は単純ではないので一般的に相反すると言われる資質を両方持つことができるです。これまでも直感重視と規律重視のスコアが同じようなレベルの方を拝見した事はあります。ただ橘さんのように、これだけ高いレベルで直感重視であり、規律重視でもある方は珍しいです。

状況に合わせて使い分けているのだとは思いますが、両方を持っているからのジレンマも発生します。規律重視だけであれば、日本に帰国したときに、全て教え方がマニュアルで決まっている日本流の教え方に違和感を持たなかったはずです。直感重視の一面が頭をもたげ現場にいる子供たちに合わせて、アドリブ力で教えたいと思い学校を離れることになったのでしょう。時々、自分の中でモヤモヤすること、両方に引っ張られているような感覚を持つことがあったら、この「直感重視」と「規律重視」が心の中でぶつかっていると考えられます。

さて、次に、24のクオリティーを見ていきます。購買の仕事を極めるべきかどうかと言う橘さんの質問ですが、答えはNOになります。購買の仕事に向いている方は、結果重視の赤と細かいことが得意な青の組み合わせを持つことが理想です。橘さんは青のスコアは非常に高いのですが、赤の「結果にコミットする力」が弱めです。

現在、教育業界でオペレーションの案件があるそうです。教育業界は緑そのもの、オペレーションは規律重視の方に向いているし、細かいことが得意であることもプラスになるので、適職といえます。

橘さんは、購買の違和感を感じていた購買の道を行くことを止めて、青と緑を活かせる職業を選択することになりました。ルミナで各個人が持つ資質の強みと弱みを、詳しく知ることができます。キャリアの方向性に迷っていたら、活用してみるのが早道かもしれません。ご興味がある方はこちらをご覧ください。

毎月の最終週に、「キャリアの方向性をルミナで考える記事」を執筆して丸4年が経ちました。実際のケースを使わせてくださった48人の方々に心からの感謝を捧げます。ありがとうございました。これからも、皆さんがキャリアを考えるにあたってのヒントになるよう、「キャリアの方向性をルミナで考える」を心新たに執筆していきますので。どうぞよろしくお願いしたします。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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