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英文履歴書は応募するポジションに合わせて書き換える

元・外資系人事部長、現グローバル人材プロデューサーの鈴木美加子です。

もうすぐお彼岸ですね。夏も終わりシルバーウィークが終わったら、転職市場もお休みモードから完全に通常モードに戻ります。準備は万端ですか?

先日、起業してから初めて履歴書を提出しないといけない機会がありました。しばらくアップデートしていませんし、自分の履歴書をよくレビューしてみたら、今回のお話には「書き直さないとダメ」な状態でした。

履歴書は一度書いたら、経年とともに継ぎ足していけば良いわけではありません。一番大切なのは、どのポジションに応募するのかを意識して、それに合わせて書くことです。

履歴書を提出する私は1通書けばいいのですが、受け取る側は複数から受け取るわけで、候補者が思うほど全ての履歴書をよーく読んではいません。これは経験者は語るでして、決して候補者を軽んじているわけではありません。ただ、履歴書のレビューに使える時間が限られる関係で、しょうがない事だと思っていただけるとありがたいです。

私のケースで申し上げると、「研修」エリアでの実績が大切なのに、私の履歴書は最後の方がジェネラリストだったため、インパクトが大きい仕事の成果順に分野(研修・採用・福利厚生・労務など)に関係なく並んでいるのが問題でした。

私が自分の履歴書をアップデートする上でした事は下記になります。

a)  出だしのSummaryで、研修以外のことに一切触れませんでした。

  (目的 : 研修のプロという印象を与えるためです。)

b)    過去の勤務先での成果のトップが必ず「研修」に関する内容になるように順番を変えました。(目的:面接官が必ず読むのは、各勤務先の最初の方に上がっている項目なので、よく読んでもらうためです。

c)    研修と関係ない成果の数を大きく減らしました。 (目的 : 面接官が関係ないことを読む時間を増やさないようにしました。)

d)    10年前以上の勤務先に関する記述を短くしました。(目的:10年も前のことは参考程度にしかならず、よく読まない可能性が高いからです。)

このように、履歴書を提出する前に提出先の職務記述書と照らし合わせて、求められているスキル・経験を前面に押し出した内容になっているか確認することは大切です。スキル以外に、特定の業界経験が求められている場合、経験ありならそこをPRすることが重要ですし、業界経験がないというのが真実なのであれば、出られる勉強会はないか、本で勉強できないかなどを考えて、新しいことを学ぶ意欲がり得意であることをアピールしないといけません。

要は、同じ履歴書が全てのポジションに当てはまるわけはないということを、ご理解いただきたいのです。履歴書は同じでも、カバーレバーを変えればいいのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的にカバーレターより履歴書の方がよく読まれるので、履歴書の微調整は必須です。

カバーレターをつける場合は、何をそこに書くのかよく考えてください。情熱を伝えたいのであれば素晴らしいことですが、私の経験では「あってもなくても変わらない」くらいの内容のことが多くもったいないです。多分、そういう経験が多い面接官が、まぁレターは後回しでいいからどういう経歴なのと、履歴書を先に読みたがるようになるのでしょう。

積極的に活動して、12月を迎え再び転職市場がスローダウンする前に、次のお仕事が決まるよう祈っています。

鈴木美加子

グローバル・キャリア・カウンセラー /(株)AT Globe 代表取締役

日本GEの人事でキャリアをスタートさせ、モルガン・スタンレー、イートンのアジア・パシフィック本部などを経て、日本DHLの人事本部長に就任。1万人を面接した自身の転職経験と英語や異文化と格闘した体験を元に、外資への転職を希望する方・外資でキャリア・アップしたい方を全力でサポート。
英検1級、TOEIC960点。iU情報経営イノベーション大学・客員教授。ルミナスパーク・リーダー認定講師、STAR面接技法・認定講師、ホフステード異文化モデル公認講師

NY生まれでオーストラリア居住経験あり。映画とコーヒーが大好き。
著書「やっぱり外資系がいい人のAtoZ」(青春出版社)
「英文履歴書の書き方・英語面接の受け方」(日本実業出版社)

株式会社AT Globe

強みを活かし個の力を最大限に発揮できるグローバル人材を、一人でも増やすことで母国の発展に寄与することをミッションとする。 企業向けには異文化理解・海外赴任前研修を、個人向けには外資への転職サポートを提供。

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