Global Career Guide
元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。転職の際に、レファレンスが必要になったことはありますか? 昔の上司や同僚にお願いするときのコツについてお伝えします。
先日、レファレンスを頼まれました。 レファレンスとは、主にマネジャー以上のポジションにリクルーターを使って移る時、「あなたの仕事ぶりについて話せる方と電話で15分くらいインタビューさせて欲しい」というもので、通常2名です。
質問の内容は、だいたい以下の通りです。
a) どのような関係だったのか (上司と部下、同僚、取引先の客と業者など)
b) いつ頃知っていたのか (2008年から2014年までなど)
c) 候補者の職場での強みを具体的に
d) 候補者の改善点を具体的に
e) 新しく候補者の上司になる方に、何かアドバイスはありますか (途中でちゃんと報告する自立型人材なので、任せた方が良い仕事をすると思う など)
私が頼まれたお相手は、3年前に2か月だけ一緒にお仕事をさせていただいた某外資の人事の方でした。仕事をした期間が2ヶ月と非常に短いので、本来、私はレファレンスを出すベストの人間ではありませんが、その企業に長くお勤めで、頼める人が社内にいないのでお願いしたいとのことでした。
短い期間でしたが非常に密にお仕事をさせていただきましたし、職種が「人事」と私の専門分野なので、強みも、失礼ながら改善点も理解していると思ったのでお引き受けしました。人事が長かったので、レファレンスを頼まれることは今でもありますが、転職しようとしている方の大事な機会をなるべく後押しできるように、どんなに忙しい時にも引き受けるようにしています。
今回、人事の管理職として転職される彼に私がお願いしたことは、職務記述書(Job Description)を送ってくださいでした。役職名からもどんな仕事かはだいたい憶測できますが、どのような素養が必要とされるかは、JDを見るのが一番正確で早いからです。JDは企業風土についても触れているので、仕事のスピード感について話したほうがいいのかどうかなどの判断もつきやすいです。
メールしていただいたJDを見て、業種・規模感と照らし合わせて、求められている資質・スキルと候補者の強みがかぶるところを探しました。
– 仕事が早い
– ルールに縛られず、柔軟に対応できる
– チームプレーヤーである
上記の必須3項目かなと思われる点をピックアップして、実際にお仕事をした時の例を具体的にリクルーターにお伝えしました。
転職活動が終盤に差し掛かり、リクルーターの方から、「レファレンスが2名から欲しい」と言われたら、以下を参考にどなたにお願いするのか考えてください。
a) 自分の仕事ぶりをよくわかっている人を2名選ぶ
l ベストは過去の上司、次は同僚
l 強みだけでなく、改善点も話すことになるのであまり厳しくない方のほうが無難
b) レファレンスは急なことが多いので、お願いするときは丁寧に
メールではなく、電話で行うので先方が海外出張中だと他の方が必要になるかもしれない
c) 職務記述書を送る
d) レファレンスが終わりましたと先方から連絡があったら、感謝の言葉を述べておく
いますぐ必要で無い方も多いかと思いますが、将来の転職活動で急に必要になった時、落ち着いて対処できたらとの願いをこめて年内最後のブログとさせていただきます。
今年もご愛読いただきありがとうございました。来年は1月9日スタートの予定です。年末年始ゆっくり英気を養って、素晴らしい2018年を迎えられますように。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。