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英語でのプレゼンテーション – 一番大事なのはリハーサル

最近、プレゼンテーションの研修が多く、ちょっと気になっていることを本日の記事にします。

外国語である英語でのプレゼンを、ぶっつけ本番でやっていませんか?

主宰しているグローバル人材育成塾の世人(せじん)塾では、毎回1分の英語スピーチを冒頭で行いビデオ録画します。

最初のころは、皆さんあなどって、リハーサル無しで参加するので、案の定、ボロボロの結果になります。

リハーサルしないとダメなんだと気がついたら、しめたもの。

結果がめきめきと良くなります。

私は、ここぞという大舞台でのプレゼンをリハーサルによって救われたことがあるので、その時の体験をシェアさせて頂きますね。

日本DHLで人事本部長をしていた時のこと、ドイツの本社から、G12と言われた、トップ12人が来日することになりました。

3人がプレゼンターに選ばれ、私は唯一の日本人としてプレゼンテーションをすることになりました。

英語でプレゼンをする時は、3回ほど、朝、立ってリハーサルするのが私の習慣ですが、その時は大舞台だったので5回行い万全で臨みました。

会議開始時刻の20分前に会場入りしようとして、あまりに張りつめた部屋の空気に耐えきれず、他の本部長と一緒に廊下で待っていたのを覚えています。

会議が始まり、プレゼンテーションがスタートしました。

私はトリでした。

それまで何でもなかったのに(プレゼン前、あがる習慣は私にはありません)、突然、左足の膝ががくがく震え出したのです。

びっくりしてパニクりそうでした。

プレゼンテーションの前にあがる癖がある人間ならともかく、全くそうでない私の膝が震えて止まらないのです。

テーブルの下で、何気なく膝を左手で押さえました。

止まるどころか、がくがくしているのが腕にまで伝わってきてしまいます。

まずい! こんな大事な場面で、「あがる」イコール「弱い」になるわけで、絶対隠さなければと思い、とにかく左手を離しました。

それでも、心ここにあらずで落ち着かないので、水を飲みました。

Volvicの500ml、今でもはっきり覚えています。

自分の番が来るまでに、全部飲んでしまいました(笑)

そして私の番。もう観念するしかありません。

いつものように”Let`s go Micky.  It`s show time.” (ミッキー、行くよ。 幕は上がった)と自分に言って、立ち上がったのです。

全員の前に立った途端、何故かいつもの自分に戻りました。

リハーサルは5回もしてあるのですから、あとはボタンを押してCDをかけるように話すだけ。

周囲の反応を見る余裕もあって、予定してなかったジョークも入れて笑わせました。

あの時を乗り越えられたのは、リハーサルしてあった以外の何ものでもありません。

それ以来、自分にとっての外国語である英語でプレゼンテーションをする前に、

リハーサルしなかったことは、ただの一度もありません。

母国語であれば、あがっても何とか言葉を繋げるかもしれませんが、しかし外国語となると、最悪の場合は頭が真っ白になってしまいますよ。(何回か目撃したことがあります。)

普段から、英語でのプレゼンテーションは、必ず事前にドライラン(リハーサル)する癖をつけましょう。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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