Global Career Guide
元・外資系人事部長、現・グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。
私は、グローバル人材を、「多様性を受け入れ、英語でロジカルに発表・主張できる人材」と定義づけています。
英語でのコミュニケーションで、ロジカルほど大切な要素は無いとも思っていますが、なかなか日本人が身につけるのは難しいが実感でもあります。
日本語ではロジカルにわかりやすく話せる方が、英語になると話がわかりにくいことは結構あります。日本語は漠然としていても通じる言語なので、母国語が日本語の人が、英語を話すとき、いきなりロジカルにと言われても困るというのが現実です。
ロジカルに話す習慣をつけるために、日本人向けに考案されたフレーム・ワークを覚えると便利です。
本日は、私がセミナーの中でもお話する、「ソラ・アメ・カサ」のフレーム・ワークを取り上げたいと思います。
「ソラ」は、状況。たとえば、「西の空が曇ってきました」だとします。
「アメ」は、意味合い。ソラを受けて、〜なるかもしれない、〜のようだにあたる部分です。たとえば「数時間以内に雨が降るかもしれない」になります。
「カサ」は、アクションです。たとえば「じゃ傘を持っていこう」になります。
「ソラ」→ 「アメ」→ 「カサ」と流れてこそ、ロジカルだと言えるのですが、日本人はこの「アメ」が抜けてしまうと分析されています。
「西の空が曇ってきました」「じゃぁ傘を持って行きましょう」で、誰も不思議に思わないのですが、本当にそうでしょうか?
「西の空が曇ってきても」「オフィスが地下道で駅と繋がっていれば」「傘は持っていかなくていい」になります。
「西の空が曇ってきても」「荷物が重すぎれば」「雨が降ったらコンビニで傘を買うことにして、傘は持っていかない」にもなります。
一番大切なのは、「アメ(意味合い)」なので、アメ抜けにならないようにしましょうというわけです。
もう一つ、サンプルを一緒に考えてみましょう。
「ソラ(状況)」が、「会社の売り上げが対前年比25%減になった」だとします。
どんな 〜かもしれない、〜のようだで終わる「アメ(意味合い)」が考えられるでしょうか?
例えば、アメが「このままだと、会社が倒産するかもしれない」だとすると、「カサ(アクション)」は、「売り上げ増のための、画期的な営業企画案を立てよう」になるわけです。
他にも、アメは「このままだと株価が落ちるかもしれない」、カサは「経費を削減するように全社挙げて取り組もう」なども考えられます。
慣れないと使いにくいかもしれませんが、何回も練習していると非常に役に立つフレームワークです。
これを使って、さくさく考えられるようになると、英語で話をするときにもロジカルに話せるようになりますよ。
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グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役
日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師
NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)
強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。