Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材育成家の鈴木美加子です。エグゼクティブ・プレゼンスとは、一流が持つオーラとも言い換えられます。影響力を発揮し、他者から尊敬され昇進していくための源でもあります。
では、具体的にエグゼクティブ・プレゼンスを構成する要素にはどのようなものがあるのでしょうか? 主に「外見」と「マインド・態度」の2つに分けて説明し、職場で実践できるヒントを紹介します。
カジュアルを良しとするのが時代の流れですが、第一印象が非常に重要なのは古今東西変わりません。特に、初対面の際に与える外見は、どれほどプロフェッショナルで信頼できる相手なのかを判断する重要な要素となります。
a) 洗練された服装
外資系企業では、TPOに応じて洗練された服装が求められます。カジュアルな職場環境であっても、初めて、特に外部の仕事相手と会う時は過度にカジュアルな服装は控え、プロフェッショナルな印象を保つようにしましょう。スーツ、ビジネスカジュアルな服装の程度は、TPOをよく見極めて選択したいです。
b) 清潔感と身だしなみ
見た目に清潔感を持つことは欠かせません。しっかりとした身だしなみは、自信を持って仕事に臨む姿勢を表します。髪型や靴、アクセサリーなども細部に気を配り、洗練されたイメージを維持しましょう。寝癖がついた髪、しばらく磨いてない靴、職場では派手すぎる大きなアクセサリー、ストッキングが伝線しているなどは避けたいです。
エグゼクティブ・プレゼンスは単なる外見だけではなく、「マインド」や「態度」こそ大きな影響を与えます。リーダーとしての威厳や信頼感は、言葉遣いや態度、そしてメンタルの落ち着きから生まれます。
a) 自信がある
エグゼクティブ・プレゼンスに、自信は不可欠です。傲慢ではない内面から滲み出る自信が日本人相手の場合は重要です。相手が外国人で英語で仕事をする場合は、多少ハッタリも見せながら「仕事ができる人間」という印象を醸し出すことが重要です。職場で尊敬できない人がリーダーシップを取り成功していくのは難しいからです。自信があるように見せるために、顎を引き首と垂直になっているかどうかを確認する癖をつけるのも良いでしょう。その状態だと背中もまっすぐ伸びて、自信ある人のようにみえます。
b) 冷静さと落ち着き
プレッシャーのかかる状況でも冷静であることは、エグゼクティブ・プレゼンスを高める要素です。エグゼクティブ・プレゼンスのボロが出そうになる最大の危機は、外資系企業で起きがちな突発の問題です。ついオロオロしてしまったところを部下に目撃されると、器が小さいことが露呈するのでなるべく不安な心を見せないで、冷静に対処できると合格です。常に落ち着いて判断を下し、周囲を安心させることができてこそ、エグゼクティブ・プレゼンスを身につけているリーダーと言えます。
エグゼクティブ・プレゼンスは生まれ持った才能ではなく、日々の意識と実践によって高められるものです。ここでは、職場で取り入れやすい具体的な方法を紹介します。
1. ボディランゲージを意識する
英語環境で自信を示すには、言葉だけでなくボディランゲージが重要です。姿勢を正し、しっかりとしたアイコンタクトを保つことは、相手に対して自信と信頼感を与えます。また、ジェスチャーや表情も適切に使い、感情をコントロールすることで、より説得力のあるコミュニケーションが可能です。
2. スピーチやプレゼンテーションを練習する
外資系企業では、プレゼンテーションやミーティングで自分の考えを効果的に伝えるスキルが求められます。エグゼクティブ・プレゼンスを磨くために、定期的にスピーチやプレゼンの練習を行い、自分の話し方や表情、トーン、立ち姿を確認しましょう。録音やビデオで自身の姿を客観的に見直すことも有効です。
3. 相手によって態度を変えない
エグゼクティブと言われる人材でも、相手によって言葉使いや態度が随分変わることがありますが、避けたい姿勢です。相手から尊敬されるためには、本来こちらも相手に一定の敬意を払うべきです。エグゼクティブ・プレゼンスの中に人としての「品格」も含まれますので、日頃の有り様を振り返ってみてください。
エグゼクティブ・プレゼンスは、キャリアの成功に欠かせない要素です。外見とマインドセットを意識し、自信を持って行動することで周囲からの信頼を勝ち取りキャリアを形成しましょう。日々の仕事の中で小さな変化を積み重ね、自分自身のエグゼクティブ・プレゼンスを高めていくことが成功へのカギです。
Xでも毎日発信しています。 ID: @Mikako_Suzuki 良かったらフォローしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。