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英語での面接前に準備する

外資系・もしくは海外への転職のプロセスで、英語面接には日本語での面接とは異なる対策が求められます。以下は、効果的に自分をアピールするための、7つの日本人が誤りやすいポイントです。

1. 堂々と振る舞う

「謙虚の美徳」を良しとする日本と比べ、英語で仕事をする場面では自信を持ってアサーティブに振る舞うことが大切です。英語で面接をしている面接官に、察する力はないので見たままが評価されます。何となく言い過ぎだろうかと遠慮しても汲んでもらえないので、自信がありそうに振る舞いましょう。自分の実力を100点以上に見せられる人々の中にいて、自分だけ90点に見せてしまうことは面接ではマイナスにしか働きません。「ちょっと盛ったかなぁ」と思うくらいでちょうど良いです。

2. 結論から先に述べる

英語と日本語の構文は全く違います。英語では、結論から話すことが当たり前です。日本語のように最後に結論を持ってくると、相手の記憶に残りにくいし相手はオチを知ろうとしてストレスに感じるので、最初にポイントを伝えましょう。

初めて私の上司がアメリカ人になった時、”Micky, what is your conclusion?”とよく言われました。当時は「なんで最後まで聞いてくれないのかしら」と思っていましたが、英語で日本語の構文を使って話すことは通じないのだと学びました。

3. 要点を簡潔に述べる

「話が長い」候補者がとても多いです。日本企業では、詳細まできちっと話せることに価値があるのかもしれません。英語での面接で話が長いデメリットは2つあります。

i. 頭が悪いと誤解される – 短くロジカルに英語で話をまとめられる地頭が無い、との評価をされがちなので気をつけたいです。

ii. 面接官の記憶力のキャパを超える  – 面接の場合は、ただ何気に聞いていればいいのではなく次の面接に進めるかどうかを決めないといけないので、面接官はかなり集中して話を聞いています。ですが人間の記憶力には限りがあるので、あまりに長くなると「最初の理由は何だったっけ?」になります。見出しレベルを提供するつもりになってください。面接官がもっと詳細を聞きたい場合は、深掘り質問をしてくれるので大丈夫です。

4. アイコンタクトを忘れない

視線を合わせることで、英語に慣れた印象を与えることができます。適切なアイコンタクトは信頼感や自信を示す重要な要素です。英語を使わない環境にいることがすぐ露呈する指標です。現役の企業人事時代、英語での面接が始まって5分くらいして違和感を感じる時、履歴書をもう一度見ると「現在、日本企業にお勤め」か「外資にいるけれどSEなど人と対話していない職種についている」のどちらかでした。
アイコンタクトは非常に大事なので、初めての英語面接に臨む前に練習することをお勧めします。

5. 想定問答を準備しすぎない

日本人は真面目で完璧を目指す方が多いので、つい想定問答集を作成して完璧に記憶しようとしがちで危険です。面接官は、候補者が丸暗記で臨んでいると経験からすぐ気がつくので、変化球の質問を投げます。目的は、真の英語力を知ることと想定外対応力を試すことの2点で、何とか球を返せる方は少ないです。

準備しすぎて硬直した応答になるよりは、臨機応変に答えられる柔軟さを持つことが大事です。相手が意外な質問をしてくる場合に備え、自然な会話を心がけましょう。

6. “We”ではなく”I”を使う

日本人は集団主義が根っこにあり手柄をチームのものとしたい謙虚さなどから、”We”と表現しがちですが、英語面接ではあまり聞かない言葉です。個人主義の英語圏では、個人のスキルや貢献を表現するには”I”を使います。大したことではないようで、英語で仕事をした経験があるかどうかを明確に示すサインなのでギアチェンジしましょう。

7. 自然な英語表現を意識する

受け身形ばかりでは不自然に聞こえます。ネイティブが話す言葉に受身形が含まれることはほとんど無いからです。「主語」プラス動詞で文章を始めて、ナチュラルな英語を心がけましょう。

これらのポイントを実践することで、外資・海外企業との英語面接の成功率を高めることができるでしょう。英語面接を不安に思う方も、準備をしっかり行えば自信がつくはずです。英語が流暢でなくても、堂々とした態度で専門性の高さが伝われば高評価に繋がります。

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鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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