Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
Daijob.com社主催のキャリアフェアまで、あと3日になりました。
参加を考えられている方、準備は万全ですか?
どんな準備をしたら良いのかは、 こちらにわかりやすく詳しく書かれています。
今日は、元・外資系人事部長の視点からいくつかアドバイスをさせていただきますね。
まず、履歴書を10部以上用意してありますか?
行ってみたら、その場でも面接してもらえて、気がついたら持参の履歴書を全部提出してしまい、その後、面談してもらえなかったなんて残念すぎます。
多めに持っていくに越したことはありません。
以前、英文履歴書のレビューをその場でさせて頂いた時、スマホの画面を私の前に出された方が2人もいらっしゃいました。拝見はしましたが、私が採用者なら2人ともその時点でアウトです。キャリアフェアに参加するのに、自分の履歴書を持っていないようでは話になりません。
次に、たくさん参加されている企業ブースの、どこに並んで説明を受けるかです。キャリアフェアは採用企業の担当者が会場にいてくださるので、生の情報を仕入れられる絶好のチャンスで、これを逃すのは勿体ないです。
今回私はスピーカーとして伺えませんが、毎回残念に思うのは、会場にいる皆さんが知名度のある企業の前に並びがちなことです。
安定は大切ですし、現在ネームバリューがある企業に働きたい気持ちはよくわかります。でも、裏を返せばそれだけ競争も激しいということなのです。皆さんは、1流大学卒業ですか? 今まで務めた企業は1流企業だけですか? もしそうではないとしたら、皆さんが先方の知名度にこだわりすぎると、お見合いが成立しない確率が高くなってしまいます。
企業とのお見合いでは、「将来性」をしっかり見ることも大切です。ある企業が、今もこの先も一流であることは勿論可能ですが、今、日本ではあまり知られていなくても、海外ではすでにかなり知名度があり、日本でブレークする可能性が高い企業のお名前、参加企業リストにありますよ。(実名を挙げることは避けさせていただきますね)「この会社、知らない」と切り捨ててしまう前に、グローバルにも知名度が無い企業なのかどうか、よく調べてください。
最後に重要な「準備」です。
キャリアフェアの現場は、自分を売り込む絶好の場でもありますが、準備がきちんとできていないと玉砕します。
フェアに参加する企業がどこかは前もってわかっているのですから、興味ある企業のHPにアクセスして、どんな製品を扱っているのか、企業理念は何かなど下調べしましょう。
採用担当者は、「人を見抜く」プロなのです。自社のことを研究して準備して臨んでいる候補者とそうでない候補者の区別なんて、あっという間につきます。
当然、準備をしていない方が「優秀」と判断されない限り、社交辞令以上の時間を割いたりはしません。そしてまた皮肉なことに、企業が「優秀」と感じる候補者は、企業研究くらいはしているものなです。
企業研究が終わってここに就職したいという企業も見つかり、会場で面接してもらえるラッキーな流れになったら、見せるべきは「情熱」です。
一人の候補者が、ある業界の「どこの企業でもまぁいいかな」と思っている場合と、「この企業にピンポイントでどうしても入りたい」と思っている時では、採用担当者に伝わる「情熱」が違います。
企業は、同じようなスキル・経験を持った候補者が二人いたら、しっかりとした理由を持って、「御社にどうしても入りたい」と言ってくれる候補者を選ぶのです。
今日の記事を振り返ると、通常の転職活動にも当てはまることに気がつきました。キャリアフェアが特別なのは、たくさんの企業が参加している点です。タイム・マネジメントをどうするかなど、その場で臨機応援に動ける柔軟性を発揮して、せっかくの素晴らしいチャンスをぜひ自分のものにしてください。
グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。